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自分に有利な条件でゲームに勝つと「実力で勝った」と勘違いする

自分に有利な条件でゲームに勝つと「実力で勝った」と勘違いする
コーネル大学の研究

ゲームなどを行うと、基本的に勝ち負けが決まる
勝敗が決まると、たまたま勝てた、実力の勝利、運がよかった、練習の成果、など色々と勝った理由を考えたりする

しかし、ゲームのルールが不平等で、どちらかに有利なゲームの場合はどうなるのだろうか?
研究者が調べてくれた

参加者に二人一組で行うトランプゲームをプレイしてもらった
・プレイヤーは最初にカードが9枚配られる
・プレイヤーは交互に手札から、場に出ているカードより数字が大きいカードを出す
・カードを出せない場合、パスとなり、もう片方のプレイヤーが手札から好きなカードを場に出して再開する
・先に手札を使いきったら勝利
・7ラウンド行う

基本的なルールに加えて、今回の実験用に二つのルールを加える
①先手を取ったプレイヤーは全てのラウンドで先手を取る
②手札を交換するルール
 プレイヤー二人で手札を2枚交換する
 前のラウンドで勝利したプレイヤーは弱いカードを、敗北したプレイヤーは強いカードをそれぞれ交換する
(トランプゲームの大富豪で、大富豪と大貧民が手札を交換するのと同じ)

先手は自由にカードを出せるので有利になる
その上、勝利すると次のラウンドで強いカードをもらえるので、より有利になる
相手の手札が2枚判明しているので、戦略面でも有利になる

このように、片方が有利なゲームを行ってもらい、ゲーム後にアンケートを取って、ゲームや勝因について調査した

結果、ゲームに勝ったプレイヤーは、勝因を自分の実力だと勘違いしていた!

まず、このゲームでは先手がかなり有利で、ほとんどのゲームにおいて先手が勝利していた
つまり、先手さえ取れば、ほぼ勝利は決まったも同然である

なのに、勝者は自分に実力があったらから勝った、適切な戦略のおかげ、などと考えていた

さらに、勝者は、ゲームのルールが不平等だと気づいていなかった
敗者に比べて、勝者はゲームが公平だったと答える人は2倍も多かった
(公平だと気づいた人でも、勝因については自分の実力だと勘違いしていた)

要するに、人はゲームに勝っている時、それを自分の実力だと勘違いしてしまう
本当に実力で勝っているのなら問題ないが、運がよかっただけだとしたら、痛い目を見るだろう

【勝って兜の緒を締めよ】

調子のいい時こそ、冷静に判断して、運なのか実力なのか見極める目が求められる

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参考文献
It’s not just how the game is played, it’s whether you win or lose
https://advances.sciencemag.org/content/5/7/eaau1156

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