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長編を10作書くまでは悩んでもムダ

崖っぷち作家のニジマルカです。

たまに作家志望者の方に相談を受けることがあります。

聞いてみると、だいたいは受賞するための近道や、上手くなるための方法を探しているようです。

そういう悩みはよくわかるのですが、近道を探してあれこれ悩むより、量を書いた方が早いです。

今回は「10作書くまでは悩んでもムダ」という話です。


質より量

小説を書き始めるといろいろ悩みが出てくるものです。

「話を上手く終わらせられない」
「三人称が上手く書けない」
「どうしても規定枚数を越えてしまう」
「キャラに個性をつけると変人になってしまう」

自分もずいぶん悩みましたし、いろんな本を読んだり、方法を勉強したりしました。

模写もよくしましたし、写真を見て描写する練習などもやっていました。

ですが、いま振り返ってみると、それらの努力はムダとまでは言わないまでも、あまり上達には影響しなかったなというのが正直なところです。

質を高めようとしたり、上達方法を探しても、そこに掛ける時間やエネルギーに対し、得られる結果はそれほど多くありませんでした。

そんなことをするより、ただ愚直に量を書けばよかったなと今では思います。

全員に当てはまるかどうかはわかりませんが、量を書けばほとんどの問題は解決する、というのがいまのところの私の結論です。


長編10作の量

では、どのくらいの量を書けばいいかですが、自分の感触では長編10作です。

10作くらいのところに一つ壁があり、それを越えると明らかに楽になります。

もちろん10作書く前に受賞したり、目標を達成できれば、それはそれでいいことです。

量を書くことが目的ではないですからね。

長編は10〜13万文字ですから、おおざっぱに100万文字を目安にすればいいでしょう。

自分がいままで何文字書いたか、計算してみるといいです。

その際、完成していない作品を加えてはいけません。

あくまでも完成した作品で数えてください。

短編を混ぜてもいいですが、できれば長編だけで考えた方がいいでしょう。

短編と長編では求められる要件が違うので、一緒くたにしていいかどうかはわかりません。

短編はアイデアの鋭さが求められますが、量を書くことでアイデアが磨かれるかというとちょっと違うような気もします。

とはいえ、短編でもストーリーや文章の技術は必要なので、それらの問題なら量で解決するはずです。


10作書くまでは

上達方法を探すのも悪くはありませんが、すごく良い方法があったとしても、最終的には書かないと身につきません。

水泳でたとえるとわかりやすいと思います。

教本を読んでクロールの泳ぎ方を理解しても、結局はプールに入ってがぼがぼ水を飲みながら練習しないと泳げるようにはなりません。

小説の執筆を、ある種のスポーツのように捉えてもいいですね。

スポーツ中に起こるほとんどの問題は体力不足や筋力不足が原因で、それらはある程度の期間、運動していればいずれは解決します。

これと同じように、長編10作は、執筆に必要な基本技術(運動で言うところの体力や筋力)を身につけられる量だと考えればいいでしょう。

ですから10作書くと上手くなるのではなく、やっと普通に書けるようになるということです。

いずれにせよ、10作書くまでは悩んだり考えたりしてもほとんど意味がありません。

ひどい言い方をすれば「下手の考え休むに似たり」です。

考える前にまずは10作書きましょう。

話はそれからです。

逆に言えば、長編10作も書いてないの諦めるのも早いということですね。


いちいち質を気にするのはやめましょう。

量を書けば、質は勝手についてきます。

笑われても気にせず、下手くそな作品をたくさん書いてください。

それが最も簡単で確実に上手くなる方法です。


今回のまとめ

「10作書くまでは悩んでもムダ」という話でした。

1.質を気にするより量をこなした方がいい
2.量を書けばほとんどの問題は解決する
3.目安は長編10作、100万文字
4.10作書いていないのに諦めるのは早すぎる
5.たくさん書くことが最も簡単で確実な方法

これはプロになってからも言えることでしょう。

私ももっとたくさん駄作を書かないといけません。

それではまたくまー。


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