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母の想いと看護師娘の経験から伝える♯5脱毛

母のがん治療について、母の想いと娘で看護師の私が経験した、患者の家族としての行動や気持ち、時々看護師としての考えについて書いていきます。

2013年4月に子宮頚がんの診断となり、抗がん剤治療と放射線治療により、腫瘍は縮小し、腫瘍マーカーも正常値へ。
その後1年間は、定期的に通院。受診の度に血液検査で腫瘍マーカーの変化がないか確認を行っていた。 
診断・治療から、2年後、腫瘍マーカーが上昇。
再発や転移が疑われて、PET‐CT検査を実施することになった。
PET- CTにて、肺への転移がわかった。
抗がん剤治療を行うことになった。
母は、今度使用する抗がん剤は、副作用に脱毛があると説明を受けてきたと、電話で話していた。

脱毛について母と相談し、治療が始まる前にウイッグと帽子は準備しておこうということになった。

ウイッグ購入


ウィッグを購入する前に、私が勤める病院で配布しているパンフレットを見たり、ネットで医療用ウィッグの販売について調べてみた。
価格も安いものだと数千円のものから30万円くらいするものと、価格に差があることがわかった。
アフターサービスのある・なしや定期的なメンテナンスをしてくるところなど様々だった。
また、医療用ウイッグを販売している美容室もあるということも分かった。

治療が終わると髪が伸びてくることを考えて、インターネットで販売されているメーカーのものを購入することにした。
購入の理由は、価格が比較的購入しやすい3万円台だったこと、希望で、トリートメントなどのメンテナンスをしてくれるというのが大きな理由だった。

髪型もショートだけでも数種類あり、母とモデルさんの画像をみながら、迷った末、母が好きなデザインを選んだ。

ウイッグは治療前に、届いた。
治療後、ウイッグを使用するようになり、母の顔とウイッグの長さが合わない感じが気になり、父の知り合いの美容師さんに相談し、ウィッグをつけた状態でお店に行き、顔周りなどをカットしてもらった。

ウイッグの普段のお手入れは、いつも使用しているシャンプーとリンスで押し洗いをするようにと取扱説明書に記載されていた。
その通りにシャンプーをしてみたのだが、髪が絡まってしまった。
メーカーにメールで連絡を取り、丁寧にブラッシングをするようにアドバイスをいただいたが、それでも髪の絡まりは取れないので、再度、メーカーに相談した。
メーカー側で対応しますと、返答があり、すぐにウイッグを送ると、リンスをして、髪の絡まりをとって、購入時と同じ状態で戻ってきた。

脱毛

抗がん剤治療から、2~3週間くらいで徐々に抜けはじめた。
はじめのうちは、パラパラと抜ける感じだったのが、だんだんバサっと抜けるようになった。
母は、家の中に髪の毛が落ちてしまうことにストレスを感じていた。
電話で、「絨毯に髪の毛が落ちているのがすごく嫌だ」「掃除機をかけたり、コロコロ(粘着テープ)しても、すぐに髪の毛が落ちてくる」と、不満を漏らしていた。
離れて暮らしている私にはどうにもできないと思っていたところ、自分で髪の毛を剃ったと報告がきた。
髪が抜けるのは仕方ないと思っていたようだが、それによって部屋が汚れたり、抜けた髪を見るのが嫌だったようだ。

帽子

外出するときには、ウイッグを使っていたが家にいるときは、髪が抜けたままの状態で過ごしていた。
宅配の人が来たりなど、急な来客のときには薄手の帽子をかぶっていた。

帽子は、抗がん剤治療の方向けの帽子を作成・販売しているお店が私の住む街にあった。
インターネットで色や柄を選んで、注文した。
価格は1500円から2000円くらいだった。


治療は夏の暑い時期に始まったので、母は「かつらの中が暑い」と話していた。

脱毛は全身の毛が抜けるので、眉毛も鼻毛も抜けた。
今まで使用していた眉ペンシルなどは、こすれたり・汗ですぐに落ちてしまうので、母と大型スーパーの化粧品コーナーでウオータープルーフの眉ペンを探した。
母は数種類のペンを試して、落ちない1本をみつけていた。

副作用については、個人差もある。
辛いと思う副作用も人によって違う。
たまたま、母は事前に準備をしていたので、いざ髪が抜けても自分が心地いいように対処していた。
ストレスは感じていたが、ウイッグをつけて外出も今まで通りにしていた。

治療の説明を受けたときには、医療者から作用・副作用の説明がある。
気になることがあったり、副作用についてはどうしたらいいのかということも相談にのってくれる。
薬について、生活全般の不安について相談することもできる。
自分だけで抱えずに。


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