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閉ざされた学園と蛇蠱の呪い

あらすじ
主人公・岬あきらと怪奇探偵・兵間信一は、生徒たちが次々と謎の失踪を遂げる事件を調査するために、あきらが通う学校を訪れる。

しかし、突然学校が封鎖され、外界との通信が断絶。
生徒と教師が次々と不可解な形で殺害される中、あきらと兵間は、残された生徒たちをまとめ、生き残るための脱出方法を模索する。

しかし、事態はさらに深刻化する。
彼らの中に、香川県小豆島に伝わる「蛇蠱(へびみこ)」と呼ばれる呪いが影響していることが判明。

蛇の霊に取り憑かれた者が、仲間を裏切り、次々に殺戮を行っているという恐ろしい事実が明らかになる。
彼らは互いを信じることができなくなり、疑心暗鬼に陥る。

誰が呪いに取り憑かれているのか?誰が本当の敵なのか?
限られた時間と状況の中、あきらは兵間とともに、呪いの真相を解明し、真の敵を見極めるための冷酷な選択を迫られる。

最終的に、あきらと兵間は学校の呪われた歴史に隠された秘密にたどり着き、脱出の道を見つけることができるのか?

主な登場人物


岬 あきら(みさき あきら)

  • 年齢: 17歳(高校2年生)

  • 性別: 女性

  • 外見: ショートカットの黒髪、身長160cm前後。鋭い目つきが印象的で、何事にも真剣な表情を崩さない。

  • 性格: 冷静沈着で頭の回転が速いが、感情を表に出すのが苦手。困難な状況でも諦めず、鋭い洞察力と行動力を持つ。過去に弟を事故で亡くした経験から、「守れなかった後悔」に敏感で、誰かを守りたいという強い信念を持っている。

  • 口癖: 「私がなんとかする」「大丈夫、落ち着いて」

  • 特有のしぐさ: 考え込むときに無意識に左手で髪をいじる。緊張すると唇を軽く噛む癖がある。

  • 好きなモノ: ミステリー小説や推理ゲーム。自分の頭で解決するのが好きで、謎解きに没頭するのが彼女の息抜き。

  • 嫌いなモノ: 不正や裏切り行為。特に嘘をつかれることを極度に嫌う。恐怖映画も苦手で、ホラーが現実に起こったらどう対処するか真剣に考えてしまうから。

怪奇探偵 兵間 信一(ひょうま しんいち)

  • 年齢: 28歳

  • 性別: 男性

  • 外見: 長身(約185cm)で細身、無精ひげを生やしている。黒いコートとハットを常に身につけていることが多い。ボサボサの髪が少し陰鬱な印象を与えるが、瞳は鋭く、常に周囲を観察している。

  • 性格: 皮肉屋で無愛想だが、内心では他人を気遣う一面を持つ。過去の辛い経験から、幽霊や超常現象にも冷静に対処できるが、他人との距離感を保つ傾向がある。捜査においては勘と直感を重視し、常識にとらわれない発想で事件を解決していく。

  • 口癖: 「結局、人間が一番怖いんだ」「どうせ、見えてるだけじゃ解決しないさ」

  • 特有のしぐさ: タバコを吸わないが、手持ち無沙汰だと常にライターをカチカチ鳴らしている。考え事をする時、右手で顎を触る。

  • 好きなモノ: コーヒー(特にブラック)。苦いものが好きで、朝は必ずコーヒーを飲む。読書家で、特に古い歴史書やオカルト関係の文献に目がない。

  • 嫌いなモノ: 無駄話やおしゃべり。特に騒がしい場所が苦手で、居酒屋などのにぎやかな場所を嫌う。嘘つきにも厳しいが、少しでも「自分を守るための嘘」であれば受け入れることもある。

