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【ビジネス書感想】映画を早送りで観る人たち

nicoと申します。

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書誌情報

書名:映画を早送りで観る人たち

副題:ファスト映画・ネタバレーコンテンツ消費の現在形

著者:稲田豊史

ページ数:304ページ

出版社:光文社

発行日:2022年4月30日

ISBN: 978-4-334-04600-2

本の概要

現代社会のパンドラの箱を開ける!
なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか? いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか? あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。

光文社HPより

手に取った動機

教育の世界ではマイクロラーニングということが盛んに言われており、コンテンツは短く、少なくとなっています。そんななかでも1.5倍、2倍で視聴したいという要望が強くあります。
どこまで応えればよいのかのヒントとならないかと思い読んでみました。

目次

序章 大いなる違和感
第1章 早送りする人たち
――鑑賞から消費へ
第2章 セリフで全部説明してほしい人たち
――みんなに優しいオープンワールド
第3章 失敗したくない人たち
――個性の呪縛と「タイパ」至上主義
第4章 好きなものを貶されたくない人たち
――「快適主義」という怪物
第5章 無関心なお客様たち
――技術進化の行き着いた先
おわりに

感想

新卒者の研修を担当していて、失敗したくない、外したことを言いたくないという意識は年々強く感じます。
無記名で投稿ができる仕組みだと、ものすごく活発に率直な意見が出てきます。
しかしそのことと、動画を早送りで観ることがつながっているとは思いませんでした。

本書を読んで、まさに「消費」という表現がぴったりな観方なのだと感じました。
何もかも知っていなくてはならないと思わされるのはすごい呪縛ですね。
苦しくなっちゃいそうだなあ。

「個性」「オンリーワン」と言っていながら、本書に出てくるようなコンテンツの消費法って実際にはどんどん全体が同じになる仕組みだと思うのですよね。

だとしたら自分は観なくてもいいじゃん、人が知らないところに逆張りしたいと考えてしまう私はオールドタイプなオタク気質なんでしょうね…。

正直なところ理解はし難いし、うっすらと恐怖を感じますが、若い人にはこのような考え方が増えていると知っておくことは非常に大事だと思いました。読んでよかったです。

お読みいただきありがとうございました。
ではでは。

【今日の筋トレ】
おやすみ。

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