【読書レビュー⑤】尾八原ジュージ「巣」
こんばんは。PisMaです。
今晩もざっくりレビューをしていきます。
前作はこちら↓
前回は美苗の兄嫁•綾子が子どもが出来ない体質なことが判明したりしました。今回はどうなっていくでしょうか。
夜中に歩き回る足音はするものの、少しずつ慣れてきてしまったある日の昼。
美苗が桃花と庭で遊んでいると門扉の外に女性がいることに気づきます。小柄で黒髪の化粧っけの無い女性。
近所の人ではないと思いつつ美苗が話しかけると、女性は震えて吃りながらも衝撃的なことを口走ります。
「なんでっ、な、なんでこんな、ひ、人がいるんですか!? わ、わたし、駄目だったのに、その、不動産屋さんにっ、駄目ですって言ったのに、なんで人が住んでるんですかっ!」
混乱する美苗。
怖がることすら忘れて困惑していると、女性は不明瞭に発音しつつもばたばたと立ち去ってしまいます。「いまの人だれ?」と桃花に尋ねられるものの分からないと答えるしかありませんでした。
無言電話の犯人とも関係があるのでは、と思いを巡らせてみても解決には繋がらず。綾子に伝えてみても心当たりはなさそうです。
そういえば母はどこにいるのだろうと考えていると、母がひょこっと現れて「携帯が分からないんだけど」と美苗を呼びます。なぜ携帯をリビングに持ってこないんだろうと思いつつもひとりで母のもとに行くと、母は扉を閉めます。
「美苗。私、離婚しようと思う」
怒涛の情報開示に目が回りそうですね。
謎の女性の意味深な発言に続き母の離婚宣言ときました。お父さんと何かあったのか、と理由を尋ねると「それくらいしないとこの家との縁が切れない気がする」というのです。先に家を出て美苗も桃花と一緒に来なさいと続けます。この家が便利で助かっている美苗は悩みますが、この家を出たくないといえば嘘になります。
母も母でかなり考えていたようです。夜中に何かが歩くのも怖くて限界だし、父も兄も綾子さんにお世話になりっぱなしだから、家を出て行くと言っても反対してくることは目に見えているようでした。特に「綾子さんには離婚のことは伝えるな」と強く念を押しています。
母はあの温厚な綾子を強く警戒している。
その事実が更に混乱を誘うのでした。
本日はここまで。
ついに小柄な女性が出てきましたね。母もだんだんと家の異常さについていけなくなっていて大変でございます。
多くの情報の間で困惑し悩む美苗。
美苗は桃花を守る行動を取りたいと揺れる気持ちでいっぱいです。何が一番桃花のためになるのか、今後もどんな動きを示すのか楽しみですね。
お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
縁を切って、花が舞う。
おやすみなさい。
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