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理不尽な保護者の対応は、即スクールロイヤーに頼みましょう

20代の女性講師が体育の授業中、2年の男子生徒が足に付けていたミサンガをほどき、生徒に手渡したことで問題になったことがネットのニュースに取り上げられていました。
このことで、学校は生徒と保護者に「行き過ぎた指導だった」と謝罪したようです。これに対し、保護者が「ミサンガが駄目という規則はあるのか」「足に触れたのはセクハラだ」などと主張し、女性講師の謝罪や学校全体への周知に加え、この生徒に関わらないよう学校と市教育委員会に求めたとのこと。

この対応でまず良くなかったのが謝罪をしたところです。

謝罪をするというのは学校が間違ったことをした場合です。
学校の決まりである「学習に関係の無い物は持ってこない」に反しているですから注意して当然じゃないでしょうか。謝るにしても女子講師が外したところでしょうが天地を揺るがすような問題ではありません。例えば、二人っきりで密室で外したのならまだしも、おそらく面前で外したのでしょうし、ミサンガを外した目的ははっきりしています。講師ですからこの辺に甘さはあるんでしょうが。明確にセクハラ目的に行ったとも思えません。

このこと以上に、もっとまずかったのが学年集会も開いて「女性講師に不適切な指導があった」と2年生全員に説明したところです。

「相手が間違ったことをしても、相手から責められたら、自分が謝ることになるんだ」という間違った学習を生徒にさせてしまっているのです。


おそらく、校長先生から「それはわかってるんだけど‥」という言葉が出てきそうです。

当然、保護者が学校に怒鳴り込んでくるでしょう。
そのときに、「ご心配をおかけたことについて、大変申し訳ありませんでした。」はもちろん言います。保護者に心配をかけたことには違いないわけですからここは謝ります。
そして、相手の言い分はもちろん聞きます。

ただし、ミサンガを外したことについては学校として指導すべきことであったと説明してわかってもらうしかありません。もし、ピアスを付けてきた子どもがいたらそれを認めるのですかという話になってしまいます。

保護者が自分の子どもが悪くなくて、学校側が全面的に悪いとなって一歩も引かないとなるとやっかいです。おそらく子どものために学校と家庭で協力して、いい方向に導けるように協力していこうとする話にもっていけないからです。

どう考えても学校に非があるとは思えないことについて、こうやってこじれる場合は、ためらわずに県教育委員会のスクールロイヤーに即依頼です。
市町村教育委員会は嫌がるかもしれません。なぜならば、資料を作ったり説明しにいったりするのが市町村教育委員会ですから。誰も面倒なことは嫌ですから。

しかし、校長としてここは折れてはいけません。「じゃあ、教育委員会でこの問題、何とかしてくれ!」とでも啖呵を切ってください。

こういうまっとうな考えでない親とは絶対にまともに戦ってはいけません。
校長、教頭先生を始め、先生方が疲弊してしまいます。
無毛な戦いからは逃げましょう。

「逃げるは恥だが役に立つ」


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