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第15回:子どもたちの「やりたい!」を実現できる学校を、地域とともに創る

全国で、教育を変えよう!という思いのもと、さまざまなプロジェクトが立ち上がっている今、なぜ私たちが「地域とともに、学校教育法の中で、ふつうの学校をつくる」というコンセプトで走り出したのか。
「ふつうの学校」にかける思いや、私たちが実現して行きたい未来について、新留小学校校長就任予定の花山潤治と、共同代表の古川瑞樹がインタビュー形式でお話ししました。


ー まず、自己紹介を。

花山校長:鹿児島市立美術館に勤務しています。花山 潤治と申します。小学校に38年勤務して、3年前の今頃、退勤しました。最後は、鹿児島市内の公立小学校の校長先生をしていました。
今回、新しく学校が建つと聞いてワクワクしています。よろしくお願いします。

瑞樹:古川瑞樹です。普段は広島県の大崎上島町という離島で寮生活をしています。新留小学校設立準備財団の共同代表をしています。
この4月から高校生になりました。よろしくお願いします。

ー 学校を再生させるこのプロジェクトが立ち上がった経緯ってどんなものだったんですか?新留小学校が休校になってから17年の時を経た今、なんで、とか。

花山校長:今、学校っていうところが、課題を抱えていたりとか、そこに通う子供たちも色々背中に背負っていたりとかする中で、求められる学校っていうのが、意外と ふつう なところにあるのかな、と思っているんですね。今の子供達は、どんなことを考えながら学校に来ているのかなというところを反映できる学校にできるんじゃないかなと思っています。
きっとこのプロジェクトのメンバーに瑞樹さんが入っているのは、そんな意味があるのではないかな?

ー 今、花山先生から ふつう という言葉が出てきましたが、コンセプトにもなっている「ふつうの小学校をつくる」って、どんな意味が含まれているのですか?

瑞樹:教育を変えよう!という動きは、いろんな場所で起きていて、尖ったコンセプトの学校や、新たな学びを実践する学校も増えてきています。そんな中で、地域に根ざしたふつうの小学校をコンセプトに、その学校づくりや運営の過程に必要なエッセンスを言語化していくことで、特別なヒトや、特別な方法論に頼らずとも、全国どの地域でも同じような、理想的な学校づくりを実現していける、一つのモデルとなればいいなと思っています。

花山校長:瑞樹さん、今、学校楽しいですか?

瑞樹:すごく楽しいです!

花山校長:どんなことが楽しいですか?

瑞樹:今私が通っている学校では、自分がやりたいこと、知りたいと思ったことを、とことん探究できて、先生もそれをサポートしてくれて。なんか、学びの発端が、常に自分自身にあるっていうか。

花山校長:そうですね。これからの学校づくりには、一般的な学校で行われている、伝統的な授業に加えて、瑞樹さんが言ったような、プロジェクト型の学習とか、問題解決型の学習とかが必ず必要なんだろうなと思っています。それらを、どのようにバランス良く取り入れていくのか、というところを、この新しいふつうの学校でも考えていきたい。

ー これから学校を再生していくに当たって、どんなことを具体的に進めていくのかを伺ってもいいですか?

瑞樹:私個人のプロジェクトへの関わり方でいうと、せっかく現役の学生としてプロジェクトに参画させていただいているので、同世代の子達とか、未就学児の子供たちと積極的にコミュニケーションをとって、その意見を学校づくりに反映させていきたいです。
今日も、午前中は、ひより保育園、そらのまちほいくえんの子供達に、小学校に対する憧れとかを聞いてきたんですど、やっぱりそれぞれに思い描いている小学校の姿って少しずつ違っていて、でもそれを一つ一つ叶えてあげられたらいいなと思っています。

花山校長:私も、子供たちが自分のやりたいことをできるっていうのがまず重要かなと思っていて、その中で、学ぶことってこんなに面白いんだなっていうことをこの校舎で感じてくれれば嬉しいです。そして、人を信じることができたりとか、自分で学びを作っていったりとか、そんな力を育むことができればいいなと思います。

ー 小学校って、地域にとって、どんな存在だと思いますか?

瑞樹:特に新留のような中山間地域では、住民一人一人の小学校に対する思いが大きいように感じています。まず、地域から学校がなくなってしまうと、そこに子供を通わせていた家庭が他の地域に移住してしまったり、他の学校に通わせないといけなくなったりしてしまう。プラス、学校がない地域っていうのは、なかなか新たな移住者が望めなかったりするので、地域全体の過疎化に繋がる要因にもなると思うんです。
ただ学校という場所がなくなる、だけではない影響があるのかなと感じています。

花山校長:多分、学校がなくなると、そこに通っていた卒業生の方々も、過去を失ったような感覚になるんじゃないかなと思います。地域によっては、子供が1人いれば学校が残っているとこをもあるし、逆に子供が複数人いても、近くの大きな学校と統廃合、という形を取る所もあるし。
その地域のコミュニティーの考え方っていうのが、学校にも反映されているんだろうなって思っています。

新留の皆さんとお話ししていると、小学校に対する思い入れが伝わってきます

ー 新留小がまた新たに生まれ変わった時、どんな景色が見たいですか?

瑞樹:新留小に入学する子供達には、授業の中でも、学校生活の中でも、新留地域の方々と積極的に関わりながら、自分の興味のあることとか好きなことをどんどん深めていって欲しいです。そんな環境づくりをしていけるように私たちも頑張ります。

花山校長:いろんな子供たちが集まって、お互いのコミュニケーションの中で学びながら成長していって欲しいです。子供たちそれぞれも、コミュニティーとしての地域も。



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第2回:「小学校」の概念を見つめ直してみる
第3回:食とことば とは
第4回:ランチルームとライブラリーの可能性
第5回:学び場を軸にした幸福度の高い地域デザイン〜保育園編〜
第6回:学び場を軸にした幸福度の高い地域デザイン〜小学校編〜
第7回:「ふつう」という言葉のこそばゆい感 〜これであなたもふつう通!〜
第8回:ご存知ですか、教育基本法?
第9回:小学校とは地域にとってどういう役割の装置か?
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