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小さいことを忘れてしまう|1月7日(日)〜1月12日(土)

1月7日(日)

とても寒い。まだ3連休の中間だというのに、正月から連続して全員休んでいるので、やることがない。先日行きそびれていた、あぐりパーク竜王に行く。小さいがポニーやひつじがいて、エサやりなどできるのが楽しい。

小さなマルシェ的なものをやっていて、簡単なワークショップや手づくりのアクセサリーなどの露店が並んでいた。娘①は、ビーズを選んでヘアピンをつくるワークショップをやりたいという。お値段500円。この手のものは、何度もやっているが、なににもならないわりに高い。なににもならない、というのは、わたしの主観だが。アクセサリー好きの娘は、すでに30個は指輪を持っているが、それでもこういうものを見ると反射的に欲しいと思ってしまうらしい。100円の指輪ひとつなら買ってあげるから諦めて、と交渉。娘①は爆泣き。指輪もゲットした上に、まだやりたいと言ってきかなかった。世間はワークショップ戦国時代すぎて、保護者としては辛い。

1月8日(月・祝)

今日も娘②は何度も繰り返し起きて、とくに5、6時ころから泣きもひどいので、寝たいとぐずるだけ寝かせていたら、10時をまわっていた。起きた娘を抱えてリビングに行くと、雪が積もっているという夫。ベランダからのぞくと、車の屋根が白くなっていた。

北部はもっと積もっているはずだ。車に乗って、高島のほうへ行くことにする。道中、白ひげ食堂で昼食。女性たちのテキパキとした働きも美しいし(おでんの計算はそろばんでやっていた)、名物の豚汁も美味しい。わたしが冬にマルシェに出品するなら、ワークショップなんて絶対せずに豚汁を売る。

高島に向かう道はおよそ1年ぶりに走ったが、暮らしているところと全然違う雰囲気で楽しい。冬に来ると、どこか北欧のようでもある。道中、大きな信楽焼のたぬきが立っていて、こんなのあったかな? と思う。そしてこれを記録しているいま(1月9日)、村井理子さんの「ある翻訳家の取り憑かれた日常」を読んでいると「2023/12/10 日曜日」の日記に、同じと思われるたぬきが出ているではないか。村井さんは、数少ない滋賀の日常を書いてくれる書き手なので、読むたびに知っている場所が出てきて楽しい。

話がずれた。

豪雪地に住んでいたから、子どものころ、冬はほとんど雪遊びの季節だった。傾斜があればどこでもソリ遊びができたし、スノボやスキーは県民全員が体験していると思う。吹雪のなか学校に通う寒さはもう耐え難いけど、どこまでも白むようなあの景色を、時々懐かしく思う。雪遊びをしようっていうのに、娘はもちろん、わたしも適したアイテムが一切ないことにも驚いた。雪の降らない地域に暮らしてからの時間が、だいぶ長くなってしまった。
行きがけにしまむらに寄って、娘①の手袋などを買う。ヒールのあるブーツしか持っていなかったので、ぺたんこのブーツを1足買ったら、夫が「えっしまむらでブーツ買うんや……」とドン引きしていた。しまむらに謝れ。足の大きなわたしからすると、4Lまでサイズを揃えるしまむらは神なんだ。続いてセカンドストリートにソリを調達しに行った夫が、そこで知人に遭遇したという。このあたりより朽木のほうが雪があると聞いたので、さらに北上。球場がいい雪遊びスポットになっていて、ソリをしたり雪を投げたりした。わたしはしまむらのブーツで、5回ほど転けた。

あまりに体が冷えたので、そのまま隣接する温泉に交代で入った。わたしはおよそ5ヶ月ぶりの大浴場。娘①と久々にふたりで、彼女も嬉しそうだった。ママと一緒にお風呂に入りたいけど、パパと温泉(男湯)に入れるのももうすぐで終わりだから、パパとできる限り入ろうと思うなど、大人びたことを言っていた。

1月9日(火)

娘②の眠り状況がよくなく、眠気と一緒に一日をスタート。夜はなかなか寝ないが、日中はセルフで寝られるようになり、眠りポーズをとるとすっと寝てしまうので楽。
合間に仕事。と言っても、今日はそんなにない。娘②も落ち着いてきているので、もう少し仕事を増やしていきたいな……とネットで情報を見る。完全在宅のライター業を見ていると「30分ほどのインタビューを聞いて文字起こし、指定文字数にまとめた原稿を納品して1本2,000円」や「文字単価0,5円のお仕事です☆」など、暮らせなくない? という案件ばかり。この手のライティングに手を出したことがないけど、普段の仕事よりずっと安い。数をこなせばそれなりに増えるのだろうけど、「早く書く」って、わたしにはないスキル……。結局は、顔見知りだからもらえている金額なのだよなあ、などと改めて思う。

1月10日(水)

連日のことだが寝不足だ。21時には寝る娘②だが、朝8時ごろまで4、5回は起きる。どうにかならないものか。
それでも、親指を発見してから、吸って自分で眠れるようになってきた。わあわあわあと大きく泣くのは眠いとき。赤子の成長は面白い。少しずつわかるようになってくるのも、またいい。

