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マインドフル・ワークのすべて

マインドフルネス瞑想という言い方が一般的ですが、私はより多くの人に受け入れていただけるよう、マインドフル・ワークと呼んでいます。また、マインドフルネス瞑想のやり方を解説している記事や動画も多数ありますが、noteレコメンド機能でより多くの人に届くように、私がふだんお伝えしている口調で、テキストに書き起こしました。

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マインドフルネスとは

まず、マインドフルネスとはの定義ですが、いろいろあります。
仏教のお坊さんがやるマインドフルネスもありますし、メンタルヘルス予防で医療従事者がやるマインドフルネスもあります。

ここでは、ビジネスで受け入れられやすいスタンダードな定義として、ご説明します。

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「意図をもって、評価・判断することなく、今、この瞬間に注意を向けた状態」です。最近は、マインドフルネスするという動詞もあれば、マインドフル的な人という形容詞の使い方もありますが、状態を表す言葉として認識しておけると応用がききます。

2行の文章をぱっと聞いただけでは、んん?、どういうこと?となりますが、ここには3つの要素が含まれています。

・1つ目は、意図をもって(intentional)
 さあ、やろうと思ってということです。

・2つ目は、評価・判断することなく(no judgement)
 できた/できなかったとか、いい/わるいとかではなく、評価・判断しなくていい、評価判断しそうになったら置いておきましょう、ということです。

・3つ目は、この瞬間に注意を向ける(attention)
 過去とか未来とか注意はそれがちですが、今の瞬間、今の瞬間、です。

クリスマスシーズンでよくみかけるスノードームがメタファーとして分かりやすいので、ここでも引用して説明してみます。

手にもってシャカシャカすると雪が舞います、手にもったまま、しばらく置いておくと雪は沈下します。なんとなくイメージできるでしょうか。

わりと誤解されがちなのですが、雪が舞っているのがダメで、雪がないのがいいわけではありません。スノードームを手にもって雪がどういう状態か、客観的に俯瞰的に観察しようとすることがメタ認知であり、マインドフルネスのいろいろなワークを通じて、鍛えることができるというのが最重要ポイントです。

繰り返していいますが、雪があるのがマインドレスで、雪がないのがマインドフルであるわけではありません。もし、スノードーム中の恐竜さんの視点になってしまって、雪の状況がわからないくらいホワイトアウト状態になってしまったら、まあまあちょっと落ち着いてみましょうよ、しばらくすればクリアになってきますよ、ということです。

定義の2行をそのまま丸暗記してほしいわけでもありません。ご自身にとって、マインドフルネスってこういうもんだなと実感するとともに、身近な人から、マインドフルネスって何なの?と聞かれたときに、自分の言葉で伝えられることを大切にしてほしいと思っています。

以前、日経COMEMOにて、「あなたにとって「マインドフルネス」とは?」というテーマ企画がありました。

マインドフル・ワークのやり方1:サイクル

次に、マインドフル・ワークのやり方について、2段階で説明します。

1段階目は、サイクルについて
2段階目は、姿勢について
です。

マインドフル・ワークは、このサイクルで説明されることが多いです。

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①呼吸に注意を向ける

マインドフルネスの定義に立ち戻ると、「意図をもって、評価判断することなく、いまこの瞬間に注意を向ける」ことですが、いまこの瞬間に注意を向けるときに、何かしら注意を向ける的、目印があるとやりやすいです。

ふだんは無意識で自律神経がやってくれちゃっている呼吸に対して、意識的に注意を向けてみようということです。

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呼吸に注意を向けるとは、どういうことかというと、これは人それぞれにやり方があるんだと思います。

例えば、
・息を吸って、息を吐いてという、呼吸の動作に注意を向けたり
・空気が鼻から入って、肺を通って、口から出ていくという、空気の流れ、循環に注意を向けたり
・胸やお腹のへっこみ、縮みなど、身体の伸縮に注意を向けたり

など、いろいろあっていいんです。

こういう風に呼吸に注意を向けるべし。という決まりきったお作法は、とくにありません。このあたりがだいぶアバウトで、ゆるいです。そのゆるさが、受け入れやすさにもつながっているかもしれません。

ご自身にとって、何となくでいいので、呼吸に注意を向けるのはこんな感じかな?と軽く注意が向けばOKです。


②注意がそれる、雑念がわく

呼吸に注意を向けた、その数秒後には、誰もが、間違えなく、呼吸じゃないことに注意がそれる、雑念がわくという状態になります。

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「そういえば、さっきのメールに返信しなきゃ」とか「今週末こそ、スターウォーズ観たいな」とか、「つかれたー、おなかすいたー、ねむいー」とか、いろいろ出てきます。