  • 二人の関係

あきらと兵間は、年齢差があるものの、お互いのスキルや信念を認め合い、信頼関係を築いている。
兵間はあきらにとって、頼りになる存在だが、時折見せる皮肉な態度や無愛想な振る舞いには苛立つことも多い。
兵間はあきらを「強い子供」と見なしつつも、彼女の正義感に心を動かされることがある。

第1章:封鎖された学校

「おい、あきら。これ、マジでヤバいんじゃないか?」
兵間が私に向かって声をかけてきた。
廊下の向こうに見える、異様に静まり返った教室を見つめながら、私は無意識に頷いた。空気が重苦しく、何かが起こる前の緊張感が肌にまとわりついている。
私はその場で足を止め、軽く呼吸を整えた。

ここ数週間、学校で生徒が次々と姿を消していた。
理由は分からない。
ただ、消える前には決まって奇妙なことが起こるという話が広がっていた。誰もが異様な夢を見る。
蛇に追われる夢だ。
その夢を見た者は、翌日には姿を消す。そして、もう二度と見つからない。

「蛇蠱(へびみこ)」――その言葉が、地元の噂話としてささやかれている。
香川県小豆島に伝わる古代の呪いだと言われているが、信じる者は少なかった。
だが、この学校で起きている出来事を説明できるものは他にない。

「封鎖されてるんだよ、学校が。これ、どうするんだ?」
兵間の声は少し焦っている。
彼の焦燥感が伝わり、私も内心は穏やかではなかった。
すでに何人もの生徒が消えている。警察も手を打てない状況で、私たちはこの学校に閉じ込められている。
外に出ようとしても、扉は閉ざされ、通信も途絶えていた。

「まずは状況を整理しよう」と、私は意識的に冷静さを保ちながら答えた。
兵間は怪奇探偵として有名だ。
彼がこの学校にやってきたのも、この奇怪な事件を解決するためだった。
しかし、私が予想もしなかったのは、私自身がこの事件に巻き込まれ、命の危険にさらされることになるとは思ってもみなかったことだ。

「分かった、だが、どうやって動けばいい?あきら、これ以上消えたら、俺たちも次のターゲットになるかもしれないぞ?」
兵間の問いに、私は黙って考えた。
確かに時間がない。次に誰が消えるのかも分からない状況だ。
私たちには、真実を探り出すために行動するしかない。
学校中の異常な空気の中で、何かが隠されているはずだ。何かが、この場所全体を支配している。

「とにかく、手がかりを探そう。このまま立ち止まっていたら、やられるだけだ。」
私たちは廊下を歩き出し、校内の探索を始めた。
消えた生徒たちが最後に目撃された場所を順に回りながら、私は頭の中で状況を整理していく。
生徒たちは全員、消える直前にあの夢を見ている。
そして、蛇に襲われるという共通点がある。

「蛇蠱の呪い…か。」
私は思わず呟いた。

「その話、信じてるのか?」兵間が私に尋ねてきた。
「正直、まだよく分からない。
でも、他に何も手がかりがない以上、可能性として考えないわけにはいかない。」
「なるほどな…まぁ、俺も怪奇探偵やってる以上、ありえないことを考慮しないとやってられないってのは分かるよ。」

私たちは学校の資料室に向かった。
そこには、学校の歴史や地域にまつわる記録が保管されている場所だ。
もしかしたら、何か手がかりが見つかるかもしれない。

私は扉を開け、古びた棚にずらりと並ぶ書物やファイルを見回した。
「見つけた。」
棚の一角にあった、古い本の背表紙が目に留まった。
『蛇蠱伝承――香川県の呪術』と書かれている。
私はその本を取り出し、埃を払いながらページをめくった。


第2章:呪いの起源

「蛇蠱は、古代からの呪いであり、特定の家系によって伝えられている。
蛇を使役し、憎む相手に災厄をもたらす。

この呪いを受けた者は、蛇の霊に取り憑かれ、最終的に命を失う。」
ページを読み進めるうちに、私はその言葉に背筋が凍るのを感じた。
ここに書かれている内容は、まるで今この学校で起きていることそのものだった。

