国語辞典を使ったゲーム

国語辞典はただ知らない言葉の意味を調べるためだけに使っている人が多いと思う。しかし、世の中には国語辞典を使ったゲームがたくさんある。今回は、そのような国語辞典を使った遊びを紹介したい。

(この記事で紹介しているゲームは全て下のイベントが出典となっています。)

なお、この記事の問題は全て『新明解国語辞典』第七版から作成しているため、家庭にある国語辞典でも十分遊ぶことが可能である。

・ 「たほいや」

多くの人が知らないような言葉を出題し、選択肢の中から正しい語釈を当ててもらう、というゲームである。タイトルにある「たほいや」とは「イノシシなどを追うための番小屋」という意味を持つ言葉であり、このゲームの代表的な問題である。

例題1:「筋屋」
1.  筋肉をもみほぐして治療をする人の称。あん摩マッサージ指圧師。
2. 〔鉄道で〕ダイヤを専門に作成する人の称。
3. 常に論理的な考え方をする人。

・ 「ズッキーニ」

「たほいや」とは反対に、誰もが知っている言葉の語釈を問題として出題し、それがどのような言葉か当てる、というゲームである。このゲームも、「ズッキーニ」が例題としてよく用いられることから、このタイトルが付けられている。

例題2:「洋風料理の彩りに使う鮮紅色の香辛料。辛みはほとんど無い。」

・ 「逆からブランチ」

簡単に言うと、「ズッキーニ」の多義語バージョンである。誰もが知っている言葉の語釈を後ろの項目(ブランチ)から一つずつ挙げていき、早く答えられた人が勝ち、というゲームである。

例題3:(少しずつスクロールしながらご覧ください)

6. それぞれの特徴をもって他と区別される、一つひとつのもの。

5. ある基準で二分類した、一つひとつのもの。

4. 物の端。

3. 外(中・奥)に向かって開いていて、そこから出入り(出し入れ)する所。

2. 1.に出して言うこと。

1. 人間や動物が飲食物を取り入れ、音声を発する所。 

・ 「妄想彼女」

簡単に言うと、「ズッキーニ」の複合語バージョンである。国語辞典に載っていないような複合語(例:「妄想彼女」)を単純語(「妄想」と「彼女」)に分け、それぞれの語釈を組み合わせた文を問題として出題し、それがどのような複合語か当てる、というゲームである。

例題4:
自分の言動に対する反省に基づき、自分から進んで慎むことについて、社会公共の秩序を維持し、国民の生命・財産を保護することを目的とする国家の行政上の機能を持つ行政機関。


このように、家庭にあるような小型の国語辞典でも十分に遊べることがわかってもらえただろうか。もし、『広辞苑』などのような中型の国語辞典があれば、より楽しめることだろう。

学校の国語の授業でも、国語辞典や言葉の意味に親しむ方法として取り入れる機会が増えてくれればいいなと思う。


また、様々ある国語辞典のそれぞれの特徴を、読みやすい形で面白く詳しく書いてくれている以下の本もオススメである。

・サンキュータツオ(2013)『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』東京: 角川学芸出版.



・ 答え

・例題1:2
・例題2:「パプリカ」
・例題3:「口」
・例題4:「自粛警察」

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