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王さまの本棚 14冊目
『北風のうしろの国』
G.マクドナルド作/田谷多枝子訳/真島節子絵/太平出版社
14、北風のうしろの国
— 安野ニツカ (@nienoedda) July 29, 2020
子どもの本といえば草分けはこれ!ただひたすら美しく悲しく愛おしい物語。 pic.twitter.com/mR1zzySeMe
本棚での位置はここ。定位置というほどしっくりきてはいないのですが……本棚、整理しないとなあ……(遠い目)
作者のジョージ・マクドナルドは、ルイス・キャロルとともに、ファンタジー文学の草分けとなったひとです。
そういうわけかはわかりませんが、例えばかれの物語には『ホビットの冒険』の竜退治のように、明確なクエストはありません。幻想的なエピソードが大きな流れに乗ってただうねっているだけのようにも読めます。アリスは少女の見た奇妙な夢だからまだわかるのですが、例えば起承転結を求める読者がこれを読んだらツマンナイ!と思うでしょう。
要は、文字通りの意味での『空気を読む』つまり『雰囲気に身を任せる』ことが大事なのです。
マクドナルドの本は端的に言って宮沢賢治のお話みたいなもので、豊かな感受性をもって文字から映像を引き出すのが醍醐味のようなところがあるので、わたしは映像では見たくないし、他のひとの感想もあまり聞きたくないとおもっています。自分の中のはかない映像を大切にしたいから。
それはのちにお話しする『リリス』でも言えることです。
というわけで、この本については内容に触れずにおしまいといたします。
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