「兵間、これを見て。」
私は本を彼に手渡し、彼もまた顔を曇らせながらページを眺めた。
「まさか、本当にこんなことが…いや、でもこの記述、かなり詳細だぞ。
誰かが過去にこの呪いを受けたのか?」

「可能性はある。でも、今それが再びこの学校で起きているとしたら、誰がその呪いをかけたのか…」

「蛇蠱に関わる家系が、この地域にいるのかもしれない。」
兵間はさらに本を読み進めながら、私に答えた。
蛇蠱の呪いは、特定の家系によって代々受け継がれているという。
その家系に属する者が、強い憎悪を抱いたとき、呪いは発動し、対象に蛇の霊が取り憑く。
そして、その影響下にある者は、次第に自我を失い、他者を襲い始めるというのだ。

「となると、この学校の誰かが蛇蠱に取り憑かれている…?」

「そうだ。誰かがその呪いを解くまで、犠牲者は増え続けるだろう。」
私は本を閉じ、深いため息をついた。
状況はさらに厳しくなった。誰が蛇蠱の影響を受けているのか、見極めなければならない。
しかし、そのためにはもっと手がかりが必要だ。

「次は、消えた生徒たちの持ち物を調べるべきだ。」


第3章:裏切りの影

私たちは消えた生徒たちの教室に向かった。
そこには、彼らが使っていた机やロッカーがまだ残っていた。
私は一つ一つの机を調べ、彼らが何を持っていたのか、どんなことを話していたのかを手がかりにしようとした。
「ここに何かあるかもしれない。」

私は教室の中を歩き回りながら、消えた生徒たちが最後に何をしていたのかを探るために、机やロッカーの中を調べ始めた。
兵間も一緒に動いていたが、彼の動きはいつも無駄がなく、鋭い観察眼で次々と手がかりを見つけ出していく。
彼は怪奇探偵として、この手の調査には慣れているのだろう。
私はその後ろ姿を見て、少しでも彼に追いつこうと焦りながらも、自分なりに調べを進めた。

「これ、何だ?」
ふと、あるロッカーを開けたとき、中に妙な手紙が挟まれているのを見つけた。
手書きの字で、何かが書かれている。
読み進めると、そこには次のような内容が書かれていた。

「お前が最後に逃げ出す前に、呪いが発動する。あの蛇に気をつけろ。」
蛇――やはり「蛇蠱」の呪いに関連している。
この手紙は、消えた生徒の一人に宛てたものなのだろうか。それとも、別の人物が送りつけたものなのか?私はその場で頭を悩ませた。

「どうした、あきら?」
兵間が私の方に近づき、手紙に目を落とす。彼は黙ってそれを読み、顔をしかめた。

「これは、ただの脅迫ではないな。呪いを知っている者が書いたに違いない。」

「そうね。でも、誰がこんなことを…?」

「犯人は、きっとこの学校の誰かだ。そしてその者は、蛇蠱の呪いを意図的に使っている可能性がある。だが、呪いは簡単にコントロールできるものじゃない。今の状況は、あまりに無差別だ。」
兵間の推理は的確だ。
呪いを使う者がいるとしても、その人物は完全に状況を掌握しているわけではない。
生徒たちは次々に消えていくが、計画性が見られない。
誰が次に消えるのかも、無作為に選ばれているように思える。

「手紙を残した犯人が、この学校の中にいるのなら、必ず何かしらの痕跡があるはずだ。私たちはそれを追いかけるしかない。」
私は心を決め、兵間とともにさらに調査を続けることにした。
学校中を駆け巡り、次々と教室や部屋を調べるが、蛇蠱の呪いを操る者に関する直接的な手がかりは見つからなかった。
しかし、次第に学校全体に異様な雰囲気が漂い始めた。

廊下の隅で、ある生徒が怯えた顔で座り込んでいるのを見つけた。
彼女は震えており、何かに追い詰められているようだった。
私はすぐに駆け寄り、彼女に声をかけた。

「大丈夫?何があったの?」

「蛇…蛇が…私を見てた…ずっと…見てたの…」
彼女の顔は青ざめ、まともに話すことすらできない状態だった。
私はその言葉に背筋が凍りついた。彼女は夢ではなく、現実に蛇を見たのだろうか?それとも、呪いの影響で幻覚を見ているのだろうか?

