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なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう

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兄が自殺した後の、私の心境記事たちです。
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#家族

「なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう」二〇二四年三月一六日、毒親育ちの兄が自殺した日

「なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう」二〇二四年三月一六日、毒親育ちの兄が自殺した日

不幸の報せはある日突然やってくる。出産を間近に控えた病室にも、美しく穏やかな春の日にもーー。家族を捨てた私と、家族を捨てなかった兄。夫と娘3人で生きる私と、30代で自ら死を選んだ兄。毒親育ちの副業ナースが綴る、「正しい家族のあり方」とは。

兄の死を、悲しむ資格がありますか

「俺もいま病院だ」
「なんで」
「にぃが…死んだ」
「は?」

 今日は産婦人科で妊婦健診の日。
 片道1時間かかる大学病

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[兄が死んだ②]親の愛情も、計量計のように見えたらいいのに

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今日は、死んだ兄との初対面の日。

寝ている娘を見て、夫とクスッと笑ったあと、また少しだけ寝ていた。
目を開けてしまったら、今日が始まってしまう。
仕事日の朝とは比べられないぐらいの憂鬱感。

だが娘の寝顔が、死ぬほど美しく愛おしく見えた。
ああ、やっぱり私は救われている。
昨日と同じものを感じた。

いつも通りの朝だった。
食べむら真っ最中の娘。
今日の朝食はどちらのパンにしますか?じゃあサツマ

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