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王さまの本棚 13冊目

『モモ - 時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』

ミヒャエル・エンデ作/大島かおり訳/岩波書店

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本棚での位置はここ。やっぱりエンデの本は並べたいよね。

実はこの本、十数年は読んでないんです。だから記憶がすごくおぼろげなのですが、先日、合計100分で名著を読み解く番組をNHKでやっていて、朗読がのんさんで話題になっていて、すごく楽しみで録画までしたので、いいかげん読み返したいなあ!と思っています。

いきなりネタバレなんだけど、最後にカシオペイアの背中に『オワリ』の文字が浮かびますよね。あれ、原作の絵では、『エンデ』(のドイツ語)だったんじゃないかなって。うわ〜〜〜かっこいい〜〜〜粋〜〜〜!こういうの大好きたまらん!!!いや、しらんけど。

作者による絵、トールキンに続きこちらもだけれど、むちゃくちゃうまくて精巧なこと。こんな絵が描けるだけで人生が楽しくなっちゃうだろうに、こんなお話まで書けるなんて!!児童文学を書く人の脳をちょっと調べてみてほしい。
「絶対にすてきなものごとばかりが詰まっているから」と書きかけて、そんなわけないな、と思い直しました。いや、そんなお花畑みたいなあたまのひとがいるわけがない。ただ、現実にあったものごとをすてきな文章や絵に変換する頭があるだけなのだろうと。

人生に起こる事件は、嬉しいことも悲しいことも誰にだって大なり小なりあるわけで、それをどう噛み砕いて消化して、指先なりなんなりからつむぐか。その欲求の強い人が物書きだったり、絵描きだったりいろんな、創作をするひとなのだろうなあと思います。

ツイートにある『作者のみじかいあとがき』についてはここではお話しません。なぜって、ひとつはわたしが語るよりもその目で読んだ方が良いのと、もうひとつは、わたし自身が「モモを読み返したタイミングで、いちばん最後に読みたい」からです。読書体験を満足いくまで吸い尽くしたいからです。きっと酸素が濃いでしょうよ。





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