私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。
人生の様々な段階で受け取る
贈り物を通じて、人間関係の
機微や成長の瞬間を描いた心
温まる短編集『Presents』を
読みました。
Presents
角田光代 (著),
松尾たいこ (イラスト)
1. 名前
生まれてすぐに受け取る最初
の贈り物、「名前」。
両親の願いと愛情が込められ
たこの贈り物は、人生の羅針
盤となります。
主人公が自分の名前の由来を
知り、そこに込められた思い
を理解していく過程は、心に
深く響きます。
名前という形のない贈り物が、
アイデンティティの形成に果
たす重要な役割を感じずには
いられません。
2. ランドセル
幼い主人公にとって、ランド
セルは大人への第一歩を象徴
する存在です。
最初は大きすぎて戸惑いなが
らも、やがてそれが自分の成
長の証となっていく様子が、
読者の胸を熱くします。
大人になった主人公が昔のラ
ンドセルを見つけ、その小さ
さに驚く場面は、時の流れと
自身の成長を実感させる感動
的な瞬間です。
3. 初キス
青春の輝かしい瞬間を切り取
った「初キス」の章。
純粋で不器用な思春期の恋心
が、繊細に描かれています。
初めての恋の甘さと切なさが、
読者の記憶を呼び覚まし、懐
かしさと共に心を揺さぶりま
す。
4. 鍋セット
新生活の始まりを象徴する「
鍋セット」。
一人暮らしを始める主人公の
不安と期待が交錯する様子が、
リアルに描かれています。
家族から離れ、自立への一歩
を踏み出す瞬間の複雑な感情
が、共感を呼びます。
5. うに煎餅
予想外の贈り物「うに煎餅」
を通じて、人生の不確実性と
予期せぬ喜びが描かれていま
す。
思いがけない出来事が、時と
して人生を豊かにすることを
教えてくれる、心温まるエピ
ソードです。
6. 合鍵
信頼と親密さの象徴である「
合鍵」。
この章では、関係性の深まり
と、それに伴う責任や不安が
繊細に描かれています。
心を開くことの勇気と、相手
を受け入れることの大切さを
感じさせる、感動的な物語で
す。
7. ヴェール
人生の大きな節目である結婚
式。
「ヴェール」を通して、新た
な人生の始まりへの期待と不
安、そして過去との別れが描
かれています。
友情の深さと、人生の転換点
における感情の揺れが、心に
深く刻まれます。
8. 記憶
形のない贈り物「記憶」。
大切な人との思い出が、人生
を豊かにし、支えとなること
が描かれています。
時に苦しいものでさえ、記憶
が人を成長させ、前に進む力
を与えることを教えてくれる
感動的な章です。
9. 絵
子どもからの無邪気な贈り物
「絵」。
純粋な愛情と表現力が詰まっ
た一枚の絵が、大人の心を癒
し、生きる力を与える様子が
描かれています。
何気ない日常の中に隠れた幸
せを感じさせる、心温まるエ
ピソードです。
10. 料理
愛情を込めて作られた「料理
」。
この章では、食を通じて伝わ
る思いやりと、共に過ごす時
間の大切さが描かれています。
日々の小さな幸せが、いかに
人生を豊かにするかを教えて
くれる、味わい深い物語です。
11. ぬいぐるみ
心の支えとなる「ぬいぐるみ
」。
この章では、物に込められた
思い出と愛情が、人を癒し、
勇気づける力を持つことが描
かれています。
形あるものを通して伝わる無
形の温もりが、心を優しく包
み込みます。
12. 涙
最後の贈り物「涙」。
人生の終わりに際して流され
る涙には、悲しみだけでなく、
感謝と愛情が込められていま
す。
一生涯を通じて受け取った様
々な贈り物の集大成として、
この章は心に深い感動を与え
ます。
_____
角田光代さんの繊細な筆致が
紡ぎ出す12の物語は、人生の
様々な瞬間に受け取る贈り物
の意味を深く考えさせ、心に
温かな余韻を残します。
この作品を通じて、日々の生
活の中にある小さな幸せと、
人とのつながりの大切さを再
認識させられました。
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