見出し画像

#18ベトナム賃貸物件|キーマンはジュース売りのおばさんだった


■このマガジンについて


ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■ベトナム人のおばさんは頼りになる


画像1

ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
ここはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

老築化が進み、ベトナム政府から取り壊しの書面が出ているのを知りながら、私はここでお店を作ることを決めた。


その日、私達はアパートで嬉しい情報を手に入れる。
それは、サロンオープンを色々手伝ってくれているTang(タン)くんと敷地の採寸に行った日だった。

私はアパートに着いたら必ずジュースを買う。
なぜならジュース売りのおばさんが、アパートの空き物件のことを教えてくれ、無事に契約が出来たからだ。


私:xin chao Chi !(姉さん、こんにちは!)

おばさん:xin chao ban!(こんにちは)

私:ジュース2つください。この前教えてくれた9階の物件、無事に契約できました。ありがとう。

おばさん:それは良かった。実はね、隣も空くのよ。ちょうど今なら、部屋にオーナーがいるよ。寄ってみたら?

私・タン:!!!まーじーでー!!!今すぐ行く!

さすがおばさん。やっぱり彼女が持ってる情報は鮮度もいい!

私からすると、お金を払ってでもほしい情報を、彼女はジュース1本買うだけで教えてくれる。

うまく情報を手に入れるには、ベトナム人のおばさんと仲良くするのが一番の近道かもしれない......


■いろいろ前に進みだした


「今すぐ9階に行って、確認しよう!」私達は部屋まで走って向かった。

画像5

タン:ここかな?扉は閉まっているけど、鍵は開いているみたい。

私:うん。扉を開けてみよう。(ドキドキ)

タン:xin chao(こんにちは)少しお話をいいですか?

男の人の声:どうぞー。

画像2

【【【 中に人が居るようだ!!入ってみよう】】】


おそるおそる扉を開けると、おじさんとおばさんが、部屋の中で掃除をしていた。

画像4

中にいたのは、Hai(ハイ)さんご夫婦。
仕事場が転勤になったので引っ越しして、最後の荷物を取りに来ていたところだった。

タン:ジュース売りのおばさんから、ここは空物件になるって聞いて急いで来ました。

ハイ:そうですか、彼女とは仲が良くてね。引っ越しする時、ちょこっと相談していたんだよ。

タン:どうして引っ越しするんですか?

ハイ:新しい職場まで遠いからだよ。ここは今後、親戚が住む予定で話を進めているところだよ。

タン:そうなんですね。ここはちなみにいくらで貸す予定ですか?

ハイ:そうだな。6,000,000vnd(約30,000円)を考えてるよ。

私が部屋の写真を撮っている間に、単刀直入にどんどん話を進めるタンくん。

画像5

そして、タンくんは興奮した顔で私にこう言った。

タン:優ちゃん、これはニュースです!!

私:ん?どうした??

タン:ここの家賃はめちゃくちゃ安い!!
契約する部屋の隣だし、これはここも借りる運命だhaha!!

私:えええ!ここ本当にその家賃で借りれるの!?
タンくん、今すぐキープしたいって言って!

ハイさんが親戚に貸す予定だと言っているのを無視し、私達は「この部屋が気に入ったから今すぐキープしたいんです!!!」と前のめりで迫った。

いきなり日本人が来て「物件キープさせて!」と迫られるハイさん。
私たちの勢いに引いただろうな......(ハイさん、ずっと棒立ちだしさ)

画像6

ハイ:借りたいのはあなた?

私:はい。そうです。お店をつくりたいんです。私は今、隣の部屋のオーナーと契約を進めています。ハイさんの物件も気に入ったんですっっ。

ハイ:あなたは日本人だね。僕は日本が好きなんだ。
親戚に話してOKだったら、あなたに貸してあげてもいいよ。

【【【 うおぉお。やったー!! 】】】

いままで半年以上もテナント物件が決まらず振り回されてきたのに、このタイミングで良い部屋に出会える確率がぐっと上がった。

そしてなにより嬉しいのが...2物件足しても予算内に収まるぅ!

私:タンくん、ここの物件は手頃だし気に入ったけど、隣より狭いね。(1/2くらい?)

タン:そうだね。隣はテラスもあるから広いね。でも、ここも借りたら、気にしていたスタッフの休憩場所やトイレも作れるね。

私:そう、スタッフはちゃんと休憩スペースを作ってあげたいんだ。

タン:両方借りなよ。予算に収まるんでしょう?これは縁だから。


「縁かぁ」確かにそうだ。
いままで全然だめだったのに、急に条件の揃った物件がほぼ同時期に2つ現れたもの。

もし、ここも借りるなら...。と私が考えていた事
日本の商品を販売したい
(ベトナム人から、日本の物が好きだと良く言われていたから)

ハンドメイドレッスンをしたい(専門講師を呼び、色々な講座をしたい)

ネイルの部屋とは別に、トイレと休憩室を作りたい
(トイレ・食事の匂いをさせたくない。お客様の前で休憩させたくない)

ネイルの待ち時間の間、お客様が退屈しないようにしたい
(待ち時間に買い物できると楽しいのではないだろうか?)

日本から遠隔で経営するから、スタッフとテレビ電話ができるスペースがほしい

とにかくタンくん、部屋を採寸させてもらおう!

タン:優ちゃん、これくらい。

私:どんなもんかなー。って、なんでメジャーを使わないねん!(笑

画像7

ってのは、冗談で(笑
ちゃんとこの後、採寸しましたとさ。

画像8

画像9


今回インプットしたこと
・ジュース売りのおばさんは想像の上を行く情報通だった。
ベトナムでは必要としている情報に対し、全く関係なさそうな人が驚くようなナイス情報を持っている場合があることを確信した。

・日本人が好きだと言ってくれるベトナム人が思っている以上にいる。
(みんな親切にしてくれる、ありがたく受け取って大事にしよう)

・ベトナム人に「これいくら?」と聞くと、ためらうことなく答えてくれる。(関西人に近い感覚があるかもしれない...)

この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,011件

読んでくださってとっても嬉しいです! いただいたサポートは色々な発信ができるよう勉強に使わせていただきます。