見出し画像

【検証】自販機で売っている焼き芋は、美味しいのか


下の写真に仲間はずれがいるよ!探してみよう!


右側はnote担当のパノラマ撮影が下手すぎて生まれた空間の歪みだよ!気にしないでね!


ある日


note担当がいつも通り「職員室に急に暴漢が押し入ってきた場合、どうやって撃退するか」を腕組みしながら考えていると、15時になっていました。
(ちなみに最近は1mあるステンレス定規がいいかなと思っています。程よく重さがあって、剣みたいでカッコいいです。同級生は結婚したり子供を育てたりしています。よろしくお願いします。)

同世代のレールから外れている焦りからか、喉が乾いてきました。小銭を持ってエレベーターで4Fへ。ニチデの自販機は4F〜1Fの各階に設置されているため、その日の気分によってどれを飲もうかな、と値踏みしながら階下へ向かいます。

2F。
ニチデ自販機四天王の中でも「最安」を誇る自動販売機です。
オープンキャンパス参加者の皆さまからしても「驚安(きょうやす)」「狂安(きょうやす)」「恐安(きょうやす)」と評価を得ているそのポテンシャルの高さには目を見張るものがあります。



うんうん。安いね。何考えてるんですかね、逆に。
メーカーさん、いつもありがとうございます。職員も講師も学生も助かってます。本当に。

それにしても安いなあ。

80円、90円、90円、90円、90円…


800円…


うん…


800円…


何やってんだお前ェっ!!!


びっくりして五度見くらいしてしまいました。
学校で焼き芋が売っています。800円で。なんで!?!?!?

「自分、80円です」みたいな顔してますけど、それは通りませんよ。90,90,800っておしりが嘘みたい大きいスリーサイズみたいになってますもん。
その並びで800円は無理があるって。てか800円て!!!800円あったらスーパーでサツマイモ8本買って家で蒸して食べますよ。貧困に喘ぐ若者が多いとされている現代社会です。学校に800円の焼き芋があっても、一体誰が買うんでしょうか。





  \_______________________/
           
O
o

.


           ,--、、,,,,,,,,,,,,,,,,
             {::::::::}三三三ミミミ`、、
            >ー-"'" ⌒,,ィシヽミミiミミ 、
         /     三彡彡彡ィ`、ミミミ`、
        /      シ彡彡彡彡ノ'ヽミミミ`、
        ,'        ,三彡彡彡彡彡ソ,ー--'
          l    _ _ """'彡彡彡彡彡ノi
       {;、 ';;;='''"""`  彡彡彡 - 、ノノi
          kr) .ィェー   彡彡' r、ヽ}彡i
.        レ'  ..      シ彡' )ァ' /彡'
       {_,,,、 ;、      シ彡 ニンミミ{
        l         '''"::.   彡ミi
         ! ̄"`     ...:::::::: ノ""{
        l    .......:::::::::  /   \_
        `''ー- 、::::    /     /


・・・と言う話を職員室で報告するnote担当




「マジですか」「流石に嘘」「嘘すぎ」「注目を集めたいだけ」「かわいそう」
などと言ってくる職員を黙らせるため、撮った写真を見せるnote担当。

「「「「本当じゃないですか」」」」

本当だもの。

「なんで急に」「焼き芋…」「入ってるんですか?自販機に?」「『あったか〜い』?」「賞味期限とか大丈夫なのか」「味が気になる…」「確かに、味」「800円かぁ〜!!!」「800円…」「800円あったら普通にラーメン食べたいな」「経費で落ちませんか?」「落ちるわけないでしょ」「note担当さんブログのネタになるから買ってみたらいいんじゃないんですか?」「(歯茎をイーッてやって目をかっぴらいて威嚇するnote担当)」「誰か買わないかなあ」「誰か…」



「…俺、買ってみようかなあ」



ぶ、部長!?!?!?!?





「気になるしなあ」




1000円持って、部長!?!?!?!?





ポケットマネーで、部長!?!?!?!?






/ウ゛ェ~~~~\



/Pi\





































その日、僕たちは、電車に乗らず、車にも自転車にも乗らず、歩いて帰路についた。

それぞれが、思いっきり買い物をしたり、美味しいご飯を食べたりして、帰った。

note担当も、久々に歩いて帰ることにした。年に何回か、そういう日があってもいいなと思ったのだ。

街では、クリスマスソングが流れていた。
つついたら炸裂して種を飛ばす実を持つ花の名前はなんと言ったっけ、と考える。

カップルが手を繋いで目の前を歩いている。2人の繋いだ手は固く結ばれ、その一方で、指の腹でお互いの形を確かめ合うように、微かに探りあっているように見える。つついたら、いじらしく弾けてしまうのだろうか。掌の中には、どれだけあたたかな愛が詰まっているのだろうか。

ホウセンカだ。目の前にあるのは、今にも弾けそうなホウセンカの実である。
通さんか、と心の中にある右のウインカーをあげて、チッチッチと追い越す。舌打ちではない。

年末というだけで心が高揚する感覚は、頭皮と共に薄くなってしまったのだな、と加齢を感じる。周りが浮ついていると、なぜだか自分がみじめに思えてきて、いやだ。歩いて帰っても何にもいいことないじゃないか。
不安に追い付かれないように、足早に街を後にした。


冷たい風が頬を切る。電線はびゅおお、と鳴いている。

自宅まではあと少しだ。
吐く息は白く、口元から離れた途端に横に流され、あっという間に夜に溶けていく。手がかじかむ。吐く息で温める。冷ます時の「ふー」と温める時の「はぁー」の温度は一緒だとテレビで言っていたが、うそだと思う。

強い風が、一瞬やむ。
演奏会の終盤、最後の一小節に向けて刹那、振るうタクトを頭上で止める指揮者。そんな感じの、フィナーレを感じさせる凪。

思い切って空気を吸い込んでみる。

どこからか漂ってくる灯油の匂い。乾いた草の匂い。夕飯の支度をしている、しょっぱい醤油の匂い。

全部の匂いを吸い込んで、肺をいっぱいにする。

そして、思った。








次回は同じ自販機にあった、「ひとくちレアチーズケーキ」編でお会いしましょう。

それでは。




このあと、自販機のもうん…まあ…いいけど、他のも美味しいよね!といろんなところから購入した焼き芋でパーティーが始まりました。楽しい学校です。


(終わり)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?