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読書|燃え殻「愛と忘却の日々」

単行本:216ページ
読了までにかかった時間:95分

「この世界ってさ、ロマンチックなことが少なすぎるんだよ」

……

そのときの僕はただぼんやり聞いていただけだったけれど、大雑把で心ない出来事を目にするたび、その言葉を思い出すようになった。

燃え殻「愛と忘却の日々」

連日流れてくるニュースで、未来ある若い人たちが意図してか知らずか「闇バイト」に人生を奪われ、何の罪もない方々が命や財産を奪われ、ごく普通の一般市民が対抗しようのない犯罪に怯え暮らさなくてはならなくなってしまったことに、今私が暮らすこの国に希望はあるのかなんて悲観的になりそうだったからか、気が付けば燃え殻さんの本を手に取っていた。そして、少し救われた気がする。

週刊新潮の人気連載のエッセイ集。どうってことないけれど、シンパシーを感じずにはいられないちょっとした出来事の数々が綴られていて、優しさと生きづらさを持ち合わせた燃え殻さんの、それでも生きていかないといけないんだという独り言を深夜ラジオで聴いているかのような、うまく言語化できていない心の中の白い靄を燃え殻さんに言葉にしてもらって読み聞かせてもらっているような本だった。


ちょっと小休止が必要かも、という方におすすめしたい一冊。


(余談ですが、たびたびエピソードに登場するBE:FIRST のLEO君がほんとにいい子そう。美味しそうにご飯を食べる子はいい子に違いない、という話は本当なんだと思った。いつかライブ行ってみたいな‥。)

燃え殻「愛と忘却の日々」
新潮社 2024年9月26日発売

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シマエナガ子
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