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シードvsペレット論争

 MOROHAのアフロ氏のドキュメンタリーを見てなんか深そうなことを思いついたのだが、二、三日したらどうでも良くなったので、本日は私の喫緊のテーマ、インコの「シードvsペレット論争」について書くこととしよう。アフロさんごめんなさい。

「シードvsペレット論争とは」

 昔からインコの餌というのは穀物、特に稲科作物の種子(英:seed)が主流だった。それらのベースがあって、メーカーごとに果物や牡蠣殻、野菜フレークなど入っているものが違っていた。私が昔にセキセイインコを飼育していた時もインコの餌といったら、そういった作物の種子であり、それはインターネットがそこまで普及していなかった時代だからかもしれないが、とにかくそういう認識だった。

 それから15年ほど経過して、私のこのかわい子ちゃん、クッキー君を迎えることになり、色々調べるうちに、最近はもっぱらペレットとかいう総合栄養食品が、インコフード業界を席巻しつつあると分かった。

南極のペンギンを心配する優しい子に育った。

 ペレットとは、簡単に言えばドッグフードをイメージしていただけるとわかり良いと思う。シードは完全な自然のものであるが、ペレットは人工的に作られた食品である。野生のインコちゃんは作物の種子だけでなく虫や、木の実や雑草を食べてさまざまな栄養素を摂取しているので、シードだけ与えるのでは栄養が偏ってしまい、ビタミンやミネラル等が十分に摂取できないらしい。そこで開発されたのが、小鳥に必要な栄養素を全て含んだスーパーフード、ペレットというわけである。

すると諸君からは「シードvsペレット論争」と耳障りよく銘打っているがペレットの圧勝じゃねえか!との罵声がとんできそうであるが、問題はそう簡単ではないのだ。

 「そんな全ての栄養素をバランスよく含んだ食材など美味しいはずがないのである」

 試しに私も一口食べてみた。


正直、わからない。ほんのりとうもろこしの匂いがするぐらい。

まあこういう無駄な好奇心は現代社会では必要とされていないのは承知しているのでここは省略、クッキー君にもあげてみる。

クッキー君、もぐもぐ食べてくれるものの、どことなく「ちっ、しゃあねえな」という感がある。そう、不味くはないのだが、進んで食べる気にもならないのだろう。
大学時代、友達付き合いで渋々いっていた「⚪︎もの里」という定食屋が頭をよぎる。

 それではシードとペレットを半々ぐらいあげたらいいのではと、お思いになられたかもしれないが、情報筋によるとどうやらペレット:シード比、8:2ぐらいがいいのだそう。混ぜて与えてみても、どうしてもほぼシードしか食べていない。
 朝夕におやつとしてシードを与える作戦にしたものの、あまりにもペレットが入った餌いれに近付かないので、不憫に思う。鳥という生き物はエネルギー効率が非常に高く、少食を1日に何度も行い、常に敵から逃げることが可能な体になっているので、食べないというのは、相当美味しくないんだろなと思う。

 ペレット食は長生きするらしい。しかし、大しておいしくない物をずっと食べさせて長生きするよりも、短い命、うまいものをたらふく食べさせてあげたい。もちろん、シード食でも、他の栄養素を工夫してあげることは十分に可能であるが、一人暮らしで多忙な毎日だと、そこまで気が回らなくなることも考えられる。病気のリスクもある。以前買っていたセキセイインコはシード食で、さらに脂質がやたら高いオーツ麦をたんまり食べさせていたものだから、飛ぶこともできない、ドラ猫ならぬ、ドラ鳥になってしまった。

答えが、わからない。考えれば考えるほど沼にハマっていく「ペレットvsシード論争」。「健康」ってなんだろう。「幸せ」ってなんだろう。嬉々としてペレットの中からシードをまさぐるクッキー君をみて、少し自分もラッセルに近付いた気がした。


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