「落ち着いて。蛇なんてここにはいないから。」
そう言いながらも、私は彼女の言葉に耳を傾け、何か手がかりになるものがないかを探った。
彼女の話が本当なら、呪いの力がすでに広がっている証拠だ。兵間もその様子を冷静に見守っていた。

「どうやら、あちこちで蛇に関する目撃情報が増えているようだな。これは、呪いが強まっている証拠かもしれない。」

「そうね。このまま放っておくと、もっと多くの生徒が犠牲になるかもしれない。」
私は彼女を保健室に送り届けた後、再び兵間とともに学校の探索を続けた。

だが、私たちが歩くたびに、廊下の奥から妙な気配が漂ってくる。
まるで何かが私たちを監視しているかのような感覚だった。
どこかに蛇が潜んでいるのだろうか?

「どうも、この学校全体が呪いの影響を受けているみたいだな。生徒たちの不安が増大するのも無理はない。」
兵間はそう言いながらも、冷静さを保っていた。
彼はこうした超常現象に慣れているためか、どんな状況でも冷静に対応できるのだ。

「私たちも、早く手がかりを見つけないと、次は私たちが消えるかもしれない。」
私は内心の焦りを抑えつつ、調査を続けた。
学校内には、どこかにまだ見落とした手がかりがあるはずだ。
そして、それが見つかれば、呪いの根源にたどり着けるかもしれない。


第4章:裏切りの真実

数時間が経過し、学校内は不気味な静寂に包まれていた。
生徒たちは各教室や廊下の片隅で身を縮め、怯えた顔で互いを見つめ合っていた。
誰が蛇蠱の呪いに取り憑かれているのか、誰が次に消えるのか、誰も分からない。

「これ以上、放っておけないな。」
兵間が重々しく言葉を発し、私は頷いた。
私たちは生徒たちに呼びかけ、全員を一箇所に集めることにした。
このままバラバラにしておくのは危険だ。
集団で行動すれば、何か異常が起こったときにもすぐに対処できるはずだ。

体育館に集まった生徒たちは、不安げな表情で私たちを見つめていた。
誰もが恐怖に支配され、何が起こっているのか分からない状況だった。

「皆さん、落ち着いて聞いてください。私たちはこの学校に潜む呪いの原因を調べていますが、まだ解決には至っていません。ただ、この学校の中に蛇蠱の影響を受けた者がいる可能性が高いです。」

私はできるだけ冷静に状況を説明したが、生徒たちの顔はますます不安に染まっていった。

「つまり…誰かが蛇に取り憑かれているってこと?私たちの中にいるってこと?」
一人の生徒が怯えた声で尋ねた。


第4章:裏切りの真実

「そう、今のところ、誰が影響を受けているのかはわからない。だからこそ、みんなで協力して対処するしかないんだ。」

私はできる限り落ち着いた声で生徒たちに呼びかけたが、彼らの間にはすでに疑心暗鬼が広がっていた。

誰もが隣にいる友人やクラスメイトを疑い始めていた。そして、その不安はすぐに言葉となり、教室中に広がり始めた。

「お前だろ!お前が蛇蠱に取り憑かれてるんだ!」

「ふざけんな!俺じゃない!お前こそ、最近おかしかったじゃないか!」

怒号が飛び交い、体育館の空気が一気に険悪なものへと変わっていく。
私はすぐに声を上げて止めようとしたが、すでに争いは始まっていた。
生徒たちは互いに睨み合い、押し合い、状況はますます悪化するばかりだ。

