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キャラクターの名づけ方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。

今回は「キャラクターの名づけ方」です。


名づけの注意点

キャラの名前をつけるときは以下くらいを注意した方がいいでしょう。

・長すぎないか
・難読漢字を使っていないか
・他のキャラ名と字や音がかぶっていないか
・音読しにくくないか


あまり出てこないキャラならそこまで気にすることはありませんが、主要人物はちょっと考えた方がいいです。

特に主人公の名前は一番多く出る固有名です。

ですからできればシンプルにして、すぐわかるような名前にすべきでしょう。

主人公の名前は主語として何度も出てくるので、長い名前だとページの見た目がうるさくなることがあります。


漢字かぶり、音かぶりに注意

日本語名の場合は漢字かぶりに気をつけましょう。

同じような漢字のキャラがいると、すぐに判断できません。

よく双子キャラに同じような漢字を当てる場合がありますが、読者としてはどっちがどっちか区別できないことも多いです。

読者に配慮し、目視で区別できるような漢字を使った方がいいかもしれません。

また、読者は音読もしているので音かぶりも気にした方がいいです。

特にカタカナ名は気をつけましょう。

五十音の表をつくり、音がかぶらないようにキャラ名をつけていくのがおすすめです。

キャラを名づけていくとわかりますが、それぞれの音になんとなくのイメージがあるものです。

たとえば可憐な女性だとラ行やサ行が多くなったり、無骨な男性はガやゴといった濁音をつけがちです。

そういった印象は多くの読者が持っている共通イメージなので、無理にずらす必要はありません。

ただ、ある音のキャラ名が極端に多いといったことは避けた方がいいでしょう。


貴族の名前

ファンタジーでは貴族などを登場させることも多いでしょう。

貴族名はだいたい長くなるものです。

たとえばエリザベス女王の全名は

エリザベス・アレクサンドラ・メアリー・オブ・ウィンザー

ですね。

貴族の名にはいろいろなルールがあるようですが、小説でもある程度のルールを決めて付けていくのがいいでしょう。

たとえば

名前・洗礼名・前置詞・貴族家門名・出身地名

といった具合です。

前置詞は「〜の」といった意味で、よく使われるのは

フォン、ダ、ド、ツー、オ

などでしょう。

日本語名でたとえると、

タロウ・アキラ・フォン・ヤマダ・ビゼン

といった感じになります。

少しおかしくても架空の世界の話なので、そこまで気にすることはないです。


独自ルールで換字する

独自のルールを作り、たとえば日本語名をある世界の文字列に変換して使うこともできます。

『指輪物語』のトールキンがエルフ語を作っていたことは有名ですが、言語体系まで作らなくても、ある法則で換え字して固有名を作るのはいちいち考えなくていいので楽です。

有名なのは森岡浩之さんの『星界』シリーズでしょうか。

日本語を変換してアーブ語というのを作っています。

高天原(タカマガハラ)を換え字するとラクカファールとなり、それが都市の名前になっています。


あだ名や二つ名

あだ名や愛称、二つ名などをつけるのも手です。

登場人物が多くなってくると、誰が誰だかわからなくなってきます。

そこに印象的なあだ名や愛称、二つ名があると、区別が簡単になるのです。

また長ったらしい名前も愛称などをつけることで、セリフの中では短く呼ぶこともできます。

これもページをうるさくしない工夫の一つです。


人名辞典

ネットで調べれば人名辞典などがたくさん見つかります。

架空の名前を作ってくれるサイトもあります。

そういうサイトを参考にしてもいいですね。


カタカナ名をつける場合、ヨーロッパなどの人名辞典はとても役に立ちますが、あまりにそこから持ってくると現実的な名前になりすぎてファンタジー感が薄れます。

ときには変な名前を入れた方が良さそうです。

名前を付けたら口に出して呼びやすいかどうか確認しましょう。

地の文の主語が長くなるのは考えものですが、設定上の長い名前が好きな読者も多いと思います。

響きの良い長い名前は口に出したくなるものです。

良い名前はそれだけでキャラを魅力的にすることもできます。


今回のまとめ

「キャラクターの名づけ方」でした。

1.キャラの名づけの本質は「読者を迷わせないこと」
2.キャラ名の漢字かぶり、音かぶりに注意
3.命名ルールをつくると簡単になる
4.独自ルールで換え字するのも手
5.あだ名や愛称、二つ名をつけるのも良い工夫
6.ネット上の人名辞典も参考になる

名前をつけると物語がぐっと具体的になり、キャラへの愛着も湧いてくるものです。

それではまたくまー。



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