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王さまの本棚 12冊目

『はてしない物語』

ミヒャエル・エンデ作/上田真而子・佐藤真理子訳/岩波書店

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本棚ではここにあります。引っ越したとき(一年前)につっこんだきり、直していないので、段ボールに適当に詰め込んだ順です。あらまあ。

さて、ながっらく続いたトールキン祭りも終わりを告げ、ここからはいろんな作家、いろんな本のターン。(そのうち、トールキンまた出てくるけど)
最初を飾るのはどうしてもこの本じゃなきゃ嫌だった!という、『はてしない物語』です。
先日十数年ぶりくらいに読み返して、アトレーユとフッフールの正義感に涙したところです。幸いの竜・フッフールが大好き。映画ではデパート遊園地の遊具みたいになってたけど。フッフールが大好き。映画は伝えるメッセージが全然違うので好きじゃない。

よくプロフィールに、『右手に過去、左手に未来の紙の本が好き』と書いているのですが、そのときイメージするのはこの本です。重たくて分厚くて、でもこんなに本好きに対して『本』という世界を楽しませてくれる本はなかなかなくて、その世界を掌中におさめ、ページをめくるごとに……ページをめくるのももどかしく、そのもどかしさすら愛おしいのですが、そうやってのめり込み、だんだんに読んできたページの重なる右手が重くなり、未来が収まっている左側のページが軽くなる。そういうことを凝縮しています。
そういう意味です。
たぶん、解説抜きでは1ミリくらいしか伝わってないと思う。

ツイートにも書いたように、やっぱり装丁が素晴らしいよね……!!この本がなんでこんなにお安いかというと、多分このサイズでもある程度売れるからなのかしらと思います。ほら、プレゼントに最適じゃないですか。お孫ちゃんに、お友だちのお子さんに。

とはいえ、やっぱり内容も装丁もお金がかかる作りなので、儲けようと思ったらもっと儲けられる中で、この装丁をこのお値段で売ってくれる岩波書店の「文化を発展させんという気概」は、やっぱりすごい。

かくいうわたしもこの本は、母方祖父にもらったんじゃなかったかな。母方祖父は教育者でして、伯父たちと母を本好きにした実績の持ち主なので、わたしが本好きになって喜んでいてくれたと思う。ああ、あと図鑑も買ってくれたなあ、生き物編と科学編。あれも読み込んだ!いまどこにあるのかなあ、多分情報は今に比べたら古いんだろうけど、すっごくおもしろかったなあ。

母が第一に本の世界を開いてくれたひととしたら、祖父は第二の人でした。わたしが留学したいとごねたときも、唯一応援してくれた人。ありがとう、おじいちゃん。おじいちゃんのおかげで、いまわたしはまだ本や文章が好きです。

モモのところで書こうと思ってるんだけど、ドイツ語なのよね、これ。英語の翻訳じゃないって、いや、当たり前の世界なんだけど、ふしぎだ。。。




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