「落ち着け!誰も確証がないんだ、こんなことをしても意味がない!」
兵間が鋭い声を上げると、一瞬だけ静寂が戻った。
しかし、その瞬間に、体育館の隅から何かが動いた。
私たち全員の視線がそちらに向いたとき、そこには一人の生徒が倒れていた。
彼女の顔色は蒼白で、身体は硬直していた。まるで何かに締め付けられているかのように、その身を震わせていた。

「おい、彼女が危ない!」
兵間が走り寄り、その生徒の脈を取った。
私は呆然と立ち尽くし、彼女の様子を見守っていたが、目の前の光景はまるで悪夢のようだった。
彼女の首元には、まるで蛇の鱗のような跡が浮かび上がっていた。それはゆっくりと、彼女の肌を這うように広がっていく。

「く…苦しい…助けて…!」
彼女の呻き声がかすかに聞こえた。
私はすぐに彼女に駆け寄り、何とか助けようとしたが、彼女の身体はすでに冷たくなり始めていた。
まさか…本当に蛇蠱の呪いが現実のものとなっているのか?

「これは…本物だな。彼女は蛇蠱に取り憑かれている…いや、すでに犠牲になったのかもしれない。」
兵間の冷静な声が、私の耳に鋭く突き刺さった。
私は彼女を見つめながら、どうすれば良いのか途方に暮れていた。
呪いが現実であるなら、私たちはどうやってそれに対抗すればいいのか。今までの知識や論理は何の役にも立たない。

「どうすれば…この呪いを解くことができるの?」
私は兵間に尋ねたが、彼も即答できない様子だった。
彼の表情からは、何かを深く考えているのが伝わってきたが、答えはまだ見つかっていない。

「蛇蠱…その呪いの元を断ち切るには、誰がこれを使っているのかを突き止めるしかない。呪いを操っている者がいるなら、その者を止めない限り、犠牲者は増え続けるだろう。」

「でも、どうやって見つければいいの?学校の中には何十人もの生徒がいて、誰が犯人なのか全く分からない…」
私は焦りながら言葉を紡ぎ出した。
だが、兵間は落ち着いていた。彼は少し間を置いてから、何かに気づいたかのように私を見つめた。
「皆が呪いに怯えている今、この状況を利用して、自分だけが生き残ろうとしている者がいるはずだ。つまり、犯人はすでに誰かを陥れようとしている可能性が高い。」

「それって…?」

「そう、犯人はこのパニックの中で他の生徒たちを混乱させ、自分に疑いの目が向かないようにしているんだ。私たちがこの学校を出る前に、必ず奴を見つけなければならない。」
兵間の言葉に、私は少しずつ冷静さを取り戻していった。
彼の推理は正しいかもしれない。犯人はこの混乱を利用して、自分を隠している。
私たちは、冷静に誰がこの状況を操っているのかを見極めなければならない。

「でも…どこから手をつければいいの?」
私がそう尋ねると、兵間は微笑んだ。

「まずは、あの手紙を調べよう。犯人が残した証拠が、必ずそこに隠されているはずだ。」
私は頷き、兵間とともに再び調査を開始した。
呪いが現実のものとなっている今、私たちは一刻も早く真実にたどり着かなければならない。

生徒たちの命が危険に晒されているのだから。


第5章:最後の選択

体育館を出た私たちは、次の手がかりを探すために再び校内を歩き回った。蛇蠱に取り憑かれた生徒たちの目撃情報が増えてきており、状況はますます危険になっていた。
私は心の中で、残された時間が少ないことを感じていた。

