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「SFドラマ。」/ショートストーリー

「また。観ているの。今度は何?」

「予兆。散歩する侵略者。というタイトル。」

僕はドラマや映画が好きだ。特にSF物。理由なんて聞かれても困る。ただ好きものは好き。恋愛ものとか毛嫌いしているわけじゃないが。やはり、1番好んで観ているのはSF物。
それで同棲している彼女は真逆でバラエティーやヒューマンドラマが好み。

お互いに自分の興味がないものには本当に関心がない。色々と共通点もあるんだけれど。ドラマや映画に関しては違いすぎる。

「どうして。私のいる時に観るかな。」

彼女は不機嫌になっている。そうだった。暗黙のルールというものが存在していたのだ。

「ああ。ごめん。」

「少しは旅行の準備をしてよ。」

彼女が不機嫌になるのも仕方ない。明日から二人で旅行に行くのに、僕はなんとなく気がのらない。それでつい配信されたドラマを観ていたのだ。僕は旅行の準備に取りかかろうと立ち上がった。不機嫌な彼女が怖い顔をしている。

「えーと。本当はどう思っているの。マジで宇宙人の存在や侵略なんて信じているの?」

「えっ。別に信じているとかどうとかでなくてさ。ただ、趣味というか好みじゃないか。何だよ。そんなに怒らなくてもいいじゃないか。」

僕は感情的になっていたので、彼女の表情が怒りでないことに気がつかなかった。ちやんと彼女の顔を見れば、淋しそうだってわかったかもしれないのに。


私はつぶやいた。
「私たち。侵略なんてしないわよ。」







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