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~太陽の通り道は神様の想いが通る道~vol1.出雲大社の神迎神事

~太陽の通り道は神様の想いが通る道~

古来より謂れのある神社や神山や神島は今も変わらず祀られ、神聖な場所として残っています。
その神聖な場所において太陽の通り道として日の出、日の入の方角はその日、太陽(天照大御神)が地上に現れる場所であり、お隠れになる場所であると考えて、夏至、冬至、春分秋分、例祭日など特別な日は特に意味を持っていると感じています。

出雲大社の神在月のレイラインを地図上で引いてみる

毎年、出雲大社では旧暦10月10日に神迎祭(かみむかえさい)が執り行われます。その祭事にて、八百万の神様が出雲大社に赴き、出雲に迎え入れます。
その翌日からの7日間に神々は滞在され会議をされます。その議り事に祈りを捧げるため、神楽殿では毎日ご祈祷が行われています。
初日(旧暦10月11日)、中日の5日目(旧暦10月15日)、最終日の7日目(旧暦10月17日)に神在祭(かみありさい)が執り行われます。
また5日目と7日目には縁結大祭も執り行われます。
そして、旧暦10月17日の神等去出祭(からさでさい)によって出雲大社より送り出され、旧暦10月26日の第二神等去出祭で、神さまは出雲を御発ちになられます。
旧暦10月10日から旧暦10月26日まで、その時期は出雲大社の周辺では八百万の神様がお集まりになられるので「神在月」と呼ばれます。

今回は神在月で有名な出雲大社の神迎祭の翌日(初日の神在祭)と神等去出祭の太陽の日の出と日の入の通り道をレイラインとして直線を引いてみたものを用意しました。

神迎祭は夜執り行われるため、神迎祭の翌日の旧暦10月11日から神等去出祭の旧暦10月17日までの祭祀日の太陽の日の出、日の入の方角(角度)を割り出し、
地図上で、出雲大社の本殿を中心として、日の出の方角、日の入の方角にそれぞれ、地図上で地球の球面に沿った形で直線を引きました。
その直線上に現れる山(火山、神山)や島、史跡、陵墓、神社など古来より残っているシンボルを確認しました。

旧暦での日の出と日の入の角度は毎年変化し、19年周期で繰り返しています。出雲大社の祭祀日も同様です。

また、神迎祭から神等去出祭までの間の7日間は、毎日行事があるため、その年の神迎祭のレイラインから神等去出祭のレイラインの間にある扇状の範囲にあるシンボルが神様の想い、神事の影響を受けていると解釈します。

まず、2019年のレイラインには、出雲大社本殿より日の出方向には、東(日が昇る方角)より、八丈富士、飛鳥大和地方の数々の古墳、仁徳天皇陵などそうそうたる陵墓がレイライン上に並び、西(日の入方角)には対馬の和多都美神社が現れました。
注目すべきはその圧倒的なシンボルの数です。特に仁徳天皇陵や、天武・持統天皇の前後の時期の陵墓が連なっています。
19年周期ですので2038年も同様のレイラインです。

2020年には、東(日が昇る方角)より、青ヶ島より始まり、釈迦ヶ岳、弘法大師御廟、丹生都比賣神社がレイライン上に並び、西(日の入方角)には厳原八幡宮神社がレイライン上に現れました。

最北端を通るのは2033年の19年周期でレイライン上に、宇氣比神社、瀧原宮、三輪山、檜原神社(元伊勢)、村屋坐彌冨都比賣神社、孝霊天皇 片丘馬坂陵、龍田大社、神原神社、海神神社
最南端を通るのは冬至の時期や、2025年の19年周期でレイライン上に、花窟神社、伊弉諾神宮、見島神社、沖ノ島

出雲大社が八百万の神々を神迎行事でお迎えする意味と、日本の古跡・神社・神山が、明らかに関連性を持っており、深い意味をもって古来より祀られているということを感じます。

ここで、旧暦の19年周期についてですが、旧暦から西暦をもとにした祭祀を始めたのは明治以降つい最近です。
19年周期ということに少し気になったので、式年遷宮の現在の20年周期について調べてみました。
すると、当初の伊勢の式年遷宮は690年より19年ごとに執り行われています。途中792年の臨時遷宮より周期の年が6年ずれますが、810年からの式年遷宮の周期も19年周期であることは変わらないようです。
690年は持統天皇の即位年に当たります。また810年は嵯峨天皇の即位の翌年です。もしかすると大嘗祭があった年ではないでしょうか。
以降、500年ほど19年周期は乱れず、南北朝、室町時代、応仁の乱のあった14世紀末期より周期が崩れ、一時期は式年遷宮がされませんでした。
江戸時代になって式年遷宮が復活したおり現在の20年周期となりました。

それらの事実から考えると、当初の祭祀の意味が失われた状態にあるといえると思います。
ただ、20年周期ですので1年のずれで、19種類それぞれのレイラインが祀られることには別の意義はあると思います。

式年遷宮の年にまつわるレイラインでは692年の初めての内宮の式年遷宮にあたる神迎祭レイラインで、高見山、阿紀神社(元伊勢)、鳥見山、等彌神社、顯宗天皇陵、允恭天皇陵、住吉大社、西条古墳群・尼塚古墳、姫路城、神原神社古墳の竪穴式石室、万九千神社、中野大歳神社跡地・大三輪神社、太祝詞神社(対馬)


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