一人目の子どもを産むまで、赤ちゃんのことをまったく知らなかった。しばらく視力がほとんどないこと、子によっては2、3日は目を開けないこと。指で手をつつけばぎゅっとにぎる、というのは体験したことがあるが、本人に手や足を動かす意思がないことも初めて知った。もっと言うと、生まれたての便は海苔の佃煮のように真っ黒だとか、女児の場合は生理があるとか、驚くことばかりだった。二人目だから、いまはそこまで発見はないが、子によって違う個性は日々面白く眺めている。昨晩なんて、入浴後眠気に耐えきれず、床で勝手に寝てしまっていた。娘①では見たことがない。

それでも共通するのは、うちの娘たちは寝るのが苦手だということ。娘②は何度も何度も目が覚めては泣き、しまいには2時ごろからまったく眠れなくなってしまった。すっと入眠はできるが、10分、20分ともたない。都度起きてオムツはパンパンになってないか、お腹が空いてないか確認していると、とてもじゃないけどわたしも眠れない。5時、夫にLINE。泣き声で目が覚めたのか起きてきて、6時半には代わってもらう。
娘①と寝てきたら? と言われるが、脳がフル回転してしまって眠れそうにない。布団に横たわっても眠れない辛さがわたしを襲う。ボロボロと涙が出る。でも、座っていてもしょうがないし、夫の部屋に行き娘①が寝ている布団に潜り込む。いきなり足で蹴られて、一人になりたいと心底思った。
それでも気づくと1時間ぐらい、気を失うように寝ていた。

1月11日(木)

娘①を保育園に送ってから、夫は東京へ行った。誘われたが経済的にきついので断った。行きたいところは山ほどあったのだが。
夫がいない日、娘②はものすごくぐずっているか、機嫌よく一人で過ごしてくれるかのどちらかだ。極端な2つしかなくて、ロシアンルーレットにしても博打度が高い。今日は後者だったようで、ほとんど一人で勝手に寝た。かなり悩みながら、ラフ切り。合間にウェブの仕事。

午後からオンライン打ち合わせ。急遽、編集長と一騎打ちになった。寝ている娘②がいつ起きて泣くかハラハラ。終盤に起きてきて、膝に抱きながら話す。つつがなく終わり終わり一安心。今後の企画の話をすこし聞き、それならばと「滋賀でもぜひやってください」と言う。俺は滋賀のなんなのか。もうすぐ市長選。

1月12日(金)

夫が家にいないのだから、ひとりで娘二人を見なくてはいけない。いつもなら、夫+娘①が彼の部屋で、わたし+娘②がわたしの部屋で寝るのだが、今日はマットを持ってきて、3人で寝る。いつもダブルサイズのマットを使っているので、広さ的には3人横たわれるのだけど、娘①の寝相を考えると、範囲は広い方がいい。
娘①は「ママと一緒に寝れる!」と、この日を楽しみにしていた。切なくなる。できる限りやさしく、娘①に時間をたっぷり割いてあげたいと思った。それでも眠るのがうまくない3ヶ月、娘②が寝ないにはどうにもできない。
入浴後、娘①はリビングで待っていてもらい、先に娘②の寝かしつけ。案外あっさりと寝て、20分ほどで済んだ。部屋を出ると、すでに力尽きて寝ている娘①。そのまま布団に連れて行けると楽だが、歯磨きもしていないし、トイレも行かないとおねしょも心配。なんとか起こすと、すぐに寝ると言うので、歯磨きだけして、念のためおむつに履き替えさせた。万が一おねしょしてしまった場合、ちょっとたいへんすぎる。

娘①にくっついていると、再びすぐに寝てしまった。布団から一度出て、わたしも寝る支度。当たり前だが娘②の寝ているマットのほうが広く空いているので、そちらに入り込む。夫とLINEしながら、1時間ほどゴロゴロ。うまく眠れない。
0時すぎに娘②が起きて、授乳。すぐに寝たが1時ごろに布団からはみ出していた娘①が起きてきて、こちらの布団に入ろうとしていた。娘②が寝たばかりなので、布団を動かして起こされると困る! と思い、そっちにいて! と言うと、娘①は号泣。その声を聞いて、娘②も泣き出してしまった。ああもう嫌! 眠りが浅いパターンに入ると、娘②はまったく眠れなくなってしまう。絶望と苛立ち。娘①がかわいそうだと思いつつも、イライラとした気持ちが収まらない。
「静かにして」と頼むと娘①は泣くのをやめてくれたが、寝ていたのに起こされた娘②はブチギレ。1時間ほどしか経っていないけど、どうにも落ち着かないので再度授乳。娘①は寝付けないようだったので、今度は彼女のほうの布団に入って体をくっつけた。ひさしぶりに互いのほっぺを合わせて目をつむる。心から申し訳ないという気持ちと、娘①とこんなふうに眠れるのは、もしかしたら今日が最後かもしれないのにという悲しみが湧く。彼女もまもなく小学生。就学したら一人で寝たいと言っていた。大人のように一人前だけど、まだとても小さい。そのことを忘れかけている。

結局、娘②が繰り返し落ち着かないので、そちらに朝までつきっきり。7時半ごろ、娘①は一人起きて、ヒーターをつけてアマプラでアニメを見ている音がした。娘②は6時半ごろに起きたところだったからもう少し寝かせようと、わたしは8時まで付き添った。


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