マインドフル・ワークで、無になることが目的ではありませんし、雑念がでてしまうのは、わるいことではありません。そういう評価・判断はしなくていいですよです。


③注意がそれたことに気づく

注意がそれたことに気づく、雑念わいていることに気づく、このポイントが、スノードームの例で話をしたメタ認知であり、気づければOKです。

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気づければ、扱うことができますが、気づかなければ、扱うことできません。

雑念にとわわれるのではなく、「あ、そういえば、いまは呼吸に注意を向ける時間だったな」と思い出して、いまは、雑念はおいておく。

雑念のおいておき方も、人それぞれあるんだと思います。

・いったん脇においておいてと、荷物を横におく感じとか、
・吐く息とともに、ふーっと吐き出す感じとか、
・雑念をていねいに包んでおくとか、
何となく、自分でやりやすいのを見つけていく感覚です。


④それた注意を呼吸に戻す、雑念を手放す

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そして、それた注意を呼吸に戻す、雑念を手放して、呼吸に注意を向ける。このサイクルで繰り返します。

呼吸に注意を戻すときにも、「戻さなきゃいけない!、戻すべし!」と思わず、「そういえば、戻しておこうか」程度で、大丈夫です。

もっとざっくりにいうとと、
・注意をむける、それたら、戻す
・注意をむける、それたら、戻す
・注意をむける、それたら、戻す

です。


マインドフル・ワークのやり方2:姿勢

自然に呼吸をしやすい姿勢をつくっていきます。
イスに座ってでも、胡坐をかいていても、どちらでも大丈夫です。

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まずは、足元から安定感ある姿勢をつくりますが、イスに座っている場合は、足の裏が地面にぺたっとくっついている感じ、女性でヒールを履いている方も、ぺたっとできるでしょうか。

次に、ひざを90度くらいに曲げて、おしりを、イスの座面でフィットする感じ、背もたれに寄り掛かることなく、どしっと座ります。

背筋はぴっと、まっすぐにして、肩を2、3回ぐるぐるまわします。背中が前のめりすぎず、反りすぎず、負担ないように、すとんと腕をおろして、ひざの上にかるく手をのせていきます。

ひざの上の手は手のひらでも、手の甲でも、どちらでも大丈夫です。とくに、印とか結ばなくてもいいです。

首もぐるぐるまわしていきます。首、肩が凝っているかたも多いでしょうが、頭がおさまりがよさそうなところを探していきます。

目は閉じてもいいですし、開けてもいいです。開けていると、雑念が入りやすくなるのでしたら、かるく瞼を閉じる程度でいいかもしれません。

呼吸も鼻から吸って、口から吐くのがいいらしいですが、鼻が詰まっていたり、喉が痛かったりもありますので、どちらでもお好きな感じで。

これで姿勢も整いました。

せっかくですから、みなさんといっしょにやってみましょうか。ご準備よろしいでしょうか。さあ、10分間やってみましょう。

※ご参考までに、MiLIの10分間マインドフルネス瞑想の動画を貼り付けてみました


マインドフル・ワークの補足

この10分間は、みなさんにとって、いかがでしたか?

どういう時間を過ごしたか、何を感じて、何を体験したのか。
ワークをやる10分前、ワークをやった10分後で、何か変化はあったか、なかったか、少しだけでも振り返ってみてください。

おそらく、ほとんどの人は、この10分間だけでは、何となく分かるような、分からないような感覚なんだろうと思います。私も最初はそうでした。

メタ認知の筋力がほとんどない状態で、いきなりやれといわれて、とりあえずやりましたというだけですから。

この10分間のような時間を、ある程度の時間数を繰り返し、重ねていくと、注意がそれることがなくなる、雑念がわかなくなる、というわけではありません。どんなに修行したお坊さんでも、雑念はわいてしまうものです。雑念がわいてしまうものが、人間だものです。しかし、注意がそれたことに気づける、メタ認知力が、ぐぐぐっと高まります。

メタ認知があがるタイミングも個人差があります。いきなり、この10分間でキター!という人もいれば、10時間やってもこない人もいます。正比例的にスキルアップするものではなく、階段的にいきなりぐっと上がるイメージです。

マインドフル・ワークは、いつでも、どこでもできます。毎日10分間やれたことにこしたことはないですが、日常の習慣にするのはホントにたいへんです。ほんの数分のスキマ時間を累積することでもできます。

メタ認知の実感がともなうまで、とりあえずJust do itでやってみましょう。だって、呼吸はいつもしているもので、かるく意識を向けるだけですから。

・注意をむける、それたら、戻す
・注意をむける、それたら、戻す
・注意をむける、それたら、戻す
・注意をむける、それたら、戻す


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