見出し画像

お雛様、どこまで飾るのか。

お雛様。
女の子のいるお宅は、そろそろ飾る頃でしょうか。

子供が大きくなって、いったいいつまでお雛様を飾るんだろうと思ったのは私だけでしょうか。

お雛様には、いくつか言い伝えや風習がある。
子供の成長を祝ったり、人形が子供の代わりに災いを持っていってくれるという言い伝えもある。
娘が生まれた時に、実家から初節句のお祝いに三段飾りのお雛様をいただいた。
子供も毎年飾るのを楽しみにしてくれていた。
お嫁にいけなくなると困ると言って、娘や夫も一緒に片づけをしていた。

4年前、娘は就職を機に家を出ました。

子供も成人したし、家にもいない、お雛様を飾るのはもういいかなと、どこかで思う。
でも、飾らないといけないという呪縛もある。
それには、ちょっとした理由がある。

私が子供の頃、家にあったお雛様は七段飾りのお雛様だった。
今の物と違って、昔なので飾る棚を作るだけでも、両親が苦労しているのを見ていた。飾るだけで大騒ぎだった。
小学生の低学年の時に、両親が忙しかったのかお雛様を飾らない年があった。

その年、父が体調を崩して入院した。
母はお雛様を出さなかったことを気にしていたのか、もしくは何かで知ったプチ情報だったのか。
ある時、「お雛様をださないと、その家に悪いことが起きるんだって。今年、お雛様を出さなかったから、お父さんが入院したんだ」と、母から聞いた。
子供の時に聞いたので、なんとも恐ろしいものに感じた。
綺麗な顔立ちだけど、夜に見ると少し怖い、ひな人形。
一年間、押し入れから出さないと、とんでもない災いを起こすんだと思った。
お雛様、すごい力を持っていると。
娘が生まれてからも、この時期になると母は、「お雛様出した?出さないと悪いことが起きるよ」と、恐ろしい言葉をかけてくる。

数年前から、子供も成人したし、家にもいないのだから、今年は出さないと、心に決めても「やっぱり、お内裏様とお雛様だけでも出そう」と、チェストの上を飾り棚として出している。

呪いの言葉を今年こそは、振り切りたいような、遠くに住む娘が幸せに過ごしてほしいと考えてしまうと、迷ってしまう。
小さい頃から聞かされてきた言葉は、私の意識を変えるのを邪魔する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?