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【読書レビュー④】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も「巣」の続きを。
前作はこちら。


謎の人形が落ちているのを発見してしまった美苗。この日を境に桃花は一人をすごく怖がるようになり、電気も消さずに寝るようになったため少しずつ睡眠不足の日が増えていきます。

母も「足音が聞こえる」と美苗に相談してきますが、美苗は母の不安を突っぱねます。少しずつ精神が擦り減って来ているうえ、この家に居られなくなったら桃花を育てられない。うまく暮らせないと焦る美苗。あの部屋のことさえ無ければ私たちは幸せなのだと思い込むのでした。

最近は家に無言電話がかかってくるようにもなっている模様。兄嫁の綾子は、もしかしたら美苗の旦那さんなのではないかと相談します。
無言電話の相手が別れた旦那だった場合ただ事ではありません。娘に危害がないよう今後も警戒していこうと綾子には言ってもらったものの、美苗の気苦労は増える一方でした。

ある日、職場から帰宅した兄•圭一に「桃花ちゃんが来てから綾子が嬉しそうだ」と伝えられます。兄はあまり表に出ないながらも綾子を気にかけていて、楽しそうな綾子を見て嬉しいようでした。
非常に言いにくそうながらも、
「いや、その。綾子って子どもは好きなんだけど、その――色々あってさ、妊娠できないんだ」
と教えてくれます。

子供が出来ない身体。
子どもが好きな綾子にとってそれがどれだけ無念なことなのか美苗は分かっています。桃花の面倒を見てくれるのはもしや慰めなのではないか、と思ってしまうくらい綾子は桃花のことをよく見ていてくれていました。
美苗も働いているため、熱を出しやすい桃花のお世話に担ってくれる人がいなくなったらと思うと頭を抱えてしまいそうです。「綾子さんに子どもがいなくて良かった」と身勝手な安心をしている自分に美苗は嫌気が差していました。

本日はここまで。
人間関係に関するお話がメインになっていましたね。綾子は子どもがすき。でも子どもができなかった。綾子はみんなで暮らしたい。
これが今後大事な意味をもってくるのでしょうか。美苗の精神状態がじわじわと悪くなっているようで視野が狭くなっていく感じもぞわぞわします。今後どうなっていくか楽しみですね。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
あの部屋について触れなければ、私は幸せだ。

ご機嫌よう。

続きはこちら。





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