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笑って過ごす節目
実家に帰省した時のこと。
父から、
「向かいのおばさん、心臓にヘルスメーターを入れたんだってよ」
私「それ、体重計ね。心臓に入れたのは、ペースメーカーね」
このネタ、いただきますと思ったはしです。
⭐︎⭐︎⭐︎
「誰がいい音だすか大会にしよう」
「まじめにやりなさいって、怒ってるかもよ」
「母さんのために鳴らすんだから、大丈夫だって」
父がトップバッターで拝み、力強くおりんをならす。
次は私が、遠くに音を飛ばすイメージで鳴らす。
「広がりがあっていい音」と、姪っ子に褒められた。
その姪っ子は、日和ってしまい詰まった変な音をだしていた。
不謹慎なのかもしれないけれど、きっと母は喜んでいるだろう。
「自分たちだけで楽しそうにして」と、悔しがっているかもしれない。
母にむけて拝んでいるんだけどね。
母の法要でした。
節目を迎えて、遠方に住む妹や姪、私の娘も久しぶりに実家に集まった。
歌を歌いながら料理をしていた、変な踊りをしていたと、
それぞれが母の思い出話を、脈絡もなく話しては、大笑いした。
ひとり暮らしの父も、久しぶりに会う孫の姿に目を細めている。
10代20代の孫二人に挟まれて撮った写真は、なんだか嬉しいのか、
緊張しているのかわからない顔をしている。
それぞれの生活があり、みんなが一緒に集まる機会も少なくなった。
亡くなった母のおかげで家族みんなが集まることができた。
家族の形が変わりつつあり、新型コロナなどでこうした法要の形も変化していったが、古くから残る風習も大切だなと思った。
母は明るい人だった。
時間とともに悲しみも癒え、楽しかったことばかり思い出される。
そして、それぞれの生活に帰っていく。
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