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大好きなあそび

最近は、願っただけで、思い通りに戦いをするおもちゃがあるらしい。
マックサーくん.Jrも、ここのところ、それに夢中だ。
「たくさんたくさん戦うと、たくさんたくさんいいことがあるんだよねぇ。パパ」

マックサーくん.Jrの集めたフィギュアの戦士たち。
まるで、古代のコロッセオのようだ。
「もっとやれ! もっとやれ!」
もっと戦って、フィギュアの戦士がたくさん死ねば、また、パパが新しいフィギュアを買ってくれることを、マックサーくん.Jrは知っている。

箱庭で逃げ惑う女性たち。子どもたち。
「血を流して死んじゃった」
マックサーくん.Jr、
「あーあ、なんか飽きてきちゃった。もっと他の武器買ってよぉ、パパァ」
なんて言っている。
「なんか、眠くなってきちゃった。休憩しようかなぁ」
なんて大きなあくびをしている。

「やっぱ、休憩やーめたっ!」

マックサーくん.Jrが大好きなのは、パパが買ってくれたフィギュアの戦士たちで戦いごっこをするあそび。

マックサーくん.Jrが願えば、フィギュアの戦士たちは、マックサーくん.Jrの思い通りに戦ってくれて、死んでくれる。

「パパァ、クリスマスプレゼントには、約束通り、世界で一番高い戦闘機のプラモデル買ってくれるんでしょ?」
パパは、もちろんだよとウィンクした。

「また死んだ。たくさん死んじゃった。やったー!」

今年のクリスマスにも、また、マックサーくん.Jrのところにはサンタがやってくる。
マックサーくん.Jrは、とても楽しみにしているのだった。
パパとサンタに毎年プレゼントがもらえるマックサーくん.Jrは、世界一しあわせな子どもなんだ。

「サンタさんには、新しい戦場の箱庭をもらうんだ」

マックサーくん.Jrは、暖かい毛布の中で、サンタの夢を見ていた。
サンタは、やっぱりマックサーくん.Jrに新しい戦場をくれて、そこでフィギュアの戦士たちは、激しい戦闘を繰り返す。
そんな楽しい夢を見ているマックサーくん.Jrは、やっぱり世界一しあわせな子どもなんだ。

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