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【ビジネス書感想】「能力」の生きづらさをほぐす

nicoと申します。

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書誌情報

書名:「能力」の生きづらさをほぐす

副題:なし

著者:勅使河原真衣

ページ数:264ページ

出版社:どく社

発行日:2022年12月25日

ISBN: 978-4-910534-02-2

本の概要

日本を代表する企業の人材採用・評価・育成をはじめとした組織開発を専門に活躍する勅使川原真衣氏が、実体験をもとに他者と生きる知恵を示す初の著書を刊行。

勅使川原氏は、BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム出身。ガン闘病をきっかけに、自身が専門とする人材の能力評価や能力開発を謳う商品が「個人を生かすどころか、追い詰めている」と確信します。

本書では、社会矛盾を可視化する教育社会学の視点を交えて、その実態をときほぐし、他者と生きる知恵を模索します。執筆には、人類学者の磯野真穂氏が伴走。子どもたちとの対話形式で、不気味に広がる「能力社会」の危うさに警鐘を鳴らします。

「行きすぎた能力社会じゃ、幼い子どもを残して死にきれない!」

著者は、企業をはじめ、学校や病院、スポーツチーム、ときには家族に寄り添いながら、人と人とのより良い関係性づくりに尽力してきました。能力主義社会の広がりが、人間関係の息苦しさを生んでいると指摘します。本書の設定は、15年後。急降下した上司の評価で病める息子を救うため、あの世からやってきた著者(母)が、子どもたちと対話しながら“他者と生きる知恵”を示します。

版元ドットコム 版元より一言

手に取った動機

著者が若くしてがん闘病中であり、自分の子どもたちに幽霊の自分が語りかけるという構成にまず興味を引かれました。
また、私の仕事である社員教育でも能力はキーワードであるため読んでみたいと思いました。

目次

はじめに
プロローグ 母さん、僕は仕事のできない、能力のないやつですか? 
第1話 能力の乱高下
第2話 能力の化けの皮剝がし―教育社会学ことはじめ
第3話 不穏な「求める能力」―尖るのを止めた大学
第4話 能力の泥沼―誰も知らない本当の私
第5話 求ム、能力屋さん―人材開発業界の価値
第6話 爆売れ・リーダーシップ―「能力」が売れるカラクリ①
第7話 止まらぬ進化と深化―「能力」が売れるカラクリ②
第8話 問題はあなたのメンタル―能力開発の行き着く先
第9話 葛藤をなくさない―母から子へ
エピローグ 母さん、ふつうでない私は幸せになれますか?
伴走者からの言葉 磯野真穂
おわりに

感想

私は業務遂行に必要な「能力」を得るための学習コンテンツと学びの仕組みを企画しています。
でも最近、スキル・知識と能力が混ざって論じられていることや、持っているスキルと知識が例え同じであったとしても発揮される力は異なるなど、考えなければならないことがさまざまあると感じています。
本書によって「能力」が人それぞれの持つイメージによったり、状況・場面によって変わるあやふやなものであることがわかり、考える手がかりを得られたように思います。

傍に置きながら引き続き考えていきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。
ではでは。

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