『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のお料理
『街とその不確かな壁』は、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の高い壁に囲まれた街と同じような世界があります。『世界の終わり』は、壁の内側でお料理は、質素ですが『ハードボイルドワンダーランド』はお料理がたくさんあります。
老人の孫娘が作ったサンドウィッチ
キュウリとハムとチーズのサンドウィッチ
サワークリームとワインビネガーの酸味、フェンネルの爽やかさ。キュウリが一番のお気に入りだけど、鶏ハムも柔らかく、チーズとカイワレ大根のピリッとした感じもいい。
孫娘が作ったものと違うけど、美味しい。
図書館の女の子を待つあいだに『私』が作った簡単な夕食
鰯と油揚げと山芋のフライ
鰯は、梅干しと紫蘇。油揚げのフライははじめてだけどかりっとして美味しかった。鰯は、ふっくらできました。
セロリと牛肉の煮物
すき焼き風の甘辛さに、セロリの苦味、相性のいい組み合わせです。
みょうがのおひたたし・いんげんのごま和え・厚あげ
図書館の女の子は、胃拡張でこのあと、ご飯と梅干しとわかめとねぎのみそ汁も食べ、フランクフルト・ソーセージを炒めたものと、ポテトサラダにわかめとツナをまぜたもの、チョコレート・ケーキも食べました。
世界の終わる日の朝、図書館の女の子の台所で作ったストラスブルグ・ソーセージのトマト煮込み
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は、1985年に出版されているから村上春樹さんは、35,6歳。勢いがあって、音楽もお料理もたくさん!!80年代のあの感じ。わたしは、20代で傲慢で遊ぶことしか考えてなくって。この本を読んだときも、おもしろい!おしゃれ!食べたい!と思ったけど作りたい!とは思わなかったな。
小説の中のお料理を楽しめる今が好き。きっと村上春樹さんも今だから、『街とその不確かな壁』なんだろうな。
わたしは、今20代でないし、村上春樹さんも30代ではない。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は、ミュージシャン、歌手を含めて、音楽が50ぐらい流れてます。
モーツァルト、アイルランド民謡、マイルス・デイヴィス、ボブ・マリー、チャリー・パーカー‥‥。
『私』が晴海埠頭で聞いたボブ・ディラン。
風は、向かい風や追い風もあります。その時々によって立場によって答えは変わります。
答えは、ひとつでない。
答えは、わからない。
だけど、前に進む、しゃがれた声が語ってます。
参考文献