アイデアのズレを直す
崖っぷち作家のニジマルカです。
なにかを創るにはアイデアを出す必要がありますが、最初に出したアイデアは、たいてい「ちょうどいい」ところからはズレているものです。
芯をハズしているのですね。
そのズレを認識し、修正することで、ちょうどいいアイデアに至ることができます。
今回は「アイデアのズレを直す」という話です。
最初のアイデアはズレる
上で書いたとおり、最初に出したアイデアはたいていズレています。
どのようにズレるのか、図で見るとわかりやすいでしょう。
縦軸は上手くいく確率です。
横軸は古い・新しいの軸です。
古さと新しさの中間に、上手くいく確率最大の「ちょうどいいアイデア」があります。
見てわかるとおり、古い方向は傾斜が比較的緩やかで、新しい方向は崖のように急になっていると考えられます。
単純に言って、ズレは2方向に起こります。
古い方向へのズレ (古すぎるアイデアを出してしまう)
新しい方向へのズレ(新しすぎるアイデアを出してしまう)
どういう人がその方向にズレやすいか、それぞれ見ていきましょう。
1.古い方向へのズレ
アイデアが古い方向にズレるのは、こういう人が多いはずです。
保守的な人
既存作をよく分析している人
読者の好みを優先する人
よく勉強している人ほど、こちらにズレると思います。
方向性は間違っていません。
図でわかるとおり、古い方向にズレた方が、新しい方向にズレるより上手くいくと考えられるからです。
ですが、結果は常に「そこそこ」でしょう。
「そこそこ上手くいくけれど大ヒットしない」
これが、この方向のアイデアを出す人の悩みです。
私も最近はこのタイプに属していると思います。
自分がこのタイプだと思ったら、心がけることは簡単です。
もう1つくらい新しい要素を入れる
新規性がまるでない作品が上手くいくことはありませんから、このタイプの人でも1つくらいは新規性を入れているはずです。
ですから、もう1つ新規性を加えると考えればいいでしょう。
あるいは、いま加えている新規性をもう少し先鋭化させるのでもいいです。
図を見てわかるとおり、新しい方向は、行き過ぎると崖がある(急になっている)ので怖いはずです。
ですが、もう半歩ほど新しい方向に踏み出さないと、確率を上げることはできません。
ですから、このタイプの創作者は、もう少しリスクを取ってズレを修正する必要があるわけです。
2.新しい方向へのズレ
一方、新しすぎるアイデアを出しがちなのは、こういう人です。
野心的な人
既存作がつまらないと思っている人
自分の好みを優先する人
この方向にズレるのは、書き始めたばかりの人に多いのではないかと思います。
私も最初はこのタイプでした。
ヒット作を見て「つまんねーなー」と反応する、ちょっと傲慢な人です。
新しい方向のアイデアでたまたま上手くいく場合もありますが、たいていは崖を転がり落ちることになります。
(私もそうでした)
痛い目を見たあとで、やや保守的になるのが一般的な成長プロセスでしょう。
自分がこのタイプだとわかっても、考え直すのは、一度痛い目に合ってからでいいと思います。
それまでは「俺の作品が一番おもしろい!」と突っ走って大丈夫です。
(そのまま上手くいくこともあるでしょう)
散々崖から転げ落ちてもうダメだと思ったら、
読者のことを考えてみる
といいですね。
このタイプの人は、おそらく自分の好きなようにやってきたと思います。
それで上手くいかないなら、そろそろ他人(読者)のことを考え始める時期です。
新しい方向からだと崖があるので、古い方向にはなかなか進みにくいのですが、そちらにしか活路はありません。
気合を入れて崖を登りましょう。
このタイプの創作者は、読者目線になってズレを修正する必要があるのです。
それぞれのズレ
上で見てきたように、創作者のタイプ(または成長段階など)によってズレは2つに分かれます。
まずはそのズレを認識しましょう。
自分のアイデアや作品がどちらにズレているか考えてみるといいです。
保守的な創作者のキーワードは「そこそこ」であり、野心的な創作者のキーワードは「独りよがり」です。
それぞれに必要なことをふわっと表現するとこうなるでしょう。
保守的な人は勇気
野心的な人は思いやり
保守的な人には危険に挑む勇気が必要で、野心的な人には読者のことを考える思いやりが必要だということです。
私自身はと言えば、最近は勇気がないですね。
失敗するのが怖いのだと思います。
ですから、もっとリスクを取って、アイデアを新しい方向にズラさなければならないわけです。
みなさんはどうでしょうか?
どういうアイデアを出しているのか、自分の創作態度はどうか、一度考えてみると、少なくともどっちにズレているかはわかると思います。
今回のまとめ
「アイデアのズレを直す」という話でした。
最初に出したアイデアはズレる
「古い方向」か「新しい方向」にズレる
古い方向にズレるのは保守的な人
処方箋は「リスクを取る」
新しい方向にズレるのは野心的な人
処方箋は「読者目線になる」
自分がどちらにズレがちか考えてみるとよさげ
上手くいっているなら、どちらにズレているか気にする必要はありません。
結果が出ているなら、やり方はどうでもいいからです。
それではまたくまー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?