見出し画像

思いを言葉にすることの難しさ 口の立つやつが勝つってことでいいのか

アメトークの読書大好き芸人の会は好きだけど、
リアルの読書会は苦手なはしです。

本でも趣味でも人でも、大好きなものや大切なものほど、
誰かに分かってもらいたいのに、言葉にできない経験はありませんか。

大好きで大切な1冊の本を紹介したいのに、思いを適切な言葉にできず、大切なものほど言葉にすることで、思いが軽くなるというか、口から出ていく言葉が相手に伝えきれていない経験がありました。

一方で、普段は理路整然と話すことを良しと思っていますし、
小学生のころから、「ハキハキと話ができる」ようにと育ち、自分の意見や考えを伝えることが良しだと思っていままで生きてきました。

もじもじしたり、言いたいことがあるのに言わない人をみて、自分のことではないのに、ヤキモキすることもありました。


最近読んだ本は、言葉にすること・表現することについていろんな角度から問いかけています。

文学紹介者 頭木広樹
『口の立つやつが勝つってことでいいのか』

青土社

著者の頭木さん自身が子供の頃に経験したことがタイトルです。
暴力ではなく、話し合いで解決しよう。
自分にも否があるのに、両方の話を聞いた先生が口の立つ頭木さんを勝ちにしてしまう。
勝ちながら、どうして?これでいいの?口の立つ子供だった頭木さんは、疑問に思ってしまいます。

そんな経験などを交えながら、理路整然と話すことが良しで、話せないことはダメと考えてしまうことに疑問を投げかけています。

会議で理路整然と話す人もいれば、すぐに話さずじっくりと間をとって話す人。
どちらも、引き込まれました。
今まで、理路整然と話すことに意識がいっていた私にとって、間をとって考えながら話すことの説得力も感じたりしました。
結局は、話し方より内容・人なんだと思ったのです。

noteで、自分の思いを表していくとき、この言葉が本当に言いたいことなのかと考えることがあります。
一度言葉として発してしまうと、それ以上にならないというかそれになってしまうというか。

著書の中ではこんな風に書かれていました。

たとえばドリアンのなんとも表現しがたいにおいを、「ウンコのにおい」と書いてしまうと、もう自分にもウンコのにおいとしか思えなくなってしまう。ー中略
ありきたりな表現をしてしまうと、自分の過去までありきたりになってしまう。

「口の立ちやつが勝つってことでいいのか  頭木広樹著 P59 」


言葉で悩み、楽しみ、言葉の重みを感じた。


挨拶文を楽しもう!に参加しています。


この記事が参加している募集

読書感想文

noteの書き方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?