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【読んだ】学校に行かない君が教えてくれたこと

おすすめ度 ★★★★★

Instagramでフォローしていて、作者と息子のもっちんくんをほのぼの見守っていたので、ずっと読みたかった本。
切実な言葉とシンプルなイラストのバランスが良い。そしてもっちんがめちゃくちゃいい子(まじで)。

不登校でなくても、親子関係や学校との付き合い方ですごく共感するところが多い。
不登校になってから、受け入れるまでを本当に丁寧に、丁寧に描いている。
きっと振り返るのが辛かっただろうことも、後悔していることも、包み隠さず描いている。すごい。

もともと作者も「学校は絶対に行かせなきゃ」と思ってたわけではないという。
それでも世間の目や、偏見、憐れみ、無理解に苦しみ、「いい親」でいたいと苦しみ、自己否定に陥り、「これでいいんだ」「ちゃんとやらなきゃ」の間を何度も行き来する。体験してないのに共感しすぎて泣いてしまった。

学校行ってないならちゃんとやらなきゃ、親ならちゃんと…

私が一番怖いのはもっちんの笑顔が消えること(中略)
やっと戻ってきたもっちんの笑顔を守りたい

守りたいのに なんで私は泣いているんだろう
これでいいって思っても
なんで何度も 私は揺らいでしまうんだろう


私の息子はもう小6だけど、小学校に入る前から「この子は学校にあんまり合わないかもな」と思っていた。

保育園ではどの先生にも「マイペース」といわれ、特定の仲良し友達もおらず、みんなでワイワイするタイプでもなく、迎えに行くと大抵ひとりで図鑑を読んでいた。友だちに誘われたら一緒に遊ぶし、楽しそうだけど自分から誘うことはない。感情を言葉にするのが苦手で、我慢しがち。家で時々爆発して癇癪を起こす。

何が起きても良いように、入学前から不登校関連の情報を集めて、備えていた。

小1のときは、結局いくつかのトラブルはあったものの「学校行きたくない」とは言われなかった。
相変わらず特定の友達はおらず、クラスの子の名前はほとんど聞かなかった。(のちに下の子がいっぱい友だちの話するので驚いた)
友達と積極的に遊ばないことを先生も心配していたけど、本人は学校を「好き」とも「嫌い」ともいわなかった。


この本を読んだ息子が、「あぁ、小1のころ俺こんな気持だったわぁ〜」と言った。当時の気持ちを聞いたのはほぼ初だった。

え、そうなの?
うん、友達いなかったし、毎日つまんなかった。

あーやっぱりそうだったんだ。という感じ。答え合わせができた気分。

でも学校行きたくないとは言わなかったよね。私そんな厳しくなかったと思うんだけど、と聞くと

学校休めると思ってなかった。

まぁ、そうか。それもそうか。私から積極的に「休んでいいよ!」といったわけでもないし。

先生は怖かったし(親からするとベテランで安心感ある先生だった)
宿題はめんどかったし(それはやれ)
乱暴なやついたし(うん、あいつらは私も嫌い)

と、色々振り返って話してくれた。
今こうして話せるようになったのは、成長だと思う。
本人も「学校楽しくなったの2年生からなんだよなー!」と言っていた。

そう、2年生の担任とクラスの相性が良かったらしく、息子はめきめき元気になった。
「ぼく、けっこう発表が得意みたい!」「〇〇はぼくのライバルだから、頑張る!」など前向きの塊みたいになった。
その後、息子いわく、小3は楽しくない、小4は楽しい、小5は楽しくないと当たり外れがあったそうな。
「奇数年はハズレ。偶数年は当たり」らしい。なにそれ。

だるいから、頭痛いからとたまに休ませることはあったけど、不登校になることはなく卒業へ向かっている。
偶数年の小6は大当たりらしく、毎日楽しそうだ。
だから、嫌だったことも懐かしい思い出として話せるんだろう。

そう思うと同時に、来年は中学生である。
中学1年生。。。奇数年。。。

鬼門。

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