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今すぐ取り組むべき学校の負担軽減案

学校がいろいろな役割を担っている昨今、その仕事がどんどん教員に降りかかってきています。その結果、学校現場の負担が増え、病気休職者の増加、教員を志望する学生の減少、有能な教員の離職など、深刻な問題に繋がっています。

最近、働き方改革が叫ばれるようになり、現場レベルで削減できるものは、それなりに削減してきていると思います。これ以上削減すると、授業の質など子どもや保護者に悪影響が及ぶようになると思います。
今日は、現場では決められない「これ教員がやらなくてもいいよなー」「これやめてもいいんじゃないかなー」と思うものを書き出してみたいと思います。

①教員がやらなくてもいい仕事(事務)

転出入事務

転入学通知書などの書類の作成や送付を行います。転出では指導要録の写しなど重要書類を送付しなくてはなりません。最近は、海外からの転入やDV避難などの複雑なケースもあり、転出入事務の仕事が複雑化しているように感じます。間違いがあってはいけないので、神経を使います。

教科書給与事務

教科書を二重に給与しないように名簿を作成し、管理します。年度はじめは一律に行うからまだよいのですが、面倒なのが転出入児童の教科書です。その子が前の学校で給与されている教科書とそうでない教科書をチェックし、給与されていないものだけが届くようにします。担当の先生は大変です。

教材費・給食費の未納者への連絡

以前の手集金よりは楽になりましたが、未納者への電話連絡や督促の手紙の配布などは、うちの自治体では担任の業務です。ここ、ノータッチでできるとすごくありがたいなぁと思ってしまいます。

②教員がやらなくてもいい仕事(雑務)

朝のサポート

勤務開始時刻と児童登校時刻が同じなので、朝のバタバタは半端ないです。もちろん早めに出勤しますが、子どもが小さい人は、どうしてもギリギリになるし余裕がない。朝だけでもサポートがほしいです。

登校渋りぎみの子は月曜朝は特に丁寧に対応したいので、担任はクラスの児童対応に専念したいですが、そうはいきません。月曜朝は、上履き忘れの子への対応もやらなくてはいけないし、あいさつ当番、昇降口の開け閉めなどで体がいくつあっても足りません。教員の分担で何とかしたいですが、人が足りなくてできません。

無断欠席児童への電話連絡

これも担任がやってます。人手が足りないから。子どもが行方不明になっていてはいけないからと早めに連絡するように言われますが、電話してる間、教室の子どもを待たせることになるのが辛い。落ちついたクラスならいいけど、担任いない間に何かあったら困るから、電話してくれる人がいてほしい。

休んだ教員の補教担当決め

休んだ教員がいた場合、その先生の授業をどう埋めるか決める「補教担当」という仕事があります。
急に休んだ先生がいる場合、結構大変です。何の授業でそのクラスを1日回すか補教カードを学年の教員が作ります。それを見ながら補教担当が空きコマのある先生に1人1人お願いして枠を埋めていきます。担任や専科の先生が補教担当をしているので、朝子どもが学校に来る時間にバタバタとお願いして回るのは本当に大変です。

夕方の電話対応

働き方改革で早い時間から留守電にする学校が増えてますが、保護者との関係をつくるのにはあまり良くないと思います。学校の先生から電話したけど出られなくて折り返し電話をする。でも留守電。教員も大事な用なら折り返してもらった方が楽です。何時でも連絡できるようにする必要はないと思いますが多くの教員がまだ職員室にいる6時くらいまでは電話できるようにした方が、結果的に仕事が楽になるように思います。(あくまで個人的な意見ですが。)
ただ、夕方は事務さんが退勤してしまうので、電話の近くの席の先生は、仕事がなかなかできません。電話取る人を6時くらいまで入れてくれるとすごくいいなと思います。

③専門の人に入ってもらいたいもの

パソコンの不具合の対応

GIGAで1人1台使えるようになったのはよいですが、その分不具合の対応にも多くの時間を割かれるようになりました。ICT担当の先生は、「業者さんですか?」といいたくなるほど不具合の対応に時間を取られていて、しんどそうです。

保護者トラブル対応

休みの日に起きた子ども同士のトラブル、親同士が納得いかず揉めるケースなどには、本当に神経を使います。中には明らかに学校の範疇を超えるものも…。困ったときに相談できるスクールロイヤーを自治体でお願いしておいて、必要に応じて利用できるようにしてほしい。

スクールカウンセラー

既にどの学校にもいると思いますが、予約が入りすぎていて飽和状態です。今困ってるのに、予約は2ヶ月待ちとかじゃ対応間に合わないですよね。いろいろ個に応じた対応が必要なケースが増えているので、頻度を増やす必要があると思います。常駐ならなお良いです。

学校司書

学校図書館に関する業務はたくさんあります。司書教諭が中心となって行いますが、学校司書が常駐する学校とそうでない学校では、学習の充実度も変わってきます。ぜひ学校司書を全ての学校に毎日勤務できるようにしてほしいです。

④制度を変えるべきだと思うもの

旅行届

旅行に行くときは、旅行届を出すことになっています。昔、ケータイが無かった頃の名残で、旅先の連絡先を書きます。でも、もうどこにいてもケータイつながるんだからこんな届け出必要ないと思います。

海外からの体験入学

これめちゃくちゃ大変。たった1週間しか来ない子でも、通常の転出入処理をしなくてはいけないからです。しかも毎年来る子もいます。
来たら受け入れるから、事務手続き何とかしてください!と言いたい。海外からの体験入学ならば、それ専用の簡易な書類でいいはず。指導要録はいらない、除籍簿とかにいちいち載せなくていい!(自治体によっては、転出入扱いではなく、別書類にしている所もあるとかないとか。そういう好事例を見習ってほしいです。)

終わりに

こういうやり場のないメッセージは、noteにあまり書かないようにしているのですが、ちょっと取りかかってみたら次から次に出てきました(笑)まだあると思いますがとりあえずこれくらいにしておきます。

今、学校にはスクールサポートスタッフ(事務仕事の補助をしてくれる人)を入れてもらえるようになり、ものすごく助かっています。個人情報にかかわる仕事はしないという契約の場合もあると思いますが、①②のような少しハードルの高い事務仕事もサポートスタッフさんに頼めると教員の仕事は結構楽になるんじゃないかと思います。

こういうことを決定する立場の人にも、私たちには分からない苦労がきっとあることでしょう。でも、何を優先すべきか考えていくことが必要です。具体的な業務削減を行わずに働き方改革を命じているだけでは、教育現場は益々厳しくなっていくばかりです。

学校を維持していくためにどうしたらよいか、いろいろな立場の人が知恵を出し合って解決していけたらいいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。