【読んだ】3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」
おすすめ度 ★★★☆☆
我が家に3歳児がいたのははるか昔なので、今更なんだけど、アドラー心理学に興味があったので読んでみた。
感想としては、同意する点も多いし、結構私自身アドラーっぽく育ててきたつもりだけど、そんな理想通りにはならんぞ!って気持ちになった。
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アドラーの考え方に基づいた子育て学習プログラム「パセージ」を紹介する本。子育てエピソードをマンガにして、それに沿ってアドラーの思想を説明していく形だ。
子どもを支配しない、ヨコの関係に立つ。課題を分離する。援助する、勇気づける。
考え方としては自分の理想とする形に近く、共感しながら読める。
エピソードも3歳児だけではなく、小学校低学年くらいまでの子も登場する。
しかし、やはり現実はそんなに甘くないぞ、という思いが首をもたげる。
出てくるエピソードが、キレイごとというか「こんな程度なら可愛いもんやで」程度なのだ。
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例えば、子どものこだわりについて。
「上下とも花柄の服が着たいという娘に、組み合わせがおかしいからとそれを許さない親」というエピソードがでてくる。
これに対して、どんな服を着ていくのかは娘さんの課題で、親の課題は「世間体が気になる」「センスが悪いと思われる」「放任育児と思われる」など。
最終的には、子どもの課題をうけとめ許容するというAfterエピソードが描かれる。
いやいやいや。
上下花柄なんて全然許容できるし。余裕だし。
なんならスカートonスカートonワンピース(すべて花柄)なんてのも笑顔で許容してきたし。そういうレベルじゃないんよ。
例えばね。「絶対に半ズボンは履かない」というこだわりが息子にはあります。夏のどんな暑いときでも履かないの。
先日も夫が熱中症リスクを切々と説いたのに、「俺は大丈夫」の一点張りで、登校前に大バトル。
そういう健康や命に関わるリスクがある課題でも、先回りしてやめさせようとすると、子どもは理解できなかったり、反発したりする。
息子の場合、数年前にスネにひどい傷ができたことがあり、その跡を隠したくて長ズボンを履いていたので、半ズボンに拒否感があるらしい。(もう跡形もないのに)
彼の心理は理解できるし、中学生になれば制服は長ズボンになるし、今回は妥協してOKと判断し、極力涼しい生地の長ズボンを買うことで解決した。
でもこんなんばっかりなのだ。
どこまでを許容し、どこからは止めるべきなのか。どこまでいったら過干渉で、どこからは放任なのか。
この判断は日々、いたるところで発生し、その都度うんうん頭を悩ませながら乗り切っている。しかも夫婦で一致しないこともざらにある。
これが親の日常だ。
アドラーの思想は、とても美しく、理想的で、参考にしたいけれど、やっぱりこんな綺麗事だけでは乗り切れない。
毎日毎日、絶妙な判断を迫られながらも子育てお疲れ様!偉いぞ私!と自分を奮い立たせながら生きるしかないのだ。
<備忘録>
■ものを頼むときの態度
・ヨコの関係に立つ(親と子は対等で平等)
・丁寧な言葉づかいをする
・感情的にならない ←ムズイ!
・合理的であること(親の主観を客観的事実であるかのように主張しない)
・妥協点を探すこと
・子どもの断る権利を認めること ←ムズイ!
■家族のルールを作る際のチェックポイント
・全員がルールの制定に参加する(押し付けない)
・内容が合理的である
・平等に適用される(家族全員に)
・条文が少ない(多いと守れない)
・期限付き(一定期間で廃止し、必要になればまた作る)
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