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王さまの本棚 57冊目

『龍の子太郎』

松谷みよ子作/久米宏一装本・挿絵/安野光雅レイアウト/講談社刊

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龍の子太郎、これ実は、未読本なんです。(紹介するか……!)
いえね、抄本を「講談社世界の名作図書館」で読んだの、たぶん。(たぶん……!)

この「世界の名作図書館全52巻」、母実家にあるんです。祖父が高校教師で、安いものではないでしょうに、揃えたそうです。おかげさまで、母三きょうだいとその子どもまで、それ読んで育ちましたよ!そう、わたしは幼年童話の代わりにこれを読んで育ったのです。

おとなになって見てみたら、装丁が安野光雅だわ、監修が錚々たるメンバー

志賀直哉(日本芸術院会員、作家、日本ペンクラブ名誉会長)
坪田譲治(日本芸術院会員、作家)
土岐善麿(日本芸術院会員、日本図書館協会顧問)
浜田廣介(日本児童文芸家協会会長)
ギヨ(フランス児童文学者、アンデルセン大賞受賞者)
クリュス(ドイツ児童文学者)
ノーソフ(ソビエト児童文学者)
マクギニス(アメリカ学校図書難協会代表)

だわで、いえ、海外の方は存じ上げないのですが、すんごい豪華な全集なんだなあということを理解した次第。一冊、500円くらい。昭和40年くらいの貨幣価値がどんなものかわからないけど、毎月これが2冊だか4冊だか届くって天国じゃないかと思います。
めちゃくちゃ怖い(雰囲気の)祖父だったのですが、とかく本に関してはゆるゆるで、母たちきょうだいは子どものころ月にいくらかまで予算があったにせよ、本屋でツケにして本が買えたらしいし、うらやましい限り。ただし、子ども時代のわたしが正しく本を買えたかというと、そうではないとも思うので、自分がそうでなくてよかったのかもとも思うなど。
たぶん、自然図鑑と科学図鑑の2冊セット(めちゃくちゃ好きでした)とか、ナルニアとかドリトル先生あたりの函入り岩波少年文庫を買ってくれたのも、この祖父だったんじゃないかな。はてしない物語は誰が買ってくれたんだっけな。

子どもなんて、そんなもん。

おとなになってから感謝しています。ほんとうにええ環境で育ててもらいました。

留学したいとごねたときも、身内で唯一賛成してくれたのはこの祖父でした。わたし、メンタルがよわよわ過ぎるので行かなくて正解だったのかもしれないけど、わたしのことをよくわかっている両親にめちゃくちゃ反対されているなかで、在るか無きかのカソケキ才能を認めてもらえたみたいで、とてもうれしかったなあ……。

というわけで、太郎の話はせずに終わります。たしか、龍が母で、目玉を飴のようにしゃぶって大きくなったとか、治水のために山を崩して息絶えるとか、そういう、無償の愛を語るお話だったはず。はず。よみたい。すごく読みたい。

そうそう、これを書くために巻末を見てみたら、まさかの、作者プロフィールに作者自身の当時の住所が書いてあって、えええ!のんきな時代!!と思ったのでした。おもしろい。


読書の管理をしているのが読書メーターなのですが、これはないだろうなあ……あれ、一般のユーザも書籍を追加できないのかな。できるけどやり方を知らないだけかな。どうなんでしょうね。

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