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「一生モノの学び方」のススメ

こんにちは!KAKOです。
noteを始めて5投稿目の初心者です。
中学校で家庭科の教員をしています。


私が教師を経験した中で得たもの。

その中の一つが、一生モノの学び方です。

何を学ぶかって??

その答えは、「学ぶことを学ぶ」。

ん? 何だろうと思いますよね!


今回は、私がおススメする一生モノの学び方についてお伝えします。


共有LIBRARYりょーやんさんの記事「AI時代に記憶力?必要ないでしょ?・・・え?意外に必要!? AI vs 記憶力」を読んで感じたこと

りょーやんさんのこの記事、とても興味深かったです。

誰でも簡単にたくさんの情報を手にすることができるようになったAI時代でも、多くの知識を記憶しておくことで、豊富なアイディアをアウトプットできると、りょーやんさんは述べています。


では、実際の教育現場ではどうなのでしょう?
一緒に考えていきましょう。

学校では現在、一人1台のタブレットを使って授業を受けることが主流となっています。
それこそ、タブレットを使わない日はないと言ってもいいくらいの頻度です。

使い道はというと、共同編集機能を使ってグループでスライドを作成したり、ひとり一人の意見を画面上で分類しながら授業の前後での変容を確認したりと、私が子どもの頃には考えられないような楽しい授業が展開できます

こういった授業の中では、同時進行で必ず「調べる」という作業が必要になってきます。

子どもたちは普段、AIを使って検索することに慣れているので、私も追いつけないようなスピードでサクサク調べていきます。

しかし、子どもによってその調べ方に大きな差があるのです。


具体的な例

家庭科【家族・子どもの成長分野】の授業では、「子どもが育つよい環境」というかなり抽象的なテーマを与え、レポートにまとめる課題があります。

  • Aさん   住む地域の治安や病院・学校などの施設面や自然の充実

  • Bさん   発達に応じた遊びやおもちゃを取り入れること

  • Cさん   海外の子育て支援の紹介

  • Dさん   子育て支援に使われる国の税金の割合

  • Eさん   子ども家庭庁がどんなことをしているか

それぞれが、自分の興味があることや身近なところ考えやすいところから切り込んでありました。

Aさん,Bさんは、今住んでいる周りの居住環境と比較したり、自分が幼児だったころに良かった経験をもとに調べています。

Cさんは、日本の子育て支援は海外と比べて進んでいるんだろうか?という興味関心の視点から。

Dさん,Eさんは、現在の政治に興味をもち、子育て支援にいったいどのくらいのお金がつかわれているのか、どんな支援があるのか、またそれで足りているのかという提案の改善点まで。

これはごくごく一部の例で、他にも「すごい!なるほど~」と思うものがたくさんありますし、逆に何を調べたらいいのか分からず、まったく手が動かない例もあります。


この授業には続きがあって、個人で調べたレポートをもとにグループごとに共有し、あれこれ話し合います。

そして、「子どもが育つよい環境」という壮大なテーマにむけてブラッシュアップした仮説を立て、スライド作成⇒発表⇒ふりかえりという展開です。

中学生でここまでできるのか!という感動や新しい気づきがある、私の大好きな授業です。


ちょっと、話がズレたのでもとに戻します。

AIを使って調べる作業は、子どもたちは何なりとこなしていきます。

しかし、同じテーマでも調べる視点がそれぞれ違うのです。

ここが、りょーやんさんの言う、多くの知識の記憶と豊富なアイディアの関係なのだと思うのです。

知識が点々としてバラバラでも、そこに思考がプラスされることで点と点がが結びつき、何パターンものアイディアが生まれる、それが学びなのだと。


学び方を学ぶ

学校では知識と同時に学び方を学ぶべきだと、私は思います。

点がなければ線が描けません。基礎的な知識はもちろん必要です。
しかし、点がバラバラなままでは、いくら莫大な知識があってもアイディアを出すことはできず、大人になった時に社会や仕事で活躍するチャンスは少ないでしょう。

逆にアイディアがひらめいたところから疑問をもち、必要なことを調べ、それが知識として蓄えられていく流れも、ものすごく良質な学びです。

興味のあることで獲得した知識は、ずっと残るものです。

どうやったら点から線へ、その先の画を描くことができるのか、その練習をするところが学校であってほしいです。

そのためには基礎的な知識やスキルを得ることは不可欠です。

義務教育では、教科ごとの基礎的な知識やスキルを獲得し、それを使って自分なりに創意工夫や応用ができるようになること。

これが学ぶことを学ぶということだと、私は考えています。

食から学ぶ


今まで書いてきたことを食にあてはめてみました。
ズバリ、食を学ぶことは学校での学びを促す要素が詰まっています。

その理由をお伝えしていきます。

私は料理がとても好きで、今までたくさん料理をしてきました。
素敵なレシピ本があれば、片っ端から作ってみたり夕飯のために半日かけて準備したり。
大学生のころから主婦にまじって料理教室に通ったこともありました。
料理教室で料理やお菓子・パンの講師も経験しました。
現在はインスタで料理動画も楽しんでいます。


トマトのカルビサラダ
やさしいおうちカレー


料理動画を見てくれた方からこんな質問をいただきました。

「料理を作るのにどのくらい時間がかかりますか?」
「試作は何度もするのですか?」

このとき初めて自覚したのですが、料理の試作は一度もしたことがなく、ぶっつけ本番。調理時間も最低限です。

(どちらかというと、動画撮影や編集の方が時間がかかります…笑)

もっというと、料理の写真を見ればレシピがなくても手順はだいたい想像がつくし、分量も自分の勘で作ってもそれなりの味にはなる自信があります。

なぜなら、調理の基本や食材の特徴(火の入り方や美味しいタイミングなど)、段取り力といった基礎が身についているからだと思います。

基礎的なスキルは大きいというのが、食からの大きな気づきです。

基礎レシピのスキルさえ修得すれば、自分なりに幅広い料理が作れるようになります。
工夫ができるし応用もきくし、新たなアイディアも生まれていきます。

これは食だけにとどまらず、基礎からどうやって視野を広げアイディアを生み出していくかの学び方の基本なのではないでしょうか。

これが、私が食に魅力を感じる理由の一つです。

子どもたちが「一生モノの学び方」を獲得していれば、この先の社会がどんなに変化しても、軸をもって対応できると信じています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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