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「100日後に死ぬワニ」と「長州力」のヒットの共通点から考える2020年代的話題作りとその課題 ー課題の対策はアレにあり!!ー

2020.3.20・・・この日は、「100日後に死ぬワニ」のワニくんの命日であり、「長州力」がYoutubeチャネル「リキチャンネル 井長州力」が開設された日でもあります。

今回は、コロナで世間が暗いムードになっていた中に、笑いと感動と共感の旋風を巻き起こした2つのムーブメントの共通点から2020年代的な話題作りとその課題を考えます🐍

ネットで話題→マスデビューはもう古い!? 

長州力さんとワニくんの共通点はツイッターで話題になったことです。

ワニくんは「死ぬことがカウントダウンされた日常4コマ」という斬新さから死ぬ99日前からかなりバズり始めてました。

長州力さんも「今なにしてる?」という衝撃の天然ツイートから、「慎太郎〜」「正男!」というSMS的な使い方のツイートなどが話題を呼び開設からすぐに20万フォロワーまで激増しました。

そしてツイッターで話題になったから、ワニくんは書籍化、長州力さんはYoutubeチャネルを開設・・・

「ネットで話題の〇〇をドラマ化!漫画化!映画化!」

という古くは電車男式と同じかと思ってしまいます・・・が実はこの2つの共通点としては順番が逆(おそらく)ということです。

マスデビューから逆算したネットで話題に!!

「ネットで話題の〇〇をドラマ化!漫画化!映画化!」

この手法はこれからもあると思いますが、今はこんな状態だと思います。

・2005年の電車男から考えると15年以上も同じ古い手法に
・少し新鮮さがなく「まかたよ感」は否めない
・SNSも膨大になってきおており発掘が大変
・ネットのレベルをマスのレベルまで磨くのが大変
・バズってから商品化まで時差問題(旬落ち)
・マスのレベルが結果的に落ちるかもという不安

そんな中、新たに!というわけではないですが、

(1)最初からマス化を想定してスタート
(2)プロフェッショナルたちが知恵や知見を集めた上で質をコントロール
(3)ある程度SNS上での話題作りを達成してからマス化で打率を高める

という「ワニ式」「長州力式」が2020年代的な雰囲気で登場したのだと思います。

※本稿の趣旨ではないので、検証はしないですが、どちらも最初からマス化/収益化(出版、アニメ、Youtube等々)することはある程度決まっていたと考えられています。

課題:ステマとの境界線と根強いアンチ拝金主義

そんな「ワニ式」「長州力式」にも課題はあります。大きく3つです。

ステマとの境界線:
ユーザーとしては最終的にマスやYoutubeで資金回収を見据えていることを知らずに拡散などを積極的に行います。

もちろんコンテンツが面白い/共感するからするわけですが、もしそれが最終的に何かを売るため/儲けるためのものであればしなかったかもしれません。

手法として、スタート時点では企業が関わっていたり、場合によっては金銭的な取引があったりしても明かされないため、ステマとの境界線は非常に曖昧になります。

実際にすでにワニくんは、「電通のステマ」というスレも。

ネットで根強いアンチ拝金主義:

「ネットコンテンツは無料」
「クリエイターはお金関係なく物作りに没頭する」

みたいなアンチ拝金主義と言うと言いすぎかもしれませんが、それに近い思考/思想がネットの世界には根強いのは事実です。僕も儲けにいきなり走られてしまうと興ざめしてしまったこともあります。

この手法はいつかどこかでバレてしまうわけですが、

・バレてもアンチを産まないようにバラすか
・たとえバレても愛され続けるコンテンツに育てるか

というところはこの手法の一番のキーポイントかもしれません。

枯れ

SNSで話題を作り太らせてからマス化/収益化して刈り取る手法。
SNSで話題になっているものを1本釣りで行うよりは、安定して収穫できそうではありますが、SNSで蓄えた養分が枯れたら終わりです。

ツイッターで熱くなっている頃はいいのですが、マス化/収益化したら熱が急激に冷めてしまい、養分が行かなくなりすぐに枯れてしまっては、手間暇をかけて話題を作っても割に合わなくなりかもしれません。

まとめ

SNSの使い方の逆転

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課題の対策:如何にユーザーを巻き込み続けるか

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ここまで「ワニ式」「長州力式」の共通から2020年代的な話題作りのトレンド予想と、考えられる課題について書きましたが、最後にこの手法が課題をうまく乗り越えさらに進化するための答えを書きたいと思います。

課題の答えは・・・プロレスに!?

長州力・・・そうプロレス。

プロレスは1つの試合としても面白いですが、その試合を何千倍も面白く引き立たせるために「アングル」と呼ばれるストーリーを作るのが一般的です。

ただこのアングルは、ファンにはどこまでが決められたストーリーで、どこからが偶発的に起こってしまったこと、レスラーたちの感情で生まれてしまったことなのか全くわかりません。まさに虚実の皮膜。

ただ、もちろんプロレスファンの多くはプロレスにはこの「アングル」があることは知ってる人が多くても、興ざめせずに熱中し続けます。むしろどこまで「アングル」か予想したりする楽しみ方すらあります。

そして、時間をかけて作ったアングルを試合という形で決着がついても、その試合の展開次第で、もう次のアングルが始まっていることも多く、枯れることがありません。例えば新日本プロレスは1972年から脈々とストーリーは続いており、武藤敬司選手は「終わりのないマラソン」と例えているほどです。

2020年代初の日本を席巻した2つの話題を理解し、再現させ、さらに進化させるためにはすべてのマーケター、場合によってはユーザーにも「プロレス脳」が必要なのかもしれません。

(ワニくんも上裸でパンツだけって・・・プロレスラー風?)

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