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[ 伝説のネズミ ]:毎週ショートショートnote(呪いの臭み)

↑↑コチラの表のお題【呪いの臭み】にそって書いてみました。
わたくし文字数オーバーの常習犯なので、今回からエントリーせずに、こっそりとマイペースに公開していきます。

画像:おかっぱ/illustAC


[ 伝説のネズミ ]

「あー、お腹いっぱいだ」
「おいしかったね」
 二匹の街ネズミが、たくさん食べて膨らんだお腹をポンポンと叩いています。
「キミの言った通りに来てみたら、こんなに食べ物があるんだもんなぁ、すごいよ!」
 三日ぶりに食べ物にありつけた小さなネズミは、興奮ぎみに言いました。
「いやぁ、すごいだなんて、てれちゃうなぁ〜、昔から、鼻が効くんだよー」
 と、小太りのネズミはモジモジしながら、笑みを浮かべました。
「キミと一緒にいると、食べ物には困らそうだね」
「そうだねぇ、美味しいものがたくさん食べられるよ、きっと」
 そりゃいいや〜、と言いながら小さなネズミは立ち上がり、
「ふんじゃぁ腹も膨れたし、ひとっ走り街を駆け抜けてくるかなー」
 と、肩を回したり、屈伸運動を始めました。
 小太りのネズミは「フフフ」と笑って見ていましたが、ひとりでに自分の鼻がヒクヒクと動き出しました。
 なにかの臭みを感じ取ったようです。
「それじゃ、行ってくる〜」
 と、小さなネズミが走り出そうとすると、
「ちょっと、待って!」
 と、急に小太りのネズミが大声を上げたので、小さなネズミはスッテンコロリン転がりながら「ビックリしたー」
 と、声を上げました。
「そっちへ言ったら、イタチがいるよぅ」
「ヒェ〜、イタチ!」
 小さなネズミはビックリした拍子に、頭の毛が逆立ちました。
「うん、臭いがするよぅ、ノロイと同じ臭いが」
「えーっ、ノロイ!!!!!」
 そう言うと、小さなネズミの全身の毛は、針金のようにすさまじく逆立ちました。
 そして、「ノロイって、あの白イタチのノロイだろ、キミは臭いが分かるの?」
「うん、そりゃもう、すぐそばで戦ったからねぇ」
「えっ、もしかして、キミは、あの伝説のネズミたちの一匹なのかい」
「え、伝説だなんて、てれちゃうなぁも〜」
 小太りのネズミは照れ笑いをしながら、「とにかく、ここから離れよう、ボクの仲間がいるところへ案内するよ、こっちだよ」
 と、走り出しました。
 小さなネズミはすぐに小太りネズミに追いつくと、「もう、ボクはキミから離れないよ、だってキミはボクがずっと憧れていたネズミだもの」
「えー、憧れだなんてぇ、ボク、てれちゃうなぁ〜」
 と、照れてる小太りネズミに、小さなネズミは、
「それにキミといると、美味しいご飯は食べれるし、長生きできそうだし」
「そんなにほめられたら〜、ボク、はずかし〜」
「もー、てれてる場合じゃないよ、早く行こう、キミの仲間のところへ」
「あー、ちょっと待ってよー、置いてかないでよー」
 小さなネズミと小太りのネズミは、下水道を走っていきました。


おしまい。

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