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食の安全性、おいしさと罪悪感の問題

子どもたちが帰宅して、家族で昼食をしていたときの話題。
長女が道徳でロールプレイをしたという。
カードに書いてあった役割は、大規模食肉業者、スーパー、顧客(肉食)などで、テーマは「大規模食肉業者の可否」。

要は動物愛護の観点からの話なんだけど、価格重視になってくると、動物の飼育環境を疎かにして、狭いところにぎゅうぎゅうに押し込んで、食べて排泄するだけの状態で飼育している「大規模食肉業者」がいるという話。
どれだけひどい環境か、動画があったらしいけど、
「これはとてもあなたたちに見せられない」
と先生が言ったほど、ひどいらしい。

長女は「顧客」のカードをひいたので、「安い肉があれば買う」というような主張をしたらしい。
まあ、私もそうだからね。

でも、卵には飼育状況が書いてあって、「床飼育」と「自由飼育」があるので、自由飼育を買うようにはしてる。
なぜなら夫がそれを希望するから。
床飼育はぎっちりつまった鶏舎に鶏がいて、自由飼育は自由に歩き回ることができるという違い。

スペースをとれば、それだけ費用がかかるのは当然?
卵は1,5倍から2倍ほど高い。

長女は、その授業にちょっと影響されたようで、自分はヴィーガンにはならないけど、肉はちょっと考えると言い出した。
はちみつやミルクはいいとしても、肉は命だし、卵も命に数えられると。

少なくとも日本の卵は無精卵が多かったという話をした。
有精卵にしたら、保管も大変になるじゃないか!
だから、買ってきた卵を温めたところで、卵は孵らないと。

まあ、もちろん命を食べているというのはその通りだ。
でもじゃあ、大きな動物を食べるのは、たらこを食べるより罪は軽いのか?!

そもそも、ドイツ人(動物愛護の観点)のいう、幸せな環境で育てて屠殺する方がいいというのは、そうなんだろうか。
夫は、野生動物を食べるのが一番いいという。
まあ、狩りの結果だから、他の生き物が他の生き物を食べるのと同じかもしれないけど。

極端な例えだけど、人間を食べるとして(約束のネバーランドみたいに)、幸せにかわいがって育てて殺すのと、エサだけ与えて、言葉も教えないで育てて殺すのとどちらが、道徳的だろうかと問うと、夫と長女は前者、次女は後者だと言った。
私も後者だと思うんだけど・・・

これは結果の出る問いではない。
いずれにしても、命を食べていることを意識して、無駄にせずにいただくという意識はいるだろう。

そのあと、次女が、英語の時間にチョコレートのブラインドテストをしたという話をした。
イギリスのチョコレートと、ドイツのチョコレートで、ドイツの方が断然おいしかったとw

イギリスは最近の施策で、砂糖税なるものを作った。
国民の肥満が問題視されているからだ。
だから、以前のまま砂糖を入れていれば、商品は高くなる。
高くなれば消費者は買わない。
だから、砂糖を減らして商品を作っているそうだ。

夫もテレビで、イギリスの該当で、イギリスのファンタとドイツのファンタ飲み比べのテレビ番組を見たことがあるそうだけど、ドイツのファンタがおしい!!とイギリス人が喜んでいたそうな。

次女の英語の先生はさらに、アメリカのチョコレートで使用されている牛乳は高温処理されていないので、時間が経つと牛乳が劣化し、腐るので、アメリカのチョコレートは臭くて、おいしくないという話をしたらしい。

アメリカといえば、以前アメリカに住んでいた同僚が、ドイツに来て
「ハリボーの色が違う!」とびっくりしたそうだ。
アメリカのハリボーはもっとカラフルだとのこと。
つまり、もっと色素を使っているのだろう。
どうやら、アメリカは欧州に比べて、食の安全基準が低そうだ・・・

チョコレートに話を戻すと、日本のチョコレートは溶けないように、乳化剤が入っているそうだ。
だから、欧州に日本のチョコレートを持ってくると、商品名チョコレートとして販売できず、「チョコレート菓子」となるらしい。
ドイツのチョコレートに慣れてしまうと、日本のチョコレートがおいしくないのは、そのせいかもしれない。

最近経由便(しかもあったかいところ)しか乗っていないので、お土産にチョコレートを持っていきにくくなった。
逆をいうと、ドイツのチョコレートは日本の気温じゃとけちゃうから・・・
ちなみにそんな気温の低いドイツでも冬しか販売しない生チョコレートなどがあって、すっごくおいしい。
ぜひ、冬にドイツに来たら試してほしい。

でも、世の中においしくて、安くて、安全で、罪悪感のないものなんて、もうないのかもしれない・・・・

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