考えるのは3つだけ〜簡単な物語のつくり方(1)
崖っぷち作家のニジマルカです。
今回から何回かにわたって、簡単な物語のつくり方をご紹介していきます。
まったく話を作ったことがない人向けの内容です。
初回は「物語をつくる上で考えることは3つしかない」という話です。
はじめに
想定しているのはこんな感じのお話です。↓
・ジャンル : 一般的なエンタメ
・ボリューム: 小説1冊分、映画1本90分〜120分
一般的なエンタメとは、老若男女が楽しめるハリウッド映画みたいな感じだと考えればいいです。
デートに行ったときに二人で見るデートムービーと考えてもいいですね。
長さは、一般的な映画90分、または小説1冊分くらいのイメージです。
純文学っぽい小説とか、哲学的な映画とか、そういうのではありません。
とにかく、普通のどこにでもある話です。
ではさっそく始めましょう。
考えるのは3つだけ
話を作るのは難しくありません。
考えるのは次の3つだけです。
1.スタート地点に「何かになりたい」主人公を置く
2.ゴール地点に「それが叶った」主人公を置く
3.スタートとゴールの間に障害物を置く
図にするとこうなります。↓
それぞれ見ていきましょう。
1.スタート地点に主人公を置く
まずスタート地点に主人公を置きます。
主人公は以下のような欲望や願い、夢を持っている人です。
・何かになりたい
・何かが欲しい
・何かをやりたい
・何かが足りない
たとえば「漫画家になりたい」「彼氏、彼女が欲しい」「世界中を旅したい」などですね。
2.ゴール地点で願いが叶う
ゴール地点では、主人公の願いが叶います。
・なった!
・手に入れた!
・やりきった!
・満足した!
ですから、1を決めれば、2が自動的に決まります。
基本はグッドエンドです。
バッドエンドやひねったエンドは、基本のグッドエンドが作れるようになってから考えましょう。
3.スタートとゴールの間に障害物を置く
さて、1と2が決まったら、その間に道ができます。
その道に障害物を置いて、主人公を邪魔しましょう。
主人公がゴールするのを邪魔するのが作者の仕事です。
「障害物を置く」というのは、「問題を起こす」ことだと考えればいいです。
たとえば「お金がない」「能力が足りない」「犯人の手がかりがない」「ライバルがいる」などですね。
以上、3点を考えるだけで、基本的な物語は出来てしまいます。
さっそく作ってみましょう。
物語の作例
まず最初に主人公を決めます。
1.スタート地点:漫画家になりたい!
1を決めると2のゴールが決まります。
2.ゴール地点:漫画家になった!
そして、途中に障害物(問題)を置きます。
3.途中:絵は描けるけど話が作れない
図にするとこうなりました。↓
「解決方法」は後で考えるので、いまは考えなくていいです。
主人公は、「絵は描けるけど話が作れない」という問題を、何らかの方法で解決して、ゴールに辿り着きます。
つまり1からスタートし、3の障害物を乗り越えて、2のゴールに着いたところで物語は終わりです。
これで、おおざっぱではありますが、「漫画家になりたい主人公が、苦難を乗り越えて漫画家になる」話が出来ました。
どんな物語でも、大きく捉えれば、この3点で作られているのです。
物語とは「問題を解決する過程」
さて、ここまででわかったと思いますが、物語とは要するに、
問題を解決する過程
のことです。
作者は問題を出し、それを解決させて、主人公をゴールに導きます。
ですから、お話の流れは常にこのようになります。↓
スタート → 問題が起こる(障害物)→ 解決する → ゴール
後でまた説明しますが、先取りしておくと、問題は何回か起こるのが普通です。
短い話では少なくとも1回、長い話では4回ほど問題が起こります。
短編と長編の違いは、出される問題の数ということです。
いずれにせよ、主人公は、それらの問題をすべて乗り越え、最終的にゴールにたどり着きます。
この過程を文章で書けば小説に、映像にすれば映画に、絵で描けばマンガになるというわけです。
簡単ですよね。
練習課題
次回までの宿題を出しておきます。
【課題1】説明した3点を考えて、話の原形を3つほど出してください
(例)
1.スタート:ファッションデザイナーになりたい
3.問題 :お金がなくてデザイン学校に行けない
2.ゴール :ファッションデザイナーになった!
【課題2】あなたが好きな物語を3点に分解してください
(例:鬼滅の刃)
1.スタート:鬼を倒して敵を討ち、妹を人間に戻したい
3.問題 :鬼が強い
2.ゴール :鬼を倒して、妹を人間に戻した!
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方1回目「考えるのは3つだけ」でした。
1.話を作るには3点だけ考えればいい
2.主人公がゴールするのを邪魔するのが作者の仕事
3.物語とは「問題を解決する過程」
3点と言っていますが、スタートを決めるとゴールが決まるので、考えるのは2点と言ってもいいですね。
次回は「問題と解決」です。↓
それではまたべあー。
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