桜の匂い
桜の匂いは
腐った血の膿の満ちた肉片の甘さ
アヘンの味ような少々混濁で繊細
そしてその腐った苦い余韻
その鮮烈な色を帯びて
転がれているのは
土になってもなお
屍蝋と屍臭として残りたいのか?
その不浄な穢れを取り入れた
わたしたちは
確かに少し病んだ華になれるかもしれない
しかしその後は 同じ未来
土から膿まれ
土へ墜ちるだけ
この世の全ては
土への重力に支配されて
自らの命の質量とその墜ちるの加速度で 潰れる
残るのはただその余韻
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