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【読書レビュー】ラテン語さん「世界はラテン語でできている」
こんばんは。PisMaです。
本日はSB新書・ラテン語さん「世界はラテン語でできている」を読了しました。
買った経緯としては、ネットで反響が大きい印象があり気になったことと、普通にラテン語についてちょっと知りたいな…と興味が湧いたことですね。実際に読んでまいりましょう。
読み進めていくと、ラテン語は書き言葉として古くから発達した言語。英語から日本語まで現在も使われている言語の語源になっていることが多いようです。
本書はそんな「ラテン語が語源の単語」について多く紹介されている本で、普段何気なく使っている単語や施設の名前などにラテン語が散りばめられている事が分かります。
小説とは違い、左開きで始まる本でもあり小説を読むような気持ちで開いてみるとちょっと辞書っぽい印象も受けるかもしれません。
なので様々なところで「あ!ラテン語だ!」となるような、ラテン語の豆知識がぎゅっと詰まった図鑑のようなイメージで読んでいました。
「世界史・政治・宗教・科学・現代・日本」と6ジャンルにわたってラテン語にまつわる単語を紹介している本書。なかでも私が気になったラテン語の語源を独断と偏見で紹介しようと思います。
世界史
・自由の女神が女神なのは、古代ローマのリーベルタース(自由が擬人化された女神)が元ネタだから。女性名詞の概念は全て女神になる。
政治
・眩い白は古代ローマの政治において強く影響がある。選挙候補者は眩い白の衣服を身につけ、誠実さをアピールしていた。
・眩い白という単語が派生して光度の単位「カンデラ」になったり、豪華な照明の「シャンデリア」の語源となったりしている。
宗教
・パッションフルーツの「パッション」は情熱という意味ではなく、ラテン語における「被る、受ける」に近く「キリストの受難」に元ネタがある。
・雨を凌ぐ「合羽」の語源はポルトガル語での「外套」が語源。そのポルトガル語の語源を遡るとラテン語に行き着く。
科学
・星座や惑星の英語表記はほぼラテン語が元になっている。
とくにサターン、「土星」はギリシャ神話のゼウスの父サートゥルヌスの名前が元だそうで、「我が子を食らうサトゥルヌス」の絵画と土星に関係があるとは驚きでした。
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喰われているのは息子の神々で、
生き残ったのがゼウスなんだとか。諸説あり。
現代
・シュミレーションはラテン語での「似る、似ている」の派生。
データは「与えられたものたち」。
コンピューターは「計算する」。
・ハリーポッターの呪文にはラテン語が多く含まれており、「エクスペクト・パトローナス」は「私は保護者を待つ」というラテン語が語源。
パトロンは支援者の意味もある。
IT系の単語は直接的にラテン語が語源となった単語が多く感じます。またディズニーランドのちょっとしたラテン語にもこだわりが感じられるとか。
日本
・日本にある有名な大学の至る所にラテン語の碑文が存在。慶應義塾大学には創設者・福沢諭吉の「学問のすすめ」のフレーズがラテン語で残されている。
・早稲田大学・演劇博物館の入り口には「全世界は役者を演じている」という意味のラテン語が。
シェイクスピアの舞台「お気に召すまま」に出てくるセリフが元になっているそう。
この世にある言語ほとんどのベースになっているのでは?と思うほど語源になっているラテン語。
ここに書き切れないほどに、本当に多種多様な単語がラテン語を元にしていました。本のタイトルの通り、「世界はラテン語でできている」と言っても過言ではなさそうです。
「そういえばこの単語もラテン語が元になっているのかな?」と日常の中にラテン語を探してみるのも面白そうです。世界の解像度がぐっと上がる良書でした。ぜひ書店で見つけたら手に取ってみてください。
本日はここまで。
またすこし長くなってしまいました。
久々の書評楽しかったです。
お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
貴方も、言葉のルーツを辿る旅に。
おやすみなさい。
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