「このままだと、私たちもいつ呪いに取り憑かれるかわからない…」
私はつぶやきながら、ふと足を止めた。その瞬間、兵間が振り返って私に言った。

「恐れるな。恐怖は呪いに力を与える。冷静に行動し、犯人を見つけ出すんだ。」
彼の言葉に、私は少しだけ勇気を取り戻した。
兵間はただの怪奇探偵ではなく、この状況に立ち向かう覚悟を持っている人物だった。私は彼の背中を見つめながら、再び歩き出した。

しかし、その時、突然背後で大きな物音が響いた。
私は振り返ると、そこには一人の生徒が倒れていた。
彼は苦しそうに地面をのた打ち回っている。
彼の身体には、まるで蛇に締め付けられているかのような痕が浮かび上がっていた。
私たちはすぐに駆け寄り、彼を助けようとしたが、すでに手遅れだった。彼の顔は青白く、目は虚ろだった。

「また…ひとり…」
私は歯を食いしばり、悔しさを抑えながら呟いた。
こんなことが、何度も繰り返されている。
私たちは蛇蠱を止めるために動いているのに、犠牲者が増えるばかりだ。

兵間がその生徒の身体を調べている間、私は教室の窓から外を見つめた。
学校は完全に封鎖され、外の世界との接触は途絶えている。
今は私たちだけでこの呪いと戦わなければならない。
外部の助けを待つことはできないし、頼ることもできない。

「何か見つけたか?」
兵間が静かに尋ねてきた。私は少し考えてから答えた。

「この生徒が誰と一緒にいたのか、もっと詳しく調べる必要があるわ。誰が蛇蠱に関わっているのかを特定する手がかりが見つかるかもしれない。」
兵間は頷き、私と一緒に調査を再開した。
生徒たちに話を聞き、彼らの行動パターンを洗い出していくうちに、徐々に奇妙なことが分かり始めた。
いくつかの証言が食い違っている。そして、ある特定の生徒に関する噂が浮かび上がってきた。

「翔太だ。彼に関する話が怪しい。」
私はそう告げた。翔太は学校でも目立つ存在ではなく、普段は大人しい性格の生徒だ。
しかし、この状況において彼の名前が何度も挙がっている。
彼は蛇蠱の影響を受けているのか、それとも…彼自身が何かを隠しているのか?

「調べる価値はありそうだな。行こう。」
兵間と共に、私は翔太の教室へ向かった。
彼がいるはずの場所に辿り着くと、教室は異様なほど静かだった。
窓から差し込む光が、教室内の埃を照らし出している。
翔太は教室の一番奥に座っていた。何かに取り憑かれているかのように、じっと机に向かっていた。

「翔太、話があるんだ。」
私はできるだけ穏やかな声で話しかけたが、彼は反応しなかった。
ただじっと、机の上に置かれた何かを見つめている。

「おい、聞こえてるのか?」
兵間が声をかけても、彼は動かない。
まるで時間が止まったかのようだった。私はゆっくりと翔太に近づき、机の上を見た。
そこには、蛇の模様が刻まれた古い手紙が置かれていた。
その手紙はまるで不気味な力を放っているかのように、私たちの視線を捉えて離さなかった。

「これが…蛇蠱の手紙…?」
私は思わず息を呑んだ。この手紙が、これまでの惨劇の原因だったのか?

「いや、手紙そのものが呪いを引き起こしているわけじゃない。」
兵間が冷静に手紙を手に取り、じっくりと調べた。

「この手紙は古いが、最近誰かが書き加えた形跡がある。何者かがこれを使って生徒たちを操っているんだ。」
私は驚愕した。つまり、犯人はこの手紙を通じて蛇蠱を操り、生徒たちを陥れていたということだ。

