見出し画像

【読んだ】親子の法則

おすすめ度 ★★☆☆☆

毒親という言葉が適当に使われるようになったな、と思う。
はじめは、どの角度から見てもひどい親の例が多かった気がするが、特徴がハッキリするにつれ、「あれ、うちも毒親だったんじゃない?」と気軽に使う人が増えた気がする。

序盤の「人生の9割は親との関係で決まる」という章は、そんなことを思いながら読んだ。タイトルも安直で好きじゃない。

確かに、悩んでいる人の救いにはなるかもしれない。
でも、かなりこじつけで親子関係のせいにしており、前回読んだ心理学の「都合のいい部分」だけを散りばめているように感じた。


それでも我慢して読んでいたら、後半は悪くなかった。
前半の「全部親のせい」思考から解放されましょ、的な話だったからだ。

親子関係に悩む人がワークを通して解放される方法が実践的に書かれている。真面目にやれば、効果がありそうなワークである。
ただ、相当本気の人でない限り、自力でワークをやれる人は少なそう。「ふーん、なるほどねー」でわかったつもりになって終わる人がほとんどじゃないか(私含め)
そういう人は、ぜひ筆者のセミナーへお越しくださいということか。


自分が親になって子育てをしてみると、「自分がどう育てられてきたか」を振り返ることも増える。

部屋が散らかっていること、ご飯をあまり食べないこと、ビビリですぐ泣くこと。子供の頃はなぜ怒られるかわからない、と思っていたことが、将来や健康を心配していたからだと理解できる。そして自分もやってしまう。

一方で、やっぱおかしかったな、と思うところもある。
具体的な言及は避けるが、今も残るコンプレックスの元凶だと感じるし、反面教師として絶対やらないぞと決めていることもある。

だから、会うとつい蒸し返したくなることもある。
考えを改めてほしい、謝罪してほしいと思う自分がいる。

がしかし、それは無意味だ。

この本で唯一役に立ったと思うのがココで、「親に怒りをぶつけても、自分が癒やされることはない」ということだ。

そこには「相手は悪者、私はいい者」という構図しか無く、せいぜい「自分は正しかった」という独善的な味方が強化されるだけだと気がついたのです。父に非を認めさせたところで、私の気が済むことはなかっただろうと思います。

そうだよな。
だって将来、我が子が自分の子育てを否定することを言ってきたら、やだもん。

そりゃーあんたさ、私の子育てが完璧だったとは思わないよ。けどさ懸命に愛情を注いで、毎日御飯作って洗濯して掃除してさ…そのことに感謝もしないで都合の悪いところだけ蒸し返して私のせいにするんかい!!!

といってしまう自分が容易に想像できる。
子でもあり親でもあるから、両方の立場で想像できるのはラッキーなのかも。
いずれにせよ、他人を変えるよりも、自分を上手いこと調整して気持ちよく生きるほうが良い。

とはいえ。
わかっちゃいても、モヤることもぶつかることもあるだろう。
家族ってホント難しい。わかっちゃいるけどやめられない。
それが嫌なら筆者のセミナーへということなんだろう。行かないけど。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?