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初心者こそ「事件」から始める〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。

今回は「初心者こそ事件から始める」です。


駆動力がない

なんとなく小説を書き始めた人は、何作か書くうちに、次第に悩み始めると思います。

「なんだかぼんやりした話になってしまう」
「どう話を進めたらいいのかわからない」
「この展開で正解なんだろうか…」

勢いで書き始めた人ほど、こういった漠然とした悩みを抱えるかもしれませんね。


簡単にいうと、そういう方の作品には駆動力が足りません。

駆動力というのは、話を進めるエンジンだと考えればいいです。

エンジンがないので、作者も、主人公と一緒にうだうだ、ぐだぐだしている感じでしょう。


こういうときの解決方法は簡単です。

なんでもいいので事件を起こせばいいです。


事件を起こす

事件というのは、解決しなければならない問題のことです。

初心者の方は、主人公の日常生活やバックグラウンドなどを最初に長々と書いてしまうものです。

そういった情報は後回しで構いません。

まず最初に事件を起こすことだけ考えてみましょう。


事件といってもおおげさに考えなくても大丈夫です。

主人公が困ることを起こせばいいだけです。

もっと言えば、主人公にとって最悪のことを起こすとなおいいでしょう。


絶対に起こって欲しくないことを起こせば、主人公はなんとかしようとして勝手に行動を起こします。

それが駆動力です。

そうなれば、話の方向性が定まり、物語は自動的に動き始めます。


冒頭でやることは1つだけ

物語の冒頭で、作者が提示すべき情報には以下のようなものがあります。

  1. 主人公は誰か

  2. 舞台はどこか

  3. 時代はいつか

  4. 何をする話か

  5. なぜそれをするか

  6. ジャンルはなにか


要するに5W+ジャンルですね。

これらの情報はできるだけ早く読者に伝えなければなりませんが、そのために長々と説明や描写をする必要はありません。

実は1つのことをするだけでいいのです。

それが「事件を起こす」ことです。


事件を起こせば、これらの情報はほぼ伝えることができます。

ですので、冒頭でいろいろ悩む必要はなく、以下のような手順で進めればいいです。

  1. (冒頭にちょっとした描写や説明はあってもいい)

  2. 事件を起こす

  3. 事件に反応する主人公を紹介する

  4. 事件の説明をしながらその他の情報を伝える

  5. 主人公が事件を解決するために動き始める


初心者の方はまず主人公を決め、その主人公が嫌がる事件を起こすことだけを考えてみましょう。

それだけで物語には駆動力が生まれ、話は勝手に動き始めます。

その動きを追いかけていけば、少なくとも、ぼんやりとしたよくわからない話にはなりません。


今回のまとめ

小説のちょっとしたコツ「初心者こそ事件から始める」でした。

  1. 「ぼんやりした話になってしまう…」といった漠然とした悩みがあるなら、話に駆動力がない

  2. とっとと事件を起こす

  3. 事件を起こせば、物語は自動的に動き始める

  4. 冒頭で提示すべき情報も伝えられる

  5. 初心者の方は主人公を決めて事件を起こすことだけを考える

事件を起こしても駆動力が足りないなら、主人公にとって、その事件はそれほど嫌なものではない可能性があります。

もっと最悪なことを起こしましょう。

作者の仕事は主人公に嫌がらせをすることです。

それではまたくまー。

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