なぜそれをするの？

僕は生まれも育ちも京都ですが、

現在は熊本県の南阿蘇村というところに住んでいます。

熊本に親戚がいるわけでもありませんし、

いわゆる”縁もゆかりもない”場所でした。

大学を卒業するまでずっと京都だったので、

僕を知る周りからすると「なんであいつは今熊本にいるんや？」

って感じじゃないかなと思います。

最初のきっかけ

2016年、僕は就職が決まらないまま大学を卒業しました。

大きな焦りはなかったものの、仕事が決まればいつでも働けるようにと、

続けていたバイトもやめて、就活一本のみで毎日を過ごしていました。

肩書だけで言えば無職でした。

既卒向けの就活イベントに参加したり、説明会や面接に行ったりしましたが、

”ピンとくる”ものがなく、

既卒就活生に対する風当たりも強い、やりたいことがわからない、

でも譲れない自分なりの何かはある、みたいな悶々とした日々でした。

そんな中、熊本で4月14日、16日に地震が起きました。

ニュースで被害など見聞きはしていましたが、

当時は僕からすると熊本は遠く離れた県であり、他人事でした。

そのあと次年度入社予定で一つ内定をいただいていましたが、

僕はすぐに働きたかったので、就活を続けていました（インターンなどにも行きましたがとてもいい経験になった）。

そんな生活が2か月経った頃、大学の頃からお世話になっている方から

ご連絡をいただきました。

「元気？熊本で震災復興の仕事があるんだけどやらないか？」

即快諾しました。

理由はその時の自分の状況を踏まえるといろいろ挙げられますが、

一つ目は「ピンときたから」。

二つ目は「自分が必要とされることがうれしかったから」。

三つ目は「お世話になっている恩返しができると思ったから」。

という流れで6月10日、僕は人生で初めて熊本の地を踏むことになりました。

「あ、俺ここに住む」

ボランティアコーディネーターとして日々災害現場を奔走する中で、

この日は被害の大きい南阿蘇村というところへ行くことになりました。

今現在は道路は復旧が進んでいますが、その時はう回路しかなく、

山道を登って越えて現地へ向かうルートしかありませんでした。

長い長い登りの山道を進み、峠を越えて下りに差し掛かった時に、

南阿蘇の風景が目に飛び込んできて。

「何じゃこの天国みたいな所は」と。

次の瞬間に、

「あ、なんか俺ここに住みそうな気がする」

というのを直感的に感じて。

約半年くらいの間、阿蘇に限らず熊本のいろんな場所へ行きましたが、

どこへ行っても風景、食、人すべてが新鮮で楽しくて。最高でした。

そして

「あ、俺またここに戻ってくるな」

っていう感覚がずっとありました。

結果、

1年間は熊本を離れ、当初決まっていた会社にお世話になりましたが、

今またこうして熊本にいるわけです。

「理由は後付け」説

あなたが何かやろう、これをしたい、と思う時って、

周りから「なんで？」って理由を聞かれたり、

「確かになんでやろう？」って

自分でもいろいろ理由を考えたりしますよね。

理由が必要な大きな理由は多分、

人に理解してほしいから。受け入れてほしいから。

人に理解されないって結構つらいんで。

じゃあ、「行動」と「その理由」って、

理由が先に来ることはほとんどなくて。

なにか行動しようと思ったその瞬間って、

「これめっちゃ面白そう！」

「考えるとニヤけてまう」

「わくわくする！」

「これやってみたい！」

みたいな、

理屈では到底説明がつかない、ひらめきのような感覚

が最初だと思うんですよね。

で、それを周りに説明するときに「理由」が必要で、

いろんな要素を引っ張り出して肉付けしていく。

今回の僕の場合、

「ここに住みそう、てか住む」

ていう感覚が最初にきて、そのあと理由として

「景色がきれい」「食べ物がおいしい」「水がきれい」「人が好き」

とか、いろいろ出てきます。

もちろん、その理由はどれも自分の感じている真実で間違いありませんが、

一番最初のスタートは

”ピンときた”

事じゃないかと。直感ともいうべきか。

それが何より行動の原動力になる気がしてて。

自分の中の紛れもないメッセージだと思うんですよ。

「おーい、これやぞー！」って心が叫んでる。

で、年齢を重ねていくとともに、

「行動」→「理由」の順番が逆になる時が増えてくるんじゃないかと。

子どもの時はほとんど「やりたいからやる」

みたいなところがスタートになると思うんですが、

大人になってくると理由を元手に→行動する　

機会が増えるような気がします。

多分仕事も生活も「やらなくちゃいけない」ことが多い気がするから。

そんな順番なんてごちゃごちゃ考える必要はないんですが、

自分のひらめきや直感、”ピンとくる”感覚は

日々大事にしておきたいと思う今日この頃です。

自分の心が楽しい！と思う方向へ向かって。

「なぜそれをするの？」

「わくわくするから！」

今日もよい一日を！