見出し画像

「道に落ちていた二重人格。」/ショートショートストーリー

そのノートは道に落ちていた。

ビビットピンクのノート。
読む気はなかったと言えば噓になる。

ペラペラめくるとぎっしりと書いてある。
ますます読みたくなるではないか。

それで。
内容と言えば。
肩透かしと言うか。

日々の記録が丹念に書かれていた。
病的に。

途中で飽きてしまって。
そのまま、自分の部屋に持ち帰ってしまった。

翌日。
持ち主の名前でも書いてないかと再読したら。
昨日、読んだ内容と違うし字の書き方だって別人。

いやいや。
そんな馬鹿な。

ページをめくっていって気がついた。
ふたりで書いている。
ちょうど真ん中あたりに白いページがあって。
各々が片側から書いているのだ。

たまげたのは。
片方の記録と違ってもう片方は二重人格であることを苦悩している日記だったこと。

ドラマとか小説でしかお目にかからない。
二重人格者。
自分の身近にいるのかとざわつく。

ノートはどうすべきかと引き出しをあけたら。
同じビビットピンクのノートがはいっていた。

まさか、自分。。。


お題はたらはかにさんから。ありがとうございます。無理やり的な(;^_^A


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?