「じゃあ、犯人は誰なの?」
兵間が手紙をじっくりと調べ、ふと小さな印に気づいた。
「これは…!」

その印には、見覚えがあった。私たちはすぐに教室を出て、犯人が誰であるかを突き止めるために動き出した。

だが、時間がない。次の犠牲者が出る前に、真実を暴かなければならない。


第6章:最後の対決

校舎の廊下を走り抜け、私たちは犯人が隠れている場所へと向かっていた。これまでの調査と証拠を繋ぎ合わせた結果、ある人物にたどり着いたのだ。

犯人は…教師の一人、影山だった。
影山は常に冷静で、生徒たちに対しても親身に接していたが、何か裏があると感じていた。彼の目には常に計算された冷たさがあった。
そして、それがついに確信に変わったのだ。

「影山…彼が蛇蠱の使い手だ。」
兵間の言葉に私は頷き、影山のいる教員室へと向かった。
中に入ると、そこには影山が待ち構えていたかのように立っていた。

「来たか、岬あきら。そして兵間探偵。」
影山は冷静な声でそう言った。
まるでこの瞬間を待っていたかのようだ。
彼の背後には、蛇蠱の呪術に使われたと思われる道具が並べられていた。

「なぜこんなことをしたの?」
私は問い詰めたが、影山は静かに笑った。

「理由?理由なんて簡単さ。私はただ…この学校に蔓延る愚か者どもに罰を与えたかっただけだ。」
その冷酷な言葉に、私は怒りを覚えた
。無実の生徒たちが次々と犠牲になったのは、影山の歪んだ信念によるものだったのだ。

「お前を止める。」
私は決意を込めてそう言った。影山は嘲笑を浮かべたが、私たちはすでに決して逃がすつもりはなかった。

兵間が一歩前に出た。
「呪いに頼るお前は弱い。終わりだ、影山。」
影山が反撃しようとした瞬間、私は手に持っていた蛇蠱の手紙を彼の前に突きつけた。その手紙が光を放ち、影山は叫び声を上げた。

「やめろ…!くそ…!」

手紙に込められた呪いの力が逆流し、影山を苦しめた。そしてそのまま、影山は膝をつき、静かに息を引き取った。


第7章:新たな明日

影山が倒れたことで、学校にかかっていた呪いも解けた。

生徒たちは次々と正気を取り戻し、学校の封鎖も解除された。すべてが終わったのだ。

私は兵間と共に、学校の外へと歩き出した。
朝日が校舎に差し込み、新しい一日が始まろうとしていた。

「これで本当に終わったのか?」
私は兵間に尋ねた。彼は静かに頷いた。

「影山が呪いを操っていたのは確かだ。しかし、蛇蠱の力そのものは完全に消えたわけではない。だが、今は安心しろ。お前たちはよく戦った。」
その言葉に、私は少しだけ安堵した。

「ありがとう、兵間。本当に助かった。」
私は兵間に感謝の言葉を述べたが、彼は微笑んで首を振った。


「俺はただの探偵だ。だが、お前はもっと強くなれる。」
そう言って彼は去って行った。私の心には彼の言葉が深く残った。





あとがき


現在、AIに小説を書いてもらうため、毎日プロンプトや、加筆、修正の方法を探っていて正解に辿り着けない。

今回、読み直してみて不満は次の通り。

事件の発端が詳しく描かれていないため、主人公あきらと怪奇探偵兵間の間に、この事件に対する思いが伝わって来ず、いきなり始まった感があること。

影山と兵間の対決のシーンが迫力が無い事。

手紙の印とは何か分からない事。

もっと、文字数を増やし、アウトライン、プロットの設定を細かく分け、この時点で加筆、修正を行う方法を模索中。

無料でChatGTP4oを使うため回数制限?みたいなものがあり、1万文字の小説を書かせるための、アイディア出し、タイトル決め、あらすじ、キャラクターのプロフィール、プロット、そして本文を数回に渡って続きを指定すると回数制限が掛かるまでに1作品を作るだけで終わってしまい。
この後の加筆をするために待つ時間ができこの間何も出来ない、この対策もまだも模索中である。

まだまだ、小説を自分が納得行く作品をAIだけでは無理のようである。

これからも、まだまだAI小説を続けて行きます。

良ければお付き合いください。

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