兵役義務(徴兵制)は最大の "男性差別" である
この世に存在する最大の "男性差別" が、男性のみを対象とした拒否することの許容されない兵役義務(徴兵制)である。
大韓民国の場合、全ての男性に約2年間の兵役義務が課せられており、基本的に逃れることはできない。軍隊組織は極めて不健全で、理不尽ないじめ・シゴキや暴力が当たり前のように蔓延っているという。国家権力によって強制的にそのような組織へぶち込まれる。拒否することは許されず、もし兵役拒否を貫こうとすれば刑務所送りになる。
ただ「男性に生まれた」という理由だけで、理不尽ないじめ・シゴキや暴力が蔓延る国家組織へ容赦なくぶち込まれるか、さもなくば刑務所送りになるという、あまりにも救いのない二択を突き付けられる。
(そして、彼の姉妹や女友達などはその苦役とは一切無縁でいられる。なぜならば「女性に生まれた」から。ただそれだけの違いで………)
わが身に置き換えて考えてみれば、到底耐えられそうにない。男性が皆もれなく好戦的で、好き好んで戦争をしていると考えている人がもし居るならば、それはとんでもない大間違いだ。男性の中には、体格が華奢で体力が乏しい虚弱な人もいるし、乱暴なことが苦手で繊細な者もたくさんいる。そういう男性たちにとって兵役義務(徴兵制)は耐え難い苦役だ。それを国家権力が強いるのだ。
そういう国が、世界を見渡せばいくらでも存在する。当たり前のように存在する。そして、多くの人は "男性差別" であると認識すらしないし問題視しない。声が上がってきてもかき消されている。
極めて重大な人権蹂躙であり性差別であるにも関わらず、そのことをまともに問題として議論されることすらあまり無い。基本的人権とは何なのか。"法の下の平等" とは何なのか。"苦役の禁止" とは何なのか。いったい何なのか………。
幸い、現在の日本国には兵役義務(徴兵制)は存在しない。そういう国に生まれることができたことは、私にとっては本当に幸運なことだったと言わざるを得ない。もし違う国に生まれたならば、国家権力によって暴力が蔓延る組織へぶち込まれて、心身ともにボロボロにされていたのかもしれないのだから………。
2022年2月下旬からロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナにおいて、「18~60歳の全男性の出国禁止」という措置が当たり前のように取られている。もちろん、武器を持って国のために闘えという、そういう意図であることは明白であろう。また、ロシアは徴兵制が健在の国であり、ウクライナへ出撃したロシア兵の中には、徴兵によって意に反して軍隊へ入隊させられたうえで、戦地へ連れてこられて破壊と殺戮に従事させられている者も少なからず居るのではないだろうか。考えるだけでおぞましいことだ。
私と同じように、乱暴なことが苦手な繊細な男性たちが、きっと苦しんでいるはずだ。どうすることもできないのが、ただただ悲しい。
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