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キャラクターを作ろう〜簡単な物語のつくり方(10)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「簡単な物語のつくり方」10回目です。

9回目はこちら。↓


前回のおさらい

前回は物語に必要なキャラクターやキャラ同士の関係性などについて説明しました。

長編では

・主人公:物語の主役
・敵  :主人公を阻む存在
・仲間 :助けてくれる友人
・先生 :主人公を導く人

くらいはいた方がいいかもしれません。

いなくても問題ない場合もあるので無理に作る必要はありませんが、話を作っていくと、だいたいこういったキャラが出てくるものです。

では、今回は具体的にキャラを作っていきましょう。


キャラの最重要ポイント

おおまかな話の骨組みができたら、必要なキャラがだいたい決まってきます。

長編の場合、主要キャラは少なくとも3〜5人くらいは必要でしょう。

群像劇のようにする場合はもっと増えるでしょうし、名前のないモブはもっと多くなるかもしれません。


キャラを作るときに最低限決めておかなければならないのは、次の2点です。

1.「〜したい」という動機
2.「なぜなら〜」という理由


動機はキャラを動かす原動力です。

理由は動機を支える設定やロジックを指します。

この2つが主人公の行動原理です。


たとえば『鬼滅の刃』で言うとこうなりますが、

動機「鬼を倒したい」
理由「なぜなら家族の仇を取って、妹を人間に戻したいから」

これが主人公の行動原理であり、主人公は常にこの原理に従ったセリフをしゃべり、行動を起こします。


基本的に動機と理由は物語を通じて一貫しています。

もちろん、物語の展開次第で一時的に別の動機や理由で行動することはありますが、物語全体で大きく変わったりはしません。

もし途中で変わるなら、納得できる理由が必要です。

動機と理由は複雑にする必要はなく、ごく単純なもので構いません。

単純な行動原理をキャラに守らせましょう。

キャラの行動原理さえはっきりさせれば、あとは多少適当でも大丈夫です。


キャラクターシートを使う

動機と理由をはっきり決めたら、あとはキャラクターシートなどを使って、細かい設定を決めていくのが簡単です。

キャラクターシートというのは、そのキャラの特長や性格などを書き込んでいく表のようなものです。

たまに使っているシートを用意したので、参考にしてみてください。↓

全部考える必要はまったくありませんが、主役クラスのキャラはある程度くわしく考えておくと後々役に立ちます。

【基本情報】
・登場日
・ふりがな
・氏名
・生年月日
・年齡
・性別
・出身地
・現住所
・学歴
・職歴
・免許
・資格
・作品に登場した理由
・動機
 〜したい
 なぜなら
・おおまかなバックストーリー

【変化・成長】
・どう変化する
 物語の最初:
 物語の最後:

【外見ほか】
・あだ名・身長・体重・視力・声・髪・病気・顔の特徴
・人から見た第一印象
・自分で自分をどう思っている

【環境(家族・恋人・趣味・嗜好)】
・両親
・家族
・恋人
・趣味
・好きなもの
・嫌いなもの
・特技
・くせ・しぐさ

 【性格ほか】
・最大の長所
・最大の短所
・自分の中でどこが一番好きか
・読者がすぐ共感できる点は
・恐れていること
・作品に登場するまでの人生で一番うれしかったこと
・作品に登場するまでの人生で一番悲しかったこと
・作品に登場するまでの人生で一番怒ったこと
・作品に登場するまでの人生で一番楽しかったこと
・作品に登場するまでの人生で一番苦しかったこと
・作品登場時は、それまでの人生のどんな位置か
・この作品での目的は
・これからの人生で最も起こってほしくないこと
・これからの人生で最も起きてほしいこと

【テーマに繋がる問い】
・欠点は?
・その欠点で周囲の人たちや状況はどうなっている?
・この人物は何を求めている?
・この人物には何が必要?
・ストーリーの初め、この人物が知っていること、信じていることは?
・ストーリーの初め、この人物の何が間違っている?
・ストーリーを通して、何を学ぶ?
・この人物の中心的な問題は何?


キャラは人間ではない

キャラクターは現実の人間ではありません。

あたりまえに思うかもしれませんが、キャラを作るときは少し意識を変える必要があります。

キャラクターはこういう性質を持っていますが、↓

・やりたいことがはっきりしている
・目的を果たすためなら何でもやる
・かたくなに行動原理を変えない

現実の人間はこうなのです。↓

・やりたいことが特にない
・うまくいかなかったら諦める
・いきあたりばったりで行動する


現実世界から見ると、キャラクターというのは異常な存在です。

現実の人間はもっといい加減で、矛盾をはらんだ支離滅裂な存在なのですね。


ですから、キャラを作るときは人間を作ろうと思ってはいけません。

現実世界の人間を登場させると、物語が破綻してしまいます。

「こんな人いないだろ〜」というのがキャラなのです。


リアル寄りの話なら多少複雑なキャラにしてもいいと思います。

とは言え、本当のリアルな人間は、いい加減で、むちゃくちゃで、わけがわからない存在だということを知っておくといいでしょう。


次回まで課題

好きな作品から、キャラクターの動機とその理由を抜き出してみましょう。

主役クラスのキャラの行動原理は単純なものが多いはずです。

キャラの行動原理が複雑だと、強い言動につながりません。

するとキャラとしても弱くなってしまうのです。

【例:進撃の巨人】
エレン
動機:巨人を駆逐したい
理由:母親を殺されたから

ミカサ
動機:エレンを守りたい
理由:好きだから or 助けてくれたから

アルミン
動機:エレンを助けたい
理由:友だちだから


今回のまとめ

簡単な物語のつくり方10回目「キャラクターを作ろう」でした。

1.キャラの最重要ポイントは動機と理由
2.動機+理由=行動原理
3.行動原理は単純にする
4.行動原理さえ決めればあとは適当でも大丈夫
5.細かい設定はキャラクターシートを使う

次回は「設定とはなにか」です。↓

それではまたくまー。


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