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男性育休の話?「縛られる日本人」の読書感想

こんにちはにどです。
以前、読了した本
2022年9月25日発売の
中公新書 メアリー・C・ブリントン著
縛られる日本人 ~人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか~

の感想を書いてみようと思います。


はじめに


凄く難しいタイトルですが、
主に男性育休の話です。

日本、アメリカ、スウェーデンの三国の
インタビュー、データを分析して
家族の在り方男性育休をテーマにしています。

まず、一言感想を・・
「(パパの)
 育休申請の背中を押してくれる本!」
です。

男性育休の取得率は年々上昇してますよね。
2020年のデータだと
男性育休取得は12.7%
で前年から5%程上昇しています。

ただ・・
そう言っても、取りづらい雰囲気ありますよね。
僕の職場でも育休は取るけど
数週間だけ・・
なんて方も多い状況です。

まだまだ職場の雰囲気として
当たり前のように取る状況ではないのかもしれません。

この本は男性育休について
国際データやインタビュー、データ
といった客観的な情報を元に
育休の重要性を述べています。

パパさんで育休を迷っている方や取得予定の
方にはオススメしたい本です。

感想

恐らくこの著者が言いたい本質は
日本の少子化の原因は"男性育休"を
取りづらい雰囲気
も1つの要因である。
ということだと理解しました。

ただ、それを説明していく段階で
家族というミクロレベルの
影響も知ることが出来ました。

例えば・・
男性育休を取ると、夫婦関係を良好に保てる
といった事が書かれています。

出産後のダメージのある中、睡眠不足もあり、
ノイローゼになってしまう。
そんな中、夫がいたら助かるといった
インタビュー内容があります。

さらに興味深い内容で、
里帰り出産や出産後の祖父母の手伝いの
デメリット
なんかも書かれています。

どうやら、
日本の女性は出産する時に自分の親に
頼る傾向は高いようです。

さらにこんな研究が

「フルタイムで働く妻の肉体的・心理的負担」は
夫の家事参加よりも、主として
「親の同居によって和らげられている」
福田節也 2017

つまり、女性側からしたら、
夫が家事をするよりも親に同居してもらってた方が気持ち的に楽である。という研究結果があるようです。

となると、出産後は当然、親に頼るという
事になりますよね。

祖父母が子ども(孫)の世話をする

父親が子どもに関わる機会が減る

子育ては母親の役目という発想の強化

父親は育児の脇役

という流れが作られ
育児スキルが妻よりも夫の方が遅れをとってしまう。

実際に
「突然の用事で子供の世話ができない時に誰に
 援助を頼むか」
という問いに対して、
自分or配偶者の親を上げた人は60%以上
配偶者を上げた人は40%に過ぎないようです。

父親が子どもの発達に影響を及ぼす研究も多く
ありますし、
子供が生まれた段階から育児に携わる事の
重要性
を理解することが出来ました。

さらに広い視点で
育児に参加する男性が増えると
育児を母、父の共同作業とみなす社会規範が強まる事や

第一子の時に夫が育休を取ると
第二子をもうける確率が上昇する

といった事もデータで解説されています。


ではなぜ、感想の
「(パパの)育休申請の背中を押してくれる本!」
なのか。

やはり、客観的なデータが主で、具体性があるからです。
(僕も含め・・)男性は客観的な情報
メリット・デメリットを説明された方が
行動に移しやすいと思います。

なぜ、育休が取りづらい雰囲気が出来ているか
他の男性から見たら育休はどう映るのか
なんていうデータや分析もあって
面白くてスラスラ読めてしまうと思います!

おわりに

昨今、良く耳にする男性育休についての本としては新しい部類に入ると思います。
だからこそ参考になる事は多いと思いました。

さらに
一貫して、夫婦関係は良好になるようなことも
書かれていました。

余談にはなりますが、

子どもが生まれると夫婦関係に危機が訪れる。
夫婦関係が悪いと妻は子供に対して過保護になり
夫は子供に対して無関心か高圧的になる
「子どもを持つと夫婦に何が起こるか」 ベルスキーとケリー(1995)

このような研究もあるようです。

子どもが生まれるという事は
夫婦の試練でもあるという事が分かります。

"出産"という大イベント
夫として、ゆっくり向き合うためにも
育休申請は非常に重要な決断かもしれません。

仕事だけじゃなくて
「(子供視点での)男らしさ
この視点を大事にしようと思いました。

稚拙な文ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回も更新したら読んでみてください!

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