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灯すカラダ

「人は食べたものでできている」と言われるように、体は普段食べている物から栄養とエネルギーを得ています。

しかし、どんなに体に良い物、栄養のある物を食べたとしても、体の「消化する力」がなければ、体には栄養として吸収されません。

そこで、重要なのは食べた物を「消化する力」です。

アーユルヴェーダでは、この消化の力を「アグニ」と呼び、「火」の要素で働くと考えられています。

湿気の多い梅雨時期は体も水をためこみがちに。

「火」が「水」に弱いのと同じように、余分な水分が体内にたまると、消化力が弱まり、胃腸の消化不良や食欲不振などの症状があらわれます。

消化の「火」を弱めることも、強すぎることもなく、安定した火を灯し続けるカラダを作るための5つのアプローチをご紹介します。

目次
 1.知る
 2.食べる
 3.飲む
 4.動く
 5.圧す

1.知る

安定した消化の火を灯し続ける3つのこと。

☑️湿邪を防ぐ。

漢方では「湿」の邪気(病気を引き起こす原因)が体内に停滞すると、消化の働きを弱めると考えられています。じんわり汗をかくくらいの入浴で余分な水分を発散させ、水分代謝の妨げになる「冷え」をなくしましょう。

☑️リズムを整える。

気圧の変化が多い梅雨時期は自律神経が乱れやすくなります。交感神経と副交感神経のバランスを整えることが大切です。早寝早起きをこころがけ、一日の中で活動的に行動する「動」の時間とリラックスする「静」の時間を作り、また食事も前に食べた物が完全に消化されるまで摂らないように一日のリズムを整えましょう。

☑️気分転換をする。

梅雨空と同じように心もくよくよと悩んだり、不安感を感じたり、内向的になりやすいこの時期。
「思則気結(思えばすなわちきはつまる)」
過度の思慮は、食欲不振や食べ物がのどを通らないなどの症状があらわれます。ネガティブな感情は決して悪いことではなく、「気づき」や「新しい視点」を発見できるチャンス。ただ、過度になりすぎないよう、趣味や好きなことに没頭して気分転換をしましょう。

2.食べる

胃腸の声を聞き、体質や体力、季節などをふまえて、自分の消化力にあった量を食べるようにこころがけましょう。また、消化力が正常に働くのはリラックスしているときです。活動しながら食べるのではなく、食事を楽しむことを大切にしましょう。

☑️水を巡らせるウリ科の食材を摂る。

キュウリ/茄子/冬瓜/ゴーヤー など

☑️「脾」を冷やさないよう薬味を摂る。

ショウガ/ネギ/シソ/みょうが など

☑️水を巡らせる穀物、豆類の食材を摂る。

大麦/トウモロコシ/粟/もち米 など
小豆/大豆/緑豆/エンドウ豆/黒豆 など

3.飲む

暑い日が続くと飲みたくなる「冷たい飲み物」。
火に水をかけると火が弱まるように、冷たい飲み物は消化の火を弱めてしまいます。
「少量こまめに、なるべく温かく」をこころがけましょう。

☑️体の水分を巡らせるお茶

ハトムギ茶/南蛮毛茶

☑️消化を促進するハーブ

スペアミント/リコリスルート/フェンネルシード/コリアンダーホール

4.動く

消化機能を高める3つのボディワーク。
※無理のない範囲で行ってください。

Ⅰ.正座

【How-to】
日本人にはおなじみの正座。
背筋を伸ばし、ゆったりとした呼吸を繰り返し、約3分キープします。
【Point】
足は重ねず、足の指10本も床に着けるようにイメージで足の甲をしっかりと地面に着ける。

Ⅱ.とかげのポーズ

【How-to】
四つん這いの姿勢から、片方の脚を両手の横にセットし、つま先を斜め45度外に開き、膝とつま先の方向をそろえます。
もう片方の脚の膝と足の甲を地面に着きます。
余裕があれば、両手の位置に肘を着き、ゆったりとした呼吸を繰り返しながら、約3分キープします。
(左右同様)
【Point】
曲げている脚の膝とつま先の方向をそろえます。

Ⅲ.ドラゴンのポーズ

【How-to】
四つん這いの姿勢から片方の脚を両手の間に着き、膝の下にはかかとではなく、つま先になるようにセットします。
もう片方の脚の膝と足の甲を地面に着きます。
手のひら一枚分前に両手を着き、ゆったりとした呼吸を繰り返しながら、約3分キープします。
(左右同様)
【Point】
目線を斜め前にし、頭が下がりすぎないようにします。

5.圧す

【足三里(あしさんり)】

足の外側、膝の下のくぼみから指4本分下。

ほどよい刺激を感じる強さで約5秒押してゆっくり離すを4、5回ずつ繰り返します。
(左右同様)

胃痛や食欲不振などの胃腸の不調に効果があるツボです。また、疲労回復に効果があり、強壮のツボとしても有名です。

(最後に)
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
毎日を健やかに過ごせるよう参考になれれば